15 / 21
第14話 よし野の危機
しおりを挟む
「……はあ」
大きく口を開けて息を吐く。ぴりぴりとした冷たい空気に、彼女の吐息は白く膨らみ、やがて溶けていった。
「綺麗、だなあ……」
できるだけ暖かな格好をして、と朝食の時に仲居に注意された。海辺は結構寒いのですからね、と。
確かに寒かった。だが風が吹かないだけ、その頬を刺す様な冷たさも、一種心地よくよし野には感じられる。
ホテルを出て、遊歩道を越えると海岸だった。夏なら海水浴客で賑わう浜辺だったが、さすがにこの季節、この時間には人っ子一人居ない。
さらさらとした白い砂浜を越えると、ざくざくと湿った部分に足は踏み込む。
ふと彼女の足が止まる。しゃがみ込む。
「あ、かわいー」
朝の光を受けて、きらきらと輝く湿った砂の中に、幾つも幾つも貝殻が埋まっている。土仕事に慣れた彼女の指は、迷わずその中から、整った形、綺麗な色のものをつまみ上げた。
手の中に一杯になった時に、彼女は立ち上がる。
遠くから、小学校だろうか。登校時の音楽が流れてくる。
「けっきょく、来ないつもりかなあ……」
ばぁか、と彼女は小さく悪態をつく。そして手の中の貝殻を見つめ、―――不意にそれを海に向かって放り出した。
「哲ちゃんの、ばかーっ」
彼女は海に向かって叫ぶ。
「一緒にごはんしたかったぞー! 海を見たかったよー!」
それだけじゃなく。
さすがにそれは彼女の口から出ることはなかったが、思いは十分込められていた。
「せっかく、岩室先生に、お守りももらったのになあ……」
コートの内ポケットから、小さな小さな折り紙の箱を取り出す。一つが親指の爪くらいのものを三つつなげて、ビーズまでつけられている。
ふう、とため息をつくと、彼女はそれを再びしまった。
そして携帯を取り出す。もう一度電話して、それでも出なかったら、帰ろう、と。
ぴ。ナンバーを指定する。コール音が数回、耳に入る。
ふとその時、きい、と車が近くに止まる音に、彼女は顔を上げた。どこかで見たことがある、と彼女は思った。だがそれが何処でなのか、彼女には思い出せない。車には基本的に興味が無いのだ。
だが中から出てきた男の姿に、彼女は思わず携帯から耳を離した。男は遊歩道を越え、欠けたコンクリートの階段を下り、ざくざくと砂を踏みしめて近づいてくる。
「やあ」
その声に、彼女は思わず堅くなった。
「……み ……溝口先生」
見つかった!
それだけで彼女の頭は一杯になる。そんな時間に彼がここに居るという矛盾に気付く余裕も無かった。
ぽとん、と彼女の手から、携帯が落ちる。
「奇遇だな。何故今、君はそんなところに居るんだい?」
ズボンのポケットに手を入れたまま、溝口はゆっくりとよし野に近づいて来る。彼は四年生の授業も担当している。
「さぼったのかい? いけない子だなあ」
ぞく、と囁く様なその低い声は、よし野の背に悪寒を走らせる。端正だが、獲物を見付けたは虫類の様なその口元だけの笑みに、彼女は身動きできない自分に気付いた。
そしてその手が、彼女の左の肩をぐっ、と掴む。
「おや、震えているじゃないか。寒いのかい?」
「い、いえ……」
「それとも、怖いのかな?」
いや、と彼女は思いきり力を込めて、身体をよじった。
その途端、溝口の手はコートの上を滑り、身体のバランスを崩す。うわ、と彼はよろけた。
今だ、とよし野はホテルの方へと向かって走り出した。
濡れた砂は靴に張り付く。乾いた砂は靴の中に入る。足が重い。気持ち悪い。だけど急がなくちゃ。
彼女は階段を駆け上がる。重い足につまづきそうになりながら、駆け上がる。
はあはあ、と上まで駆け上がり、遊歩道の柵に手を当てた時―――
そこに、そっと触れる白い手が、あった。
「……?」
見慣れた制服姿の少女が、そこには居た。綺麗な少女だ。上級生だ。
だがどうしてここに居るのだろう? よし野は訳が分からなくなる。ただ、その先輩の少女の口元には、溝口と同じ笑みが浮かんでいる。
そして彼女はぽん、とこう言った。
「ねえ、かたつむりのオスとメスの見分け方って知ってる?」
唐突な言葉に、よし野の頭の回転は一瞬止まった。
次の瞬間、少女はポケットからハンカチを取り出し、左手でよし野の頭を抱え込むと、右手で顔にそれを押しつけた。
臭い、鼻が痛い、とよし野が思ったのは、一瞬だった。
ぐったりとしてその場に崩れ落ちる彼女を、制服の少女は、手を貸すこともせず見下ろしていた。
「薄情だな、毬絵」
「あら、センセにそういうこと、言われるなんて、心外だわ」
「ふん、日の光の下だとお上品だな」
