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震えながらも、何とか岸本は抗議をした。
しかし聖はそれを無視して、ポケットからタバコを取り出して口に咥え、火を点ける。
無言のまま一度だけ煙を喫うと、不意にそのタバコを岸本の顔目掛けて投げ付けてきた。
「うわっ!」
慌てて、岸本は身をかわす。
美央と明も、驚いて息を呑む。
ただ一人零だけは、その御堂聖の顔を、穴が開くほどに睨みつけた。
(この人が、御堂聖か。たしか、まだ歳は四十二か三だと聞いていたけど……)
しかし、初めて目の当たりにした聖は、実年齢よりもはるかに若々しい。
だが、この場に居並ぶどの男よりも、はるかに貫禄がある。
聖は、ガタガタと震える岸本を黙殺し、零と明と美央の三人を睥睨した。
そうしながらゆっくりと口を開き、彼らの想定外の命令を下す。
「お前ら、上だけでいいから、今すぐ服を脱げ」
「え?」
「やれ」
何だかよく分からないが、この場は命令に従った方がいいようだ。
そう思い、三人は目配せをして、言われた通り上半身だけ服を脱いだ。
「さぁ、これでいいだろう!」
美央が勇気を出して、そう声を上げる。
すると今度は、聖は連れてきた女に何事か耳打ちをした。
女は溜め息をつき、不承不承といった様子で、着ていた服を脱ぎ始める。
「おい、何をやらせる気だ?」
メンバーでは最年長の明が、戸惑いながら聖に訊ねる。
だが、聖は無言だ。
女は無言のままどんどん服を脱ぐと、とうとう下着姿になった。
そこで女はチラリと聖の方を見たが、聖が無言のままなのを確認し、女はまた溜め息をつきながらブラジャーのホックを外した。
転がり落ちるような豊満なバストを目にして、岸本とアイドル三人はギョッとする。
「おい! もう止めろ!!」
零が慌ててストップをかけると、聖もそこで女へ頷いた。
「もういいだろう――――じゃあ、この女を囲むように、男共は床に座れ」
「はぁ!?」
今度は、三人の声が合わさった。
しかし、聖はそれ以上説明する気はないのか、次に自身の背後を振り返ると、付き従っている男たちへ指図をする。
「女を真ん中に据えて、ガキどもが取り囲んでいるようにセッティングだ。お前はカメラの用意、他の連中は、こいつらが暴れないよう押さえつけろ」
「分かりました」
その命令に疑問も抗議もせずに、屈強な男たちはあっという間に零たちを拘束し、オーダー通りに床へ押さえつける。
しかし聖はそれを無視して、ポケットからタバコを取り出して口に咥え、火を点ける。
無言のまま一度だけ煙を喫うと、不意にそのタバコを岸本の顔目掛けて投げ付けてきた。
「うわっ!」
慌てて、岸本は身をかわす。
美央と明も、驚いて息を呑む。
ただ一人零だけは、その御堂聖の顔を、穴が開くほどに睨みつけた。
(この人が、御堂聖か。たしか、まだ歳は四十二か三だと聞いていたけど……)
しかし、初めて目の当たりにした聖は、実年齢よりもはるかに若々しい。
だが、この場に居並ぶどの男よりも、はるかに貫禄がある。
聖は、ガタガタと震える岸本を黙殺し、零と明と美央の三人を睥睨した。
そうしながらゆっくりと口を開き、彼らの想定外の命令を下す。
「お前ら、上だけでいいから、今すぐ服を脱げ」
「え?」
「やれ」
何だかよく分からないが、この場は命令に従った方がいいようだ。
そう思い、三人は目配せをして、言われた通り上半身だけ服を脱いだ。
「さぁ、これでいいだろう!」
美央が勇気を出して、そう声を上げる。
すると今度は、聖は連れてきた女に何事か耳打ちをした。
女は溜め息をつき、不承不承といった様子で、着ていた服を脱ぎ始める。
「おい、何をやらせる気だ?」
メンバーでは最年長の明が、戸惑いながら聖に訊ねる。
だが、聖は無言だ。
女は無言のままどんどん服を脱ぐと、とうとう下着姿になった。
そこで女はチラリと聖の方を見たが、聖が無言のままなのを確認し、女はまた溜め息をつきながらブラジャーのホックを外した。
転がり落ちるような豊満なバストを目にして、岸本とアイドル三人はギョッとする。
「おい! もう止めろ!!」
零が慌ててストップをかけると、聖もそこで女へ頷いた。
「もういいだろう――――じゃあ、この女を囲むように、男共は床に座れ」
「はぁ!?」
今度は、三人の声が合わさった。
しかし、聖はそれ以上説明する気はないのか、次に自身の背後を振り返ると、付き従っている男たちへ指図をする。
「女を真ん中に据えて、ガキどもが取り囲んでいるようにセッティングだ。お前はカメラの用意、他の連中は、こいつらが暴れないよう押さえつけろ」
「分かりました」
その命令に疑問も抗議もせずに、屈強な男たちはあっという間に零たちを拘束し、オーダー通りに床へ押さえつける。
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