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第2章 ダンジョン攻略編
第21話 攻略
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会議の翌日、私たちは無事に第3階層まで到達した。
「下に来るにつれて、敵も強くなってくるな」
剣を手に周囲を警戒しながら、私は仲間に声をかける。
「油断すると罠にハマるよ」
そんな忠告が終わらないうちに、前方からガラガラと骨の擦れる音が響いた。
暗がりの中から現れたのは、一体のスケルトン。
「……スケルトンか」
今までのモンスターよりは強敵だ。
だが、私たちには連携がある。
私が前衛を取り、ティナが索敵とサポートに回り、エミリとユリアが後衛から援護射撃を加える。
短い戦闘の末、スケルトンは音もなく崩れ落ちた。
「ナイス連携!」
「この調子で進もう!」
和やかな空気の中、ふとエミリが壁際に手を伸ばした。
「ねぇ、このボタンなに?」
それは明らかに場違いな鉄製のスイッチだった。ダンジョンの装飾からも浮いており、見るからに怪しい。
「それは……押さないで放置しようね! 押すと良くない気が───」
「押すなと言われると、押したくなりますよね」
私が言い切るより早く、ユリアが満面の笑みでボタンを押してしまった。
「ちょっ、ちょっと待ってユリア様ぁああ!」
その瞬間、足元に魔法陣のような文様が浮かび上がる。
「まさか……転移トラップ!?」
逃げようにも、光の奔流は私たちの体を包み込む。
「私から離れないで!」
叫んだ声が届いたかも分からないまま、視界が白く染まっていく───。
* * *
気がつくと、私たちは別の空間に転移していた。
「……ここは?」
天井は高く、空気が冷たく湿っている。周囲は静まり返っており、魔物の気配すら感じられない。不気味なほどに、静かだ。
「マップを確認してみましょうか」
ティナが魔導端末を操作し、小さな声で呟いた。
「……8階層、と表示されてます」
「はあ!? 未到達区域じゃないの!?」
「そうね……とりあえず、下を目指しましょう」
「上に戻るんじゃなくて?」
ユリアが眉をひそめる。
「8階層に飛ばされたってことは、ここが深層近くの中継点かもしれない。上層への道が塞がれてる可能性も高いわ。なら、いっそ下を目指す方が脱出できる確率は高い」
「……わかりました。ベテランであるサティさんの指示に従います」
私たちは階層の奥へと進んでいく。そして、やがてひときわ巨大な扉に行き着いた。
「これは……ボス戦の匂いがするわね」
私は剣を握り直し、扉を押し開けた。
部屋の奥には、王冠を被った巨大なスケルトン――《スケルトンキング》が待ち構えていた。
「すごい……殺気」
「皆、気をつけて!」
「次に進むために───倒させてもらうわよ!」
私は素早く回り込み、スケルトンキングの首筋を狙って剣を振るう。
「やっぱり、避けるわよね……」
スケルトンキングの反応速度は速く、手強い相手だ。
「君たちはそこで待機!」
後衛に向かって叫ぶ。こんな未到達の危険区域、無理をさせるわけにはいかない。
「でも、私たちも戦います!」
「あなたたちでは、今はまだレベル不足よ。無茶はしてもいい。でも無理はしないで」
「……分かりました」
それが、懸命な判断だ。私は一瞬の隙を突いてスケルトンキングの背後へと回り込んだ。
「───終わりにしましょう」
首筋を狙い、力の限り剣を振り下ろす。
白い骨が弾け飛び、スケルトンキングは静かに崩れ落ちた。
扉が、自動的に開かれる。
「これで……終わり?」
しかし、そうではなかった。
奥の部屋には、一人の女性が佇んでいた。
赤と白を基調にした服を纏い、20代前半と見える整った顔立ちの女性。だが、その瞳は底知れぬ光を湛えている。
「おや? こんな所に人間が来るなんて、珍しいわね」
「誰……?」
「七つの美徳が一柱───《純潔》担当、マリサ・クラーネットと申します」
その名に、全員が息を飲む。
「なんで……“美徳”がこんな場所に?」
「気づいたら、ここにいたんです。不思議ですね」
「……あなたに恨みはないけど、倒させてもらうわ」
「ふふ、やれるものなら……やってみてください」
張り詰めた空気。
