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二睡目 檻の中
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いつからここにいたかはわからない…けれど気づくのが遅すぎたような気がする。
私を含め計5人の子供たちは、一人づつ檻の中に入れられている。綺麗で清楚な檻に。
閉じ込められているというよりは、飼われている状態に近いのかもしれない。
ご飯になったら檻から出されるが、檻がある部屋からは出られない。真っ白な壁が四方を囲んでいる。
ご飯はいつも、水に浸かったベチャベチャしたドックフードのようなもの…。
ある時いつもの様に食事をしていると、
「なぁ、これいるか?なんか今日は量が多くてよ…」
と、前髪で目が片方隠れている男の子が話しかけてきた。
その子のご飯を見てみると、いつも水に浸かっていたドックフードのような食べ物が、乾燥した状態で山盛りになっているではないか!
私は少しいただいて、その子と少し仲良くなった。
それと同時に、『最後の晩餐』という言葉が頭をよぎった。もう、会えない気がする。
そして翌日…
嫌な予感ほど当たるものだ。
私たちの飼い主であろう大人の男の人が、昨日仲良くなった男の子を檻から連れ出した。
「今日から一人づつ、楽しませてもらうよ。命の保証はないがね。」
と、地獄の底から響くような低い声で檻の中の私達にそう告げた。
今日のご飯は、となりの歌が得意な女の子が多いらしい。女の子は素直に喜んで、他の子に分け与えていた。
そしてあの男の子は帰ってこなかった。
男の子が連れてかれた日から三日目ほどしたとき、歌が得意な子が連れていかれた。
「前回の男の子はまぁまぁ楽しめたかな。いい悲鳴を聞かせてもらったよ。でもこちらがちょっと激しく傷つけたせいか、全然長持ちしなかったな…この女の子はジワジワと傷つけてあげよう。」
それを聞いた女の子は顔がこわばっていた。
もう助からないと諦めていたようにも見えた。
何を言っているかはわかるけど、考えたくない。知りたくない。ただただ怖い。
今日は連れていかれた女の子と仲良しだったショートヘアの子のご飯が多かった。
今回ので察したのだろう。ショートヘアの子は泣き叫んでいた。
そしてまた1人、また1人と男の人に連れていかれ、最後に私が残った。
でも希望があった。
この部屋から逃げられるところがあるのだ。
男の人が来る前に通気口の蓋を開けて、そこから外へ出る。
外は知らない場所であろうが、ここで死ぬよりはマシだと思った。最後にもう一度、青空が見たいと思った。
暗い通気口を抜けて、上を見上げた。綺麗な青空だった。
「やっと…やっとここから出れたんだ。みんなごめんなさい。私はみんなの犠牲があってこそ生きているようなものね…。」
誰にも届かない懺悔の声が、静かな森の中にこだました。
私はなぜ気づかなかったのだろうか。
すぐ近くに、大人達の影があることに。
私を含め計5人の子供たちは、一人づつ檻の中に入れられている。綺麗で清楚な檻に。
閉じ込められているというよりは、飼われている状態に近いのかもしれない。
ご飯になったら檻から出されるが、檻がある部屋からは出られない。真っ白な壁が四方を囲んでいる。
ご飯はいつも、水に浸かったベチャベチャしたドックフードのようなもの…。
ある時いつもの様に食事をしていると、
「なぁ、これいるか?なんか今日は量が多くてよ…」
と、前髪で目が片方隠れている男の子が話しかけてきた。
その子のご飯を見てみると、いつも水に浸かっていたドックフードのような食べ物が、乾燥した状態で山盛りになっているではないか!
私は少しいただいて、その子と少し仲良くなった。
それと同時に、『最後の晩餐』という言葉が頭をよぎった。もう、会えない気がする。
そして翌日…
嫌な予感ほど当たるものだ。
私たちの飼い主であろう大人の男の人が、昨日仲良くなった男の子を檻から連れ出した。
「今日から一人づつ、楽しませてもらうよ。命の保証はないがね。」
と、地獄の底から響くような低い声で檻の中の私達にそう告げた。
今日のご飯は、となりの歌が得意な女の子が多いらしい。女の子は素直に喜んで、他の子に分け与えていた。
そしてあの男の子は帰ってこなかった。
男の子が連れてかれた日から三日目ほどしたとき、歌が得意な子が連れていかれた。
「前回の男の子はまぁまぁ楽しめたかな。いい悲鳴を聞かせてもらったよ。でもこちらがちょっと激しく傷つけたせいか、全然長持ちしなかったな…この女の子はジワジワと傷つけてあげよう。」
それを聞いた女の子は顔がこわばっていた。
もう助からないと諦めていたようにも見えた。
何を言っているかはわかるけど、考えたくない。知りたくない。ただただ怖い。
今日は連れていかれた女の子と仲良しだったショートヘアの子のご飯が多かった。
今回ので察したのだろう。ショートヘアの子は泣き叫んでいた。
そしてまた1人、また1人と男の人に連れていかれ、最後に私が残った。
でも希望があった。
この部屋から逃げられるところがあるのだ。
男の人が来る前に通気口の蓋を開けて、そこから外へ出る。
外は知らない場所であろうが、ここで死ぬよりはマシだと思った。最後にもう一度、青空が見たいと思った。
暗い通気口を抜けて、上を見上げた。綺麗な青空だった。
「やっと…やっとここから出れたんだ。みんなごめんなさい。私はみんなの犠牲があってこそ生きているようなものね…。」
誰にも届かない懺悔の声が、静かな森の中にこだました。
私はなぜ気づかなかったのだろうか。
すぐ近くに、大人達の影があることに。
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