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史郎の傲然とした物言いに、聖は即座に反論する。
「ふざけんな。あんたには、もっと若い愛人がいくらでもいるだろうが。オレみたいに董が立った野郎なんざ、用なしのハズだろう!? 」
「傾国の美女と二つ名を持つような野郎は、お前くらいだぜ。まだまだ、この身体をそう簡単に諦めてたまるもんかよ」
女のようにぶよぶよした脂肪がないので、聖の身体は適度な弾力があり、とても触り心地がいい。
それでいて、しなやかに柔らかくしっとりとしていて、最上級の美肉だ。
「うっ……」
のけぞる首に噛り付くと、芳しい香りが鼻腔をくすぐる。
女のように油臭くなく、ましてや男のように獣臭くない。
興奮を覚える、天然の媚薬のようだ。
そのまま、聖の弱いところを攻撃すると、苦し気な声が上がった。
だが、その口は、相変わらず可愛くないことを言う。
「てん――おうが、あぅっ! 格が上がるって、話が――そうなれば、いくらあんたが若頭だからって、こんな、ことは、もう――……」
聖のセリフに、史郎はムッとする。
そうなのだ。
天黄組は、確実に力を付けている。
このままでは、天黄の格が上がり青菱傘下から離れ、同等扱いになるだろう。
青菱の頭は――史郎の父親は、そういった面では公明正大だ。
同等と見做せば、盃事を執り行い兄弟分の契りを天黄と交わすだろう。
そうなったら当然、天黄正弘の子飼いである聖には、もう二度と手が出せない。
そんな史郎の思考を見抜いたように、聖は皮肉気に嗤った。
「ハハハ、オレを散々便所扱いしやがったが、そうなったら今度はこっちが笑ってやるよ。青菱のバカ息子は、オヤジがいなきゃあ何もできないボンクラだったってな――あぅっ! 」
スラックスを一気に引き下ろし、前戯もなしに指を突き入れ、乱暴にかき回す。
数日前に、真珠入りのモノを何度も出し入れされたその場所は、まだ柔らかかった。
乱暴な抽挿にも、程よい弾力で応える。
そこはヌチヌチと音を立て、薄紅色に染まりながら可憐に震えた。
「あ、あっ! 」
「案の定だ。お前、安永の叔父貴を誑し込んだな? 」
「い――た、ぃ……」
「さすが傾国の美女だよ。もう、あそこの一家も終わりだな」
この美肉を味わったら、他の何者を抱いたとしても、もう二度とそれに満足する事はない。水を求めて、毒の海水を飲むように、ただ狂う。
この、極上の、聖の身体に病みつきになってしまう。
――――渡したくはない。何者にも。
彼を繋ぎ止めておくには、方法は二つしかない。
まず、青菱の力が天黄よりも格上なのが大前提だ。
そして、もう一つは――――
聖の、弱点を押さえることだ。
唯一の弱点はもちろん天黄正弘であるが、正弘本人が天黄組組長なのだから、それを史郎が押さえるのはムリだ。
ならば、違う弱点を探さねばらならない。
聖の心を、捕えている人物を。
「お前、あちこちの一家を破綻させている元凶だって、結構な数のヤクザが逆恨みして狙っているらしいぞ。会社経営してカタギの振りしてるってのも、反感を買ってるようだ。企業舎弟ってのは、同業から嫌われるからな。せいぜい、周りの連中にも気を付けるよう言っておいた方がいいぜ」
そのセリフに、聖は身体を強張らせた。
(ユウ……! )
それならば、やはり聖に実子がいる事を知られようものなら、ユウの身が危険にさらされる。
それだけは、断じてならない。
だから――――芸能事務所社長と、所属タレントとしてなら、不自然なく会えると計画した。
何年も前から、そうなるのを夢見て。
そういう形であったら、極道の余計な柵もなく、ただ一緒にいられると思って。
「ふざけんな。あんたには、もっと若い愛人がいくらでもいるだろうが。オレみたいに董が立った野郎なんざ、用なしのハズだろう!? 」
「傾国の美女と二つ名を持つような野郎は、お前くらいだぜ。まだまだ、この身体をそう簡単に諦めてたまるもんかよ」
女のようにぶよぶよした脂肪がないので、聖の身体は適度な弾力があり、とても触り心地がいい。
それでいて、しなやかに柔らかくしっとりとしていて、最上級の美肉だ。
「うっ……」
のけぞる首に噛り付くと、芳しい香りが鼻腔をくすぐる。
女のように油臭くなく、ましてや男のように獣臭くない。
興奮を覚える、天然の媚薬のようだ。
そのまま、聖の弱いところを攻撃すると、苦し気な声が上がった。
だが、その口は、相変わらず可愛くないことを言う。
「てん――おうが、あぅっ! 格が上がるって、話が――そうなれば、いくらあんたが若頭だからって、こんな、ことは、もう――……」
聖のセリフに、史郎はムッとする。
そうなのだ。
天黄組は、確実に力を付けている。
このままでは、天黄の格が上がり青菱傘下から離れ、同等扱いになるだろう。
青菱の頭は――史郎の父親は、そういった面では公明正大だ。
同等と見做せば、盃事を執り行い兄弟分の契りを天黄と交わすだろう。
そうなったら当然、天黄正弘の子飼いである聖には、もう二度と手が出せない。
そんな史郎の思考を見抜いたように、聖は皮肉気に嗤った。
「ハハハ、オレを散々便所扱いしやがったが、そうなったら今度はこっちが笑ってやるよ。青菱のバカ息子は、オヤジがいなきゃあ何もできないボンクラだったってな――あぅっ! 」
スラックスを一気に引き下ろし、前戯もなしに指を突き入れ、乱暴にかき回す。
数日前に、真珠入りのモノを何度も出し入れされたその場所は、まだ柔らかかった。
乱暴な抽挿にも、程よい弾力で応える。
そこはヌチヌチと音を立て、薄紅色に染まりながら可憐に震えた。
「あ、あっ! 」
「案の定だ。お前、安永の叔父貴を誑し込んだな? 」
「い――た、ぃ……」
「さすが傾国の美女だよ。もう、あそこの一家も終わりだな」
この美肉を味わったら、他の何者を抱いたとしても、もう二度とそれに満足する事はない。水を求めて、毒の海水を飲むように、ただ狂う。
この、極上の、聖の身体に病みつきになってしまう。
――――渡したくはない。何者にも。
彼を繋ぎ止めておくには、方法は二つしかない。
まず、青菱の力が天黄よりも格上なのが大前提だ。
そして、もう一つは――――
聖の、弱点を押さえることだ。
唯一の弱点はもちろん天黄正弘であるが、正弘本人が天黄組組長なのだから、それを史郎が押さえるのはムリだ。
ならば、違う弱点を探さねばらならない。
聖の心を、捕えている人物を。
「お前、あちこちの一家を破綻させている元凶だって、結構な数のヤクザが逆恨みして狙っているらしいぞ。会社経営してカタギの振りしてるってのも、反感を買ってるようだ。企業舎弟ってのは、同業から嫌われるからな。せいぜい、周りの連中にも気を付けるよう言っておいた方がいいぜ」
そのセリフに、聖は身体を強張らせた。
(ユウ……! )
それならば、やはり聖に実子がいる事を知られようものなら、ユウの身が危険にさらされる。
それだけは、断じてならない。
だから――――芸能事務所社長と、所属タレントとしてなら、不自然なく会えると計画した。
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