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Worrisome person
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昔から達実は、采に対しては攻撃的だった。
叔母である恵美には敬意を以って接しているクセに、采にだけは違う。
どうしてこんなに、こいつに憎まれ口を叩かれなければならないんだ!?
そう考えると、イライラして仕方がない!
(しかも何だ、コイツのこの態度は! 久しぶりに会って少しは成長したかと思っていたら、余計にヒドクなっているじゃないか。大人になったと思ったのは、見た目だけか!? )
18歳になった達実は少年から青年へ変わっていて、外見だけは、うっとりする程にますます麗しくなっていたというのに。
口を開けば、聞くに堪えない言葉ばかりが飛び出してくる。
ここはしっかりと、年長者である自分が義弟を教育しなければ。それが、兄としての義務だろう。
――――と、采は思った。
「達実! 大人しくオレの言う事を聞くんだ。今までは、子供の喋ることだと思って大目に見て来たが……お前も、もう18だろう? 結婚だって出来る年齢なんだ。自分でも、さっき番が云々と口にしていたじゃないか。いい加減に――」
「……て」
「? 」
「肩が痛い、外して」
思いがけず弱々しい声が漏れて来た事に目を見張ると、達実は瞳を潤ませながら采を見上げてきた。
「僕――――先月バイクでコケて、脱臼したばっかりなんだよ。肩が痺れて、力が入らない……」
それは大変だ!
采は慌てて、ネクタイを解いた。
すると……。
――――ドスッ!!
「う……」
形勢逆転だ。采は床に押さえ付けられてしまった上、今度は達実が采に馬乗りになる。
達実は得意気な顔で、采を見下ろした。
「バーカ。ちょろいんだよ、あんた」
「う――」
「マウント取ったんだから、これでオレの勝ちだな」
達実は勝利宣言をして気が済んだのか、今度こそ部屋を出て行こうと腰を上げる。
だが、達実は考え違いをしていた。
采が、ずっと手加減をしていた事を。
「――――絶対、許さん」
怒り心頭に達し、采はそう低く呻くと、達実の腰を抱いてそのまま勢いよく床へと転がる!
そうして間髪入れず、達実の鳩尾部分へ拳を当てて強くそこを圧迫した。
こうなると、常人は息が出来なくなり、満足な抵抗も封じられる。
苦しいと訴える事も不可能になり、達実は顔を歪ませた。
「……ぅ」
微かに腕を動かして抵抗しようとするが、今度は、采はもう油断しない。
無言のまま、強く拳をギュッと捻じり込む。
とうとう息が出来なくった達実は、フッと目の前が暗くなった。
「っと! 」
ガクリと力の抜けた身体を前に、頭に血がのぼっていた采もさすがに冷静になる。
(しまった! つい、やり過ぎた――)
采は慌てて、達実の頬をペシペシと叩く。
「おい、しっかりしろ! 」
「……」
「参ったな……息はしているよな? 」
不安になって、采は達実の唇へと耳を寄せる。
それは、呼吸をしているか確認しようとしての行為だったが。
――――だが、達実の紅く濡れた唇を前にして、采の心臓は不意にドクンと強く鼓動を打った。
叔母である恵美には敬意を以って接しているクセに、采にだけは違う。
どうしてこんなに、こいつに憎まれ口を叩かれなければならないんだ!?
そう考えると、イライラして仕方がない!
(しかも何だ、コイツのこの態度は! 久しぶりに会って少しは成長したかと思っていたら、余計にヒドクなっているじゃないか。大人になったと思ったのは、見た目だけか!? )
18歳になった達実は少年から青年へ変わっていて、外見だけは、うっとりする程にますます麗しくなっていたというのに。
口を開けば、聞くに堪えない言葉ばかりが飛び出してくる。
ここはしっかりと、年長者である自分が義弟を教育しなければ。それが、兄としての義務だろう。
――――と、采は思った。
「達実! 大人しくオレの言う事を聞くんだ。今までは、子供の喋ることだと思って大目に見て来たが……お前も、もう18だろう? 結婚だって出来る年齢なんだ。自分でも、さっき番が云々と口にしていたじゃないか。いい加減に――」
「……て」
「? 」
「肩が痛い、外して」
思いがけず弱々しい声が漏れて来た事に目を見張ると、達実は瞳を潤ませながら采を見上げてきた。
「僕――――先月バイクでコケて、脱臼したばっかりなんだよ。肩が痺れて、力が入らない……」
それは大変だ!
采は慌てて、ネクタイを解いた。
すると……。
――――ドスッ!!
「う……」
形勢逆転だ。采は床に押さえ付けられてしまった上、今度は達実が采に馬乗りになる。
達実は得意気な顔で、采を見下ろした。
「バーカ。ちょろいんだよ、あんた」
「う――」
「マウント取ったんだから、これでオレの勝ちだな」
達実は勝利宣言をして気が済んだのか、今度こそ部屋を出て行こうと腰を上げる。
だが、達実は考え違いをしていた。
采が、ずっと手加減をしていた事を。
「――――絶対、許さん」
怒り心頭に達し、采はそう低く呻くと、達実の腰を抱いてそのまま勢いよく床へと転がる!
そうして間髪入れず、達実の鳩尾部分へ拳を当てて強くそこを圧迫した。
こうなると、常人は息が出来なくなり、満足な抵抗も封じられる。
苦しいと訴える事も不可能になり、達実は顔を歪ませた。
「……ぅ」
微かに腕を動かして抵抗しようとするが、今度は、采はもう油断しない。
無言のまま、強く拳をギュッと捻じり込む。
とうとう息が出来なくった達実は、フッと目の前が暗くなった。
「っと! 」
ガクリと力の抜けた身体を前に、頭に血がのぼっていた采もさすがに冷静になる。
(しまった! つい、やり過ぎた――)
采は慌てて、達実の頬をペシペシと叩く。
「おい、しっかりしろ! 」
「……」
「参ったな……息はしているよな? 」
不安になって、采は達実の唇へと耳を寄せる。
それは、呼吸をしているか確認しようとしての行為だったが。
――――だが、達実の紅く濡れた唇を前にして、采の心臓は不意にドクンと強く鼓動を打った。
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