冤罪女

日比谷ナオキ

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複数人犯行

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「私、見てました!その人がその子のお尻に手を当てていたんです!」
「ええっ!ぼぼ、僕はそんな事…」
無駄無駄。そんなキモイ格好で彷徨いてて、誰も信じてくれる訳無いでしょ。世間様は、可愛い女子高生の味方なのよ。
「なんだとー!」
「許せねぇ!」
予想通り。正義感満載の男達が、またまた私の操り人形になってくれる。愉快愉快。後は、流れ作業で男が捕まるのを待つだけ。
「ぼ、僕はやってないぞぉっ!」
「!?」
 駅から降りた所で、男はとんでもない行動に出た。なんと、線路を走って逃亡したのだ。
「ちょっと、信じらんない…」
これでは私達の苦労が水の泡だ。だが、エミは不敵に笑った。
「良いんじゃない?あの男が捕まれば私達は絶対お金貰えるし。」
それもそうね。私は頷き、演技を続ける事にした。
 少しして、男が捕まったニュースが流れた。私達は喜んで、学校内ではしゃぎまわった。
「やったじゃんー!これでガッポガッポね!」
「ね!今回は3桁行きそうじゃね!?」
「やっぱやめらんないわー」
「マジわかる!次も一緒にやろうよ!」
「いや。次は一人でやるわ」
「なんで?」
「あんまり二人でやってると、でっち上げってバレるかもだから。これからはどっちが稼げるか競うのはどう?」
「良いねそれ!やってみよう!」
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