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第十話 最終決戦!!!!!!!!!!

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そして、最終決戦の日がやってきた。ソフィとジーニソスは互いに決闘する場所を取り決め、その場所へとお互いに赴くことになった。最後の決戦に備え、互いに仕上がった肉体を全力でぶつけ合う、まさに最終決戦。

「……こんなところを最終決戦に指定するなんて、面白いわね」

「君こそ、ここに来てくれるなんて驚いたよ」

最終決戦。ここは険しい筋肉山の山頂。誰にも邪魔されない、筋肉広場での戦いが今始まらんとしていた。互いにフルパワーを解放し、互いに近づいていく。

「筋肉魔法……全開…!」

「筋肉魔法…人型…」

互いの筋肉が一気に膨れ上がり、双方共に人の形を作り上げる。フルパワーを練り出すソフィ。人型のまま筋肉が何倍にも伸びていくジーニソス。まさに、筋肉と筋肉がぶつかる最終決戦。

「はぁぁぁぁあっ!!」

「ふっ!!!」

────ズドォォォオッ!!!

────ガッッ!!

────ドゴオオオオオン!!!

小細工無しの、体と体とのぶつかり合い。もはや、語ることがない。語ることがないくらい、肉体と肉体でぶつかり合っている。超神速で動き、そして肉体同士で激突する。それだけの行為で、辺りの風景は砕けていく。

「くっ……!」

「遅いよ…!」

超神速で背後に回り、筋肉全てを攻撃に回すようにぶん殴る。それだけで、ソフィの体は遥か彼方までぶっ飛ばされる。何年も、何年も、鍛え上げ続けた体。ソフィの筋肉さえ、それには敵わないのだ。

「筋肉魔法!隼舞ッ!!」

────ビュオッ!!

得意の神速を活かし、超高速で相手を取り囲むように移動する。足の筋肉を最大限に生かした、軽やかなステップで相手に突撃していく。

「筋肉魔法…大腿四頭筋!」

────バチイッ!

けれど、届かない。完璧な対応で、筋肉を固められてガードされる。

「(弾かれた…けど、次の一撃で…!)」

「筋肉魔法…前脛骨筋!」

それさえも、ジーニソスは読み切って反応してしまう。筋肉魔法を的確に発動させ、蹴りをソフィへと叩き込む。

────ドゴッッッッ!!

「がっ……ふ……」

だが、相手の超反応はソフィの攻撃に完璧に反応する。ガードさえさせずに、容赦なく蹴りが身体に突き刺さる。瞬足で蹴り飛ばされ、ドラ〇ンボールのように岩盤に激突してクレーターを作る。

「はぁ……はぁ……」

「筋肉魔法。拳弾」

「な、なにあれ……!?」

右腕に力を込め、エネルギーがそこに集まっていく。プロテインのエネルギーを増強させる力を、更に強く強く鍛えることで、そのエネルギーをついに実体化させる事に成功した。それこそ、この拳弾である。

「これは圧縮されたエネルギーの塊。…接触すると同時に、爆発を起こす筋肉の珠だよ」

「……なんて無茶苦茶な……!」

「はっ!!」

繰り出される筋肉弾。避けなくてはならないが、身体が動かない。為す術もなく、筋肉弾が叩きつけられる。

────ドゴオオオオオオオオオッ!!!








まさに、エネルギーの暴力。凄まじい爆発に巻き込まれ、ソフィはどさりと地面に倒れる。レベルが違いすぎる。筋肉に対する労力が、あまりにも違いすぎるのだ。

「……もう、諦めてくれないか?僕はあまり、君達を殺したくは無い。ボディビルを諦めてくれたら、それで良いんだ」

「……そんな訳…私は……女性ボディビルダーの人権を…取り戻したいのよ。アンタさえ倒せば…ボディビルダーは救われる!ここで諦めたら…今までの苦労は全て無駄になる!」

「そうか……なら、消すしかないね」

再びその手に生成される、筋肉魔法拳弾。これを喰らえば、もうソフィも死は避けられない。なんとか回避して、反撃の手立てを練るしかない。

「私は……負けない…!」

拳を握り、エネルギーを集めていく。筋肉魔法で、なんとかガードしなくてはならない。だが、今の自分に何が出来る。あんな攻撃、どうやって防げば良いのだ。

「筋肉魔法……肉弾砲!」

────ゴオオッ!!

こうなればやけくそ。必死に腕を振るい、自らの最強の技である肉弾砲を解き放つ。威力は桁違いに弱いが、ぶつけて威力を弱める事は出来るだろう。

────ドガァァァァァッ!!!

エネルギーがぶつかり合い、凄まじい爆発をまき起こす。しのぎきれたとは思えないが、爆発の威力はかなり減衰した。

「今の技は見事だよ」

「ありがとう…けど、あんたは倒す!」

再び飛び出し、肉弾戦を再開する。まるでかなわない。何度挑んでも、あしらわれる。それでも、諦める訳にはいかない。女性ボディビルダーを、殺させる訳にはいかないのだ。

「筋肉魔法……!」

────ズギィッッ!!

「ぐっ……!」

その時だった。筋肉魔法を使おうとするが、体に凄まじい激痛が走り、どさりとその場に崩れ落ちてしまう。

「……魔力の使いすぎだね。身体の中にあったプロテインを全て使い切ってしまったようだ」

「そんな……」

こんなところで終わりなのか。プロテインを使い果たして、全力でぶつかることさえなく、倒れてしまうのか。こんなのは認めたくない。私は、みんなを…

「ソフィ様ー!!」

「……っ!ロティ!?」

「私…プロテインを持ってきました!役に立つのか…分かりませんけど…飲んでください!!」

「ロティ……!ありがとう!」

彼女は、ソフィを応援する為にプロテインをもって駆けつけてくれたのだろう。そしてそれが、ソフィの筋肉魔法エネルギー不足に適応した!!

「……今更、プロテインを飲んでもどうにもならないよ」

「まさか。どうにでもなるわよ!仲間がいる事の幸せ。貴方も知ってるでしょ」

「……」

「仲間がいる時、人は何倍も強くなれる!」

プロテインを美味しそうに飲み干して、ロティを優しく撫でる。そのまま彼女から離れ、再び全身の筋肉に凄まじいエネルギーを流動させていく。

「今度こそ、貴方を倒すわ」

「…僕も、次で君を倒そう」

そして、再び激突する。ソフィが放つのは、自分の中でも最大最強の技。エネルギーをその手に宿し、衝撃波を解き放つ肉弾砲。この技で無ければ、あの男には通用しないだろう。

「筋肉魔法……超肉弾砲ッ!!!!」

対して迎え撃つは、ジーニソス最強の必殺技、肉弾。体内にある全エネルギーを抽出した、最大最強の筋肉技。

「筋肉魔法…肉弾ッ!!!!!!!!」








────ドゴオオオオオオオオオオオオオオオン!!!!





そして、全てが見えなくなった。
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