血のように赤い魔力が、彼女の指先に集まる。
静かに───だが、確実に。
ダンジョン、真の戦いが幕を開ける。
「下に来るにつれて、敵も強くなってくるな」
剣を手に周囲を警戒しながら、私は仲間に声をかける。
「油断すると罠にハマるよ」
そんな忠告が終わらないうちに、前方からガラガラと骨の擦れる音が響いた。
暗がりの中から現れたのは、一体のスケルトン。
「……スケルトンか」
今までのモンスターよりは強敵だ。
だが、私たちには連携がある。
私が前衛を取り、ティナが索敵とサポートに回り、エミリとユリアが後衛から援護射撃を加える。
短い戦闘の末、スケルトンは音もなく崩れ落ちた。
「ナイス連携!」
「この調子で進もう!」
和やかな空気の中、ふとエミリが壁際に手を伸ばした。
「ねぇ、このボタンなに?」
それは明らかに場違いな鉄製のスイッチだった。ダンジョンの装飾からも浮いており、見るからに怪しい。
「それは……押さないで放置しようね! 押すと良くない気が───」
「押すなと言われると、押したくなりますよね」
私が言い切るより早く、ユリアが満面の笑みでボタンを押してしまった。
「ちょっ、ちょっと待ってユリア様ぁああ!」
その瞬間、足元に魔法陣のような文様が浮かび上がる。
「まさか……転移トラップ!?」
逃げようにも、光の奔流は私たちの体を包み込む。
「私から離れないで!」
叫んだ声が届いたかも分からないまま、視界が白く染まっていく───。
* * *
気がつくと、私たちは別の空間に転移していた。
「……ここは?」
天井は高く、空気が冷たく湿っている。周囲は静まり返っており、魔物の気配すら感じられない。不気味なほどに、静かだ。
「マップを確認してみましょうか」
ティナが魔導端末を操作し、小さな声で呟いた。
「……8階層、と表示されてます」
「はあ!? 未到達区域じゃないの!?」
「そうね……とりあえず、下を目指しましょう」
「上に戻るんじゃなくて?」
ユリアが眉をひそめる。
「8階層に飛ばされたってことは、ここが深層近くの中継点かもしれない。上層への道が塞がれてる可能性も高いわ。なら、いっそ下を目指す方が脱出できる確率は高い」
「……わかりました。ベテランであるサティさんの指示に従います」
私たちは階層の奥へと進んでいく。そして、やがてひときわ巨大な扉に行き着いた。
「これは……ボス戦の匂いがするわね」
私は剣を握り直し、扉を押し開けた。
部屋の奥には、王冠を被った巨大なスケルトン――《スケルトンキング》が待ち構えていた。
「すごい……殺気」
「皆、気をつけて!」
「次に進むために───倒させてもらうわよ!」
私は素早く回り込み、スケルトンキングの首筋を狙って剣を振るう。
「やっぱり、避けるわよね……」
スケルトンキングの反応速度は速く、手強い相手だ。
「君たちはそこで待機!」
後衛に向かって叫ぶ。こんな未到達の危険区域、無理をさせるわけにはいかない。
「でも、私たちも戦います!」
「あなたたちでは、今はまだレベル不足よ。無茶はしてもいい。でも無理はしないで」
「……分かりました」
それが、懸命な判断だ。私は一瞬の隙を突いてスケルトンキングの背後へと回り込んだ。
「───終わりにしましょう」
首筋を狙い、力の限り剣を振り下ろす。
白い骨が弾け飛び、スケルトンキングは静かに崩れ落ちた。
扉が、自動的に開かれる。
「これで……終わり?」
しかし、そうではなかった。
奥の部屋には、一人の女性が佇んでいた。
赤と白を基調にした服を纏い、20代前半と見える整った顔立ちの女性。だが、その瞳は底知れぬ光を湛えている。
「おや? こんな所に人間が来るなんて、珍しいわね」
「誰……?」
「七つの美徳が一柱───《純潔》担当、マリサ・クラーネットと申します」
その名に、全員が息を飲む。
「なんで……“美徳”がこんな場所に?」
「気づいたら、ここにいたんです。不思議ですね」
「……あなたに恨みはないけど、倒させてもらうわ」
「ふふ、やれるものなら……やってみてください」
張り詰めた空気。
血のように赤い魔力が、彼女の指先に集まる。
静かに───だが、確実に。
ダンジョン、真の戦いが幕を開ける。
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