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第24話 スイーツビュッフェと食べすぎた甘い誘惑
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「ねぇ田所さん、今日は絶対楽しいよ!」
朝から遠野のテンションは高かった。
改札で待ち合わせた瞬間、彼女は私の手を引っ張り、駅前から歩き出す。
目的地は都会のホテルで開催されている季節限定のスイーツビュッフェだ。
「私は別にそこまで甘いもの得意じゃないんだけど」
「わかってる! でもね、季節限定って言われると行くしかないでしょ?」
遠野は笑顔で小さな紙を見せてきた。
そこには「春のスイーツビュッフェ」と書かれている。
フルーツタルトや抹茶スイーツ、チョコレートファウンテンの写真が目を引くデザインだ。
「こういうのに夢中になれる遠野って、なんだか羨ましいかも」
「え、何か言った?」
「いや、なんでもないよ」
遠野に引っ張られるままホテルに到着し、エレベーターでビュッフェ会場へ向かう。
ドアが開いた瞬間、甘い香りが鼻をくすぐった。
「すごい……!」
私の横で遠野が感嘆の声を上げる。
広々とした会場には色とりどりのスイーツが所狭しと並んでいた。
テーブルごとにテーマが分かれており、フルーツタルトやショートケーキ、チョコムース、抹茶ティラミス、さらには和菓子まで揃っている。
「やばい、どれから行こう?」
遠野は目を輝かせ、スイーツの海を前に興奮しきっている。その様子を横目に私は少しだけ圧倒されていた。
「遠野、全部食べるつもり?」
「もちろん!」
私は半ば呆れつつも結局ついて行くことにした。
遠野が次々とお皿にスイーツを盛っていくのを見て、気付けば私の皿にもいくつか乗せられていた。
「ほら、田所さんも最初はフルーツタルトから!」
最初に食べたのはイチゴがたっぷり乗ったタルト。
サクサクの生地と濃厚なカスタードクリームが口の中で混ざり合い、甘酸っぱいイチゴがアクセントになっている。
「……思ったよりおいしい」
「でしょ! だからこういうのは来るべきなんだって!」
遠野はすでに別のスイーツに手を伸ばしている。
次はふんわりしたスポンジ生地が特徴のショートケーキだ。
フォークで一口すくい、口に運ぶと柔らかいクリームが彼女の頬をさらに緩ませる。
「ん~~っ、幸せ!」
その表情を見ていると甘い物にあまり興味がなかった私も、ついもう一口タルトに手を伸ばしてしまう。
「次はチョコレートファウンテンに行こうよ!」
「まだ食べるの?」
「当然!」
チョコレートが流れ落ちるファウンテンの前で遠野はマシュマロやイチゴを竹串に刺し、次々とチョコレートにくぐらせていく。
「田所さんもやってみて!」
「じゃあ……イチゴをひとつだけ」
チョコレートにくぐらせたイチゴを口に入れると、フルーツの酸味と濃厚なチョコレートの甘さが絶妙に絡み合った。
甘すぎず後味がさっぱりしているのがありがたい。
「これならいけるかも」
「もっと食べれば?」
「遠野が食べすぎて動けなくなる未来が見えるから遠慮しておく」
「ふふ、心配しなくても大丈夫だよ!」
遠野は笑いながら、チョコレートでコーティングしたマシュマロをぱくりと口に入れた。
その後も抹茶ティラミスや小さなモンブラン、和菓子のわらび餅など、次々とスイーツを食べ進めた。
どれも美味しくて思っていた以上に私の箸も進んでしまっていることに気づいたのは、すでにお腹がずっしり重くなってからだった。
「……やっぱり食べすぎたかも」
「田所さんでもそんなこと思うんだ!」
遠野はお腹を軽くさすりながら最後にシャーベットを一口食べて満足そうに笑った。
「これでさっぱり締められたから大丈夫!」
「いや、問題はカロリーなんだけど」
「たまにはいいじゃん!」
遠野の無邪気な笑顔を見ていると、たしかに今日は例外にしてもいいかもしれないと思えてしまうから不思議だ。
ビュッフェ会場を後にして都会の夜の街を歩く。
冷たい風が吹き抜けているが私たちのお腹は温かく満たされていた。
「ねぇ、次の季節限定も絶対行こうよ!」
「遠野、まだ食べ足りないの?」
「ううん、ただ田所さんとまた一緒に行きたいだけ!」
その無邪気な一言に私は少しだけ足を止めたが、すぐに歩き出した。
「仕方ないな。次もちゃんと誘ってよ」
「もちろん!」
