運命を殺したい僕、運命を幸せにしたい俺

かりん

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13 『みつき』は美月とも書ける。

真実

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(side夏向)
「そう。どうとでも言えるんだよ~。名前のこじつけだって、どうとでも言える。でも、みっくんがかなたんを選んだのは、紛れもない事実でしょ?」
「うん」
「僕はそれがあればいいと思うよ~。僕もれんちゃんにとって正しい選択か時々迷ってしまうけど……れんちゃんが僕の手を取ってくれたことは真実だから」
「結局一緒なんですね」

そう、結局は『そこ』だった。運命であろうが無かろうが、同じところで不安になる。
それは、人生における様々なパラレルワールドを、僕たちは知り得ないからだ。
たったひとつの道しか知らない。『もし』なんて言っても、それはただの『もし』でしか無い。
真実は認識に上書きされて……大多数からは消えてしまうことは有るけれど、それでも今を生きる当事者である僕たちにとって、一番重要なのは『真実』だろう。
選んだ道は今、目の前に続いている。それは『仮定』でも、第三者からの『認識』無く、『真実』だ。

「そう、一緒~。僕は運命を選ばなかった。そして君たちは運命を選んだ。そこに違いはあるけれど、それが正しかったと信じるしかない。でも、もし誰かが自分の正義を否定するなら……」

少しの間。一瞬空気が凍った。その藍先輩の冷やかな眼差しは、僕に向けたものでは無いことは理解ができた。蓮叶の前では呑気なキャラでいる藍先輩だけれど……それでもやはり彼は立派なαだ。大切なものを守るためなら冷酷にもなれる。
僕の肩をぽんと叩いて『かなたんも早く寝なよ~』と囁いた。

「否定するなら……?」
「戦争、だよね。譲れない正義があるなら僕たちは戦うしかない」

勿論、僕もその覚悟が出来ている。
光希の味方だと胸を張るなら、出来ることをしなければ。
これから始まるのは戦争だ。
ああ、だから早く寝ないといけない。藍先輩の言う通り、戦争に備えないといけない。

きっと運命とは、自分達が決めた道のことを言うのだろう。

だったら僕たちはそれを信じるしか無い。
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