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二章 士官学校
合同授業④
「わたった、わかった。本当にごめん。いま違う練習方法を考えてるから、落ち着いて」
声を荒げるダンパーをなだめるルイスの言葉に、ジェイデンが「練習方法?」と繰り返した。
初めて聞く話に、ダンパーの勢いが引く。
「なんですか、それは。新しい研究を始めたんですか?」
「そう、新しい練習のやり方だね。この前セオドアと話してた時に思いついたんだ」
そう言ってルイスがセオドアの方を振り返る。その視線に気付いたセオドアが、マーゴットと共に近づいてきた。
「どうかしましたか?」
「君、魔力を流すのは魔道具で慣れてるって言ってただろう?魔力回路を引く時のあの感覚だってね。それを利用して魔力を流す練習用の魔道具を作ればいいんじゃないかって思ったんだ」
突然話題を振られたセオドアは、驚きながらも「なるほど」と理解を示した。魔力をただ流すだけの魔道具など考えたこともなかったが、魔力回路の引き方次第で強弱や発動時間も調整可能そうだ。
「確かに、今まで考えたこともなかったですが、理論上は可能ですね」
「これが完成したら自主練しやすくなるよ。あとは、安全装置をどう付与するか試してる所なんだ」
安全装置なしの試作品はほぼ完成しているという。
ルイスやジェイデンが使うには容量が足りない上に、きっと安全装置が必須だ。魔道具が魔力に耐えられない時、暴発してしまう恐れが高い。
彼らの分の完成品はきっと特注になるだろう。
あと少しで、試作品の性能検査を何人かの生徒で試せそうな段階まで進んでいるらしい。
「ぜひ手伝いを!」と、話を聞いたセオドアは興味津々だ。
今からでも開発に参加したいとルイスに立候補している。
「俺も気になります。安全装置ができたら試させてください」
まだまだ練習不足のジェイデンも興味津々だ。
「もうすぐ野外訓練で忙しくなるから、その間は生徒達の魔力合わせもお預けだし。これを機に開発を進めているんだけど。…そうだね、君たちが落ち着いたら声をかけるよ」
「そうですよ。君たちは来月の野外訓練に集中してください」
「あー、訓練。出ない訳にはいかないですかね…」
「だめだろ。正式に依頼が来てるんだからな」
セオドアの中では一気に野外訓練などどうでも良くなったが、ルーとギードのこともあって出ない訳にはいかないとジェイデンに呆れ顔をされる。
そもそも従魔と参加する場合、従者として彼はジェイデンだけで訓練に参加させるわけにはいかない。
「仕方ない。野外訓練が終わったらすぐに参加します。私の持っている素材でよければ何でも提供しますよ」
「君に手伝ってもらうのは大歓迎だ。野外訓練が終わったら頼むよ」
そう言ってルイスは笑った。
その魔道具が完成したら多くの人間がその恩恵を受けられるだろう。
個々の魔力の操作を磨くことは、総じて魔力合わせで魔力量を増やすことに繋がる。
「はいはい、もう次の授業に行かないと間に合わないですよ」
ほとんどの生徒が授業の片付けを終えて帰り準備を始める中、ダンパーがパンパンと両手を叩いた。
「この魔法学の授業も、月末からは魔力合わせは一旦中断です。攻撃魔法や支援魔法の強化にあてられますから」とダンパーは締めくくった。
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描写が丁寧で分かりやすいし面白いです〜!!