遠野の笑い声が夜風に溶けていく中、私は次にどんなスイーツを一緒に食べるのかを少し楽しみにしていた。
朝から遠野のテンションは高かった。
改札で待ち合わせた瞬間、彼女は私の手を引っ張り、駅前から歩き出す。
目的地は都会のホテルで開催されている季節限定のスイーツビュッフェだ。
「私は別にそこまで甘いもの得意じゃないんだけど」
「わかってる! でもね、季節限定って言われると行くしかないでしょ?」
遠野は笑顔で小さな紙を見せてきた。
そこには「春のスイーツビュッフェ」と書かれている。
フルーツタルトや抹茶スイーツ、チョコレートファウンテンの写真が目を引くデザインだ。
「こういうのに夢中になれる遠野って、なんだか羨ましいかも」
「え、何か言った?」
「いや、なんでもないよ」
遠野に引っ張られるままホテルに到着し、エレベーターでビュッフェ会場へ向かう。
ドアが開いた瞬間、甘い香りが鼻をくすぐった。
「すごい……!」
私の横で遠野が感嘆の声を上げる。
広々とした会場には色とりどりのスイーツが所狭しと並んでいた。
テーブルごとにテーマが分かれており、フルーツタルトやショートケーキ、チョコムース、抹茶ティラミス、さらには和菓子まで揃っている。
「やばい、どれから行こう?」
遠野は目を輝かせ、スイーツの海を前に興奮しきっている。その様子を横目に私は少しだけ圧倒されていた。
「遠野、全部食べるつもり?」
「もちろん!」
私は半ば呆れつつも結局ついて行くことにした。
遠野が次々とお皿にスイーツを盛っていくのを見て、気付けば私の皿にもいくつか乗せられていた。
「ほら、田所さんも最初はフルーツタルトから!」
最初に食べたのはイチゴがたっぷり乗ったタルト。
サクサクの生地と濃厚なカスタードクリームが口の中で混ざり合い、甘酸っぱいイチゴがアクセントになっている。
「……思ったよりおいしい」
「でしょ! だからこういうのは来るべきなんだって!」
遠野はすでに別のスイーツに手を伸ばしている。
次はふんわりしたスポンジ生地が特徴のショートケーキだ。
フォークで一口すくい、口に運ぶと柔らかいクリームが彼女の頬をさらに緩ませる。
「ん~~っ、幸せ!」
その表情を見ていると甘い物にあまり興味がなかった私も、ついもう一口タルトに手を伸ばしてしまう。
「次はチョコレートファウンテンに行こうよ!」
「まだ食べるの?」
「当然!」
チョコレートが流れ落ちるファウンテンの前で遠野はマシュマロやイチゴを竹串に刺し、次々とチョコレートにくぐらせていく。
「田所さんもやってみて!」
「じゃあ……イチゴをひとつだけ」
チョコレートにくぐらせたイチゴを口に入れると、フルーツの酸味と濃厚なチョコレートの甘さが絶妙に絡み合った。
甘すぎず後味がさっぱりしているのがありがたい。
「これならいけるかも」
「もっと食べれば?」
「遠野が食べすぎて動けなくなる未来が見えるから遠慮しておく」
「ふふ、心配しなくても大丈夫だよ!」
遠野は笑いながら、チョコレートでコーティングしたマシュマロをぱくりと口に入れた。
その後も抹茶ティラミスや小さなモンブラン、和菓子のわらび餅など、次々とスイーツを食べ進めた。
どれも美味しくて思っていた以上に私の箸も進んでしまっていることに気づいたのは、すでにお腹がずっしり重くなってからだった。
「……やっぱり食べすぎたかも」
「田所さんでもそんなこと思うんだ!」
遠野はお腹を軽くさすりながら最後にシャーベットを一口食べて満足そうに笑った。
「これでさっぱり締められたから大丈夫!」
「いや、問題はカロリーなんだけど」
「たまにはいいじゃん!」
遠野の無邪気な笑顔を見ていると、たしかに今日は例外にしてもいいかもしれないと思えてしまうから不思議だ。
ビュッフェ会場を後にして都会の夜の街を歩く。
冷たい風が吹き抜けているが私たちのお腹は温かく満たされていた。
「ねぇ、次の季節限定も絶対行こうよ!」
「遠野、まだ食べ足りないの?」
「ううん、ただ田所さんとまた一緒に行きたいだけ!」
その無邪気な一言に私は少しだけ足を止めたが、すぐに歩き出した。
「仕方ないな。次もちゃんと誘ってよ」
「もちろん!」
遠野の笑い声が夜風に溶けていく中、私は次にどんなスイーツを一緒に食べるのかを少し楽しみにしていた。
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