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キラワレモノ
キラワレモノ
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ずっとずっと思っていた
私は絶対嫌われている
だってこんなにどうしようもない
何一つ上手くいかないヤツだから
出て行くなら今だよ?
あっち向いているから、さっさと行けよ
そう言っては振り返り
アンタが残っているのを確かめた
ああ、
私は本当にどうしようもない
怖がりで見栄っ張りで
プライドだけは高いどうしようもないヤツだから
出て行くなら仕方がない
止めやしないから、さっさと行けばいい
そう泣いては頭を抱え
ドアの開く音に怯えてた
ああ、
私は本当に馬鹿なヤツだから
素直な言葉も満足に言えやしない
でもこんな私が好きなんだと
そう言っては残ってくれる、アンタにずっと甘えてた
運もツキもない、神様には嫌われてばかりの私だけど
アンタはこんな私でいいのか?
そうだね、きっと
アンタも私も似た者同士
どうしたって弾かれる
『皆に愛される』
そんなヤツには成れっこない
だったらいっそ
キラワレモノでもいいかもしれない
だって、アンタも私も
どっちもお互い愛してるんだから
――――♪
「この歌を、一番尊敬して……そして、一番感謝している人に捧げます」
最後に、マイクに向かってそう言うと、ステージ袖に居た聖へ向かってユウはウィンクをした。
「ユウ……」
肩を震わせながら、頭からジャケットを被った聖の両隣では、真壁と碇がそれぞれに笑みを浮かべながら、その様子を見守っていた。
――――こうして、ナモ公国での波乱万丈に満ちた七日間は、幕を閉じたのであった。
END
※続けて、後日談としておまけの特別読み切りをアップします。お楽しみに(^^)/
私は絶対嫌われている
だってこんなにどうしようもない
何一つ上手くいかないヤツだから
出て行くなら今だよ?
あっち向いているから、さっさと行けよ
そう言っては振り返り
アンタが残っているのを確かめた
ああ、
私は本当にどうしようもない
怖がりで見栄っ張りで
プライドだけは高いどうしようもないヤツだから
出て行くなら仕方がない
止めやしないから、さっさと行けばいい
そう泣いては頭を抱え
ドアの開く音に怯えてた
ああ、
私は本当に馬鹿なヤツだから
素直な言葉も満足に言えやしない
でもこんな私が好きなんだと
そう言っては残ってくれる、アンタにずっと甘えてた
運もツキもない、神様には嫌われてばかりの私だけど
アンタはこんな私でいいのか?
そうだね、きっと
アンタも私も似た者同士
どうしたって弾かれる
『皆に愛される』
そんなヤツには成れっこない
だったらいっそ
キラワレモノでもいいかもしれない
だって、アンタも私も
どっちもお互い愛してるんだから
――――♪
「この歌を、一番尊敬して……そして、一番感謝している人に捧げます」
最後に、マイクに向かってそう言うと、ステージ袖に居た聖へ向かってユウはウィンクをした。
「ユウ……」
肩を震わせながら、頭からジャケットを被った聖の両隣では、真壁と碇がそれぞれに笑みを浮かべながら、その様子を見守っていた。
――――こうして、ナモ公国での波乱万丈に満ちた七日間は、幕を閉じたのであった。
END
※続けて、後日談としておまけの特別読み切りをアップします。お楽しみに(^^)/
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