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◇
正弘たちは車から出てきた安永の舎弟を締め上げて、今の深刻な状況を改めて知った。
「何だと!? ドラッグの過剰摂取だぁ!? 」
道理で、あの聖が、大人しく安永の人質になっているワケだ。
そうでもなければ、この状況に説明が付かないと納得する。
ガクガクと正弘に頷き、舎弟は必死になって言い募る。
「そ、そうだ。一刻も早く専門医に連れて行かないと、ヤバイ状態なんだ」
「だったら、今すぐてめぇらのとち狂った親分を車から引き摺り出して、聖を連れてこい! 」
怒鳴り散らし、舎弟を蹴っ飛ばして車に向かわせるも、
「誰も来るなっ! 」
と、車内からは安永のひっくり返ったような声が上がり、また銃声が轟いた。
完全に恐慌状態に陥り、安永は敵も味方も最早分かっていないようだ。
正常な判断力を失い、ただただ手にした傾国の美女に夢中になっているのだろう。
これでは、八方塞がりだ。
急性麻薬中毒で助かるかどうかは、時間との勝負であるのに――――。
「畜生! どうすりゃあいいんだ!? 」
「こんな時の為の警察だろうが! 何とかしやがれ! 」
ヤクザの怒号に、警察もタジタジになる。
「たった今、特殊捜査班の出動を要請した。こちらへ向かっている! 」
だが、そのSITが到着したからといって直ぐに、人質立て籠もりが解決するとは限らない。
現に、そのまま何時間も膠着状態が続く場合が圧倒的に多いのだ。
「どうすればいいんだ――」
真壁が、呻くような声を漏らす。
亡き兄に代わり、これからは自分が聖を支えて行こうと決意していたのに、こんな事になるなんて……と、歯噛みをする。
そしてそれは、その隣に立つ碇も同じだった。
聖と同時に盃事を執り行い、せっかく兄弟分になったのだ。
長いお勤めも先日終わり、天黄組幹部に就任し、さぁこれからと思っていた矢先にこれだ。
自分は、まだ何も成し遂げていない。聖との間には、友情さえも芽生えていない。
第一、まだ碇は、聖の眼中にも入っていない。ゴリラ呼ばわりされ蹴られただけだ。
これでは悔しくて情けなくて仕方がない。
「「こらぁ、安永ぁ! このクソッたれ!! 出てきやがれー―――! 」」
二人の男は、同時に同じ怒号を放っていた。
対して正弘は、イライラしながら、この場をどう収束させるか考えていた。
いくら怒鳴って脅しても、今の安永は出てこないだろう。
ならば、賺して誘うか?
正弘は、警官の一人が手にしていた拡声器を奪い取り、声を上げる。
「――――安永よぉ。このままじゃあ、せっかく手に入れた別嬪が台無しになっちまうぜぃ? てめぇも、動かない人形なんざ本当は興味ねぇはずだ。なぁ、そこから出てきて、聖をこっちに渡してくんねぇか? 」
正弘たちは車から出てきた安永の舎弟を締め上げて、今の深刻な状況を改めて知った。
「何だと!? ドラッグの過剰摂取だぁ!? 」
道理で、あの聖が、大人しく安永の人質になっているワケだ。
そうでもなければ、この状況に説明が付かないと納得する。
ガクガクと正弘に頷き、舎弟は必死になって言い募る。
「そ、そうだ。一刻も早く専門医に連れて行かないと、ヤバイ状態なんだ」
「だったら、今すぐてめぇらのとち狂った親分を車から引き摺り出して、聖を連れてこい! 」
怒鳴り散らし、舎弟を蹴っ飛ばして車に向かわせるも、
「誰も来るなっ! 」
と、車内からは安永のひっくり返ったような声が上がり、また銃声が轟いた。
完全に恐慌状態に陥り、安永は敵も味方も最早分かっていないようだ。
正常な判断力を失い、ただただ手にした傾国の美女に夢中になっているのだろう。
これでは、八方塞がりだ。
急性麻薬中毒で助かるかどうかは、時間との勝負であるのに――――。
「畜生! どうすりゃあいいんだ!? 」
「こんな時の為の警察だろうが! 何とかしやがれ! 」
ヤクザの怒号に、警察もタジタジになる。
「たった今、特殊捜査班の出動を要請した。こちらへ向かっている! 」
だが、そのSITが到着したからといって直ぐに、人質立て籠もりが解決するとは限らない。
現に、そのまま何時間も膠着状態が続く場合が圧倒的に多いのだ。
「どうすればいいんだ――」
真壁が、呻くような声を漏らす。
亡き兄に代わり、これからは自分が聖を支えて行こうと決意していたのに、こんな事になるなんて……と、歯噛みをする。
そしてそれは、その隣に立つ碇も同じだった。
聖と同時に盃事を執り行い、せっかく兄弟分になったのだ。
長いお勤めも先日終わり、天黄組幹部に就任し、さぁこれからと思っていた矢先にこれだ。
自分は、まだ何も成し遂げていない。聖との間には、友情さえも芽生えていない。
第一、まだ碇は、聖の眼中にも入っていない。ゴリラ呼ばわりされ蹴られただけだ。
これでは悔しくて情けなくて仕方がない。
「「こらぁ、安永ぁ! このクソッたれ!! 出てきやがれー―――! 」」
二人の男は、同時に同じ怒号を放っていた。
対して正弘は、イライラしながら、この場をどう収束させるか考えていた。
いくら怒鳴って脅しても、今の安永は出てこないだろう。
ならば、賺して誘うか?
正弘は、警官の一人が手にしていた拡声器を奪い取り、声を上げる。
「――――安永よぉ。このままじゃあ、せっかく手に入れた別嬪が台無しになっちまうぜぃ? てめぇも、動かない人形なんざ本当は興味ねぇはずだ。なぁ、そこから出てきて、聖をこっちに渡してくんねぇか? 」
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