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おかしい事だらけだ。
だが今は――――とにかく、奏の中で己の欲望を放出する方が先だ。
何よりも、それを奏が望んでいるのが伝わって来た。
こんなに苦しそうなのに、それでも奏は、全身全霊で栄太を欲しがっている。
故に栄太は、様々な疑念を抱きながらも、その願いを叶える事にした。
足を抱え上げ、その肉奥の最も深部へと己を侵入させ、熱い精を迸らせる。
「奏っ……! 」
短い声を発し、栄太は奏の中で達した。
「う――」
奏は、最後まで苦悶の表情を浮かべながら、それを受け入れた…………。
◇
青白い顔でこと切れたように力を失う恋人を、そっと腕へと抱え上げると、栄太はとりあえずその身をカウチへと横たえた。
そうして、クローゼットから新しい毛布やシーツを取り出し、乱れていたベッドを甲斐甲斐しく整える。床に積まれていた衣類や寝具は、部屋の隅へと寄せておく。
ついでにバスタオルも探し出し、それで奏の身体を拭ってやろうと声を掛けるが。
「奏――大丈夫か? 少しは落ち着いたか? 」
「……」
「身体を洗うか? それとも、いったん横になるか――その方が良さそうだな……」
栄太は、未だ具合の悪そうな奏を気遣わし気に見やり、カウチからベッドへとその身を運ぶ。
「……奏? 」
「え……いた――さん……」
「いったい、何が――――いや、今はいい。お前はしばらく眠っていろ」
優しくベッドへと横たえ、毛布を掛けてやる。
そうしてから、自分はとりあえず身支度を整える事にした。
一応、自分の分の替えの衣類も、このマンションに一式置いてある。栄太はクローゼットから専用ボックスを取り出すと、それを手にしてシャワーを浴びに部屋を出た。
この後すぐに、栄太は会社へ戻って激務をこなさなければならない。
何がなんでも、この困難な状況を脱しなければ――!
…………と、もう次の事に思考が働いていた栄太は、最後まで、この部屋の状況に気付かなかった。
床に積まれた衣類や寝具。その上でうずくまっていた、奏。
奏の手には、一枚のハンカチが握られていた。
彼はそれを無意識に握り締め、口許と鼻に当てていたのだ。
――――それは、青柳正嘉の残した唯一の私物だった。
項を齧った際に出血したので、さすがに拭ってやろうとしてか、正嘉がポケットからハンカチを取りして奏の首へと巻いたのだ。
奏はそれをギュッと握り締めながら、無意識に香りを嗅いで、夢遊病者のようにいつの間にかあの状態を作り出していた。
――――人はそれを、オメガの巣作りと言っていた。
(僕、僕は……違う――番なんか――)
頭も体も、壊れそうな程に痛くて辛い。
新薬の効果を検証するも何も、今のままではとても無理だ。
絶対的支配者であるアルファに、直接噛まれてしまったのだ。
いったいこれを、どうすればいいのか?
何より恐ろしいのは、奏は七海から与えられた試薬を投与した状態で、栄太の前に既に正嘉と――?
(ウソ、ウソだっ!! 全部悪い夢だ! 今のが、絶対に最初だっ)
だが、確かな記憶が無い。
栄太が到着する前から後孔は既に蕩けていたし、独特の鈍痛もあった。
内腿を濡らして滴っていたのは、自分とは違う男の精液だった。
我に返った奏は慌ててシャワーを浴びて、必死にそれを掻き出そうとしたが、ドロドロに解けている『発情期』のオメガの身体は濡れそぼっていて、果たしてどこまでが自分の愛液なのか他人の精液なのかも判断がつかなかった。
だが今は――――とにかく、奏の中で己の欲望を放出する方が先だ。
何よりも、それを奏が望んでいるのが伝わって来た。
こんなに苦しそうなのに、それでも奏は、全身全霊で栄太を欲しがっている。
故に栄太は、様々な疑念を抱きながらも、その願いを叶える事にした。
足を抱え上げ、その肉奥の最も深部へと己を侵入させ、熱い精を迸らせる。
「奏っ……! 」
短い声を発し、栄太は奏の中で達した。
「う――」
奏は、最後まで苦悶の表情を浮かべながら、それを受け入れた…………。
◇
青白い顔でこと切れたように力を失う恋人を、そっと腕へと抱え上げると、栄太はとりあえずその身をカウチへと横たえた。
そうして、クローゼットから新しい毛布やシーツを取り出し、乱れていたベッドを甲斐甲斐しく整える。床に積まれていた衣類や寝具は、部屋の隅へと寄せておく。
ついでにバスタオルも探し出し、それで奏の身体を拭ってやろうと声を掛けるが。
「奏――大丈夫か? 少しは落ち着いたか? 」
「……」
「身体を洗うか? それとも、いったん横になるか――その方が良さそうだな……」
栄太は、未だ具合の悪そうな奏を気遣わし気に見やり、カウチからベッドへとその身を運ぶ。
「……奏? 」
「え……いた――さん……」
「いったい、何が――――いや、今はいい。お前はしばらく眠っていろ」
優しくベッドへと横たえ、毛布を掛けてやる。
そうしてから、自分はとりあえず身支度を整える事にした。
一応、自分の分の替えの衣類も、このマンションに一式置いてある。栄太はクローゼットから専用ボックスを取り出すと、それを手にしてシャワーを浴びに部屋を出た。
この後すぐに、栄太は会社へ戻って激務をこなさなければならない。
何がなんでも、この困難な状況を脱しなければ――!
…………と、もう次の事に思考が働いていた栄太は、最後まで、この部屋の状況に気付かなかった。
床に積まれた衣類や寝具。その上でうずくまっていた、奏。
奏の手には、一枚のハンカチが握られていた。
彼はそれを無意識に握り締め、口許と鼻に当てていたのだ。
――――それは、青柳正嘉の残した唯一の私物だった。
項を齧った際に出血したので、さすがに拭ってやろうとしてか、正嘉がポケットからハンカチを取りして奏の首へと巻いたのだ。
奏はそれをギュッと握り締めながら、無意識に香りを嗅いで、夢遊病者のようにいつの間にかあの状態を作り出していた。
――――人はそれを、オメガの巣作りと言っていた。
(僕、僕は……違う――番なんか――)
頭も体も、壊れそうな程に痛くて辛い。
新薬の効果を検証するも何も、今のままではとても無理だ。
絶対的支配者であるアルファに、直接噛まれてしまったのだ。
いったいこれを、どうすればいいのか?
何より恐ろしいのは、奏は七海から与えられた試薬を投与した状態で、栄太の前に既に正嘉と――?
(ウソ、ウソだっ!! 全部悪い夢だ! 今のが、絶対に最初だっ)
だが、確かな記憶が無い。
栄太が到着する前から後孔は既に蕩けていたし、独特の鈍痛もあった。
内腿を濡らして滴っていたのは、自分とは違う男の精液だった。
我に返った奏は慌ててシャワーを浴びて、必死にそれを掻き出そうとしたが、ドロドロに解けている『発情期』のオメガの身体は濡れそぼっていて、果たしてどこまでが自分の愛液なのか他人の精液なのかも判断がつかなかった。
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