そう言いながら溝口は、よし野の腰を抱える様にして持ち上げようとした。
だが片手では無理だ、と思ったのか、一度その場に振り落とす。ぱさ、と遊歩道の砂が舞う。
そして改めて両手を掴み、ピンクのアスファルトの上に背を下にして、ずるずると引きずりだした。
「やだ、結構センセ、非力だわね」
「俺は、あの筋肉馬鹿とは違うからな」
「……あら、それ何?」
ああ、と胸ポケットからはみ出した携帯を彼女は指さす。
「さっき落としてた奴だ。ちょうど通話中だった」
すると彼女は形の良い眉をくっと寄せた。
「何よそれ。ちゃんと切ったんでしょうね? そんなモノ、捨ててしまえば良かったのに」
「こういうのはメモリを確認してからの方がいいだろ。何か役立つものもあるかもしれないし」
ずるずる、と引きずりながら、彼は続けた。
「まあそうだけど」
「文句言わず、お前も足くらい持て」
「あたしが?」
ま、後でゆっくり料理したいしねえ、とつぶやくと、彼女はよし野の両足を掴み、持ち上げた。
「そういえば、この子、あの馬鹿に、昨夜してもらえなかったんでしょ? 結局」
「ふん?」
「ねえ、殺ってしまう前に、遊んじゃえば?」
くくく、と彼女は長い髪を揺らせて笑った。
「好きでしょセンセ、そうゆうの」
「……そうだな…… それも悪くない」
そしてまた、溝口も同じ笑いを浮かべた。
*
「聞いてたんだろ?」
ああ、と中里は準備運動をする時の様に、身体のあちこちを伸び縮みさせる。
「俺の出来ないことを、出来なかったことを…… あいつは全部、引き受けてくれてたんだ…… それで俺は、のうのうと手を汚さずにいたんだな……奴のおかげで、生きてこれたのに」
ほら、と替えのコーヒーを渡しながら岩室はつぶやく。
そろそろ外では、運動部の朝練習の声が聞こえ始めている。生徒達も次第に校舎に入ってくるだろう。
「こんな平和な時間、奴には無かったのに」
「でも奴も、お前だぞ。もともとは奴もお前も、同じ人間だ。一つの人格なんだ。ただお前らは、それを無理矢理引き裂かれたんだよ」
「引き裂かれ……」
あの、意識を無くした時に。小学校を卒業してすぐに向かった所で。
「我々も、それを何とかしようと、研究を続けてはいる。だがどうしても、お前らが最初に施された処置が判らないんだ。遅れてる。本当に遅れてるんだ」
どん、と岩室は机を両手で叩く。積み重ねられていた折り紙細工の箱が、がさがさと崩れた。
「去年やっと、『R』の複製に成功した程度だ。お前らの人格を統合し、その力を元々の人間のものに戻すことができれば、……生きられる時間も、伸ばすことができるのに……」
ぎ、と岩室は歯ぎしりをする。握りしめた両の拳が、ぶるぶると震えていた。
その時、ぴぴぴぴぴ、と電子音が鳴った。
自分にだ、と中里は机にカップを置き、携帯の着信ボタンを押す。
「……もしもし?」
中里は思わず眉を寄せた。何だこれは。ぼうぼう、と妙な音が入ってくるばかりで、誰かの声が聞こえるという訳でも無い。
いや―――
彼はぐっ、と耳を携帯に押しつける。
遠くで、声がする。
『……遇だな。何故……、……んなとこ………… 居る…… か……?」
風に混じって、男の声が聞こえた。
『さ………… たのかい? いけ…… い子だ……」
何処かで自分はこの声を聞いたことがある、と中里は思った。
「どうした?」
様子の変わった彼を、岩室は不審気に見る。中里は黙って携帯を渡した。ぐっと耳に押しつけると、彼女の眼鏡の下の目が、細くなる。
「……これは……」
ぱっ、と携帯を中里に戻すと、彼女は自分の携帯を取り出し、慌てて誰かを呼びだした。
「……そう私。……え?」
声が跳ね上がる。中里は自分の方の通信が切れるのを感じながら、岩室の表情が変化していくのに気付いた。
「……判った。じゃあ、途中で。よろしく」
ぴ、と彼女は通話を切る。そして白衣の上に、大きなコートをかぶり、行くぞ、と中里に鋭い声を放った。
「行くって、……」
「羽根が奴らに捕まった」
え、と中里は息を飲み込んだ。
「……うちのダンナと途中で合流する」
そう言いながら既に彼女は、内側の扉に「本日遅刻」の札を下げ、鍵を掛けた。
「後は車の中で説明する。急げ、中里!」
判った、と中里は大きくうなづき、外側の扉から飛び出した。
大きく口を開けて息を吐く。ぴりぴりとした冷たい空気に、彼女の吐息は白く膨らみ、やがて溶けていった。
「綺麗、だなあ……」
できるだけ暖かな格好をして、と朝食の時に仲居に注意された。海辺は結構寒いのですからね、と。
確かに寒かった。だが風が吹かないだけ、その頬を刺す様な冷たさも、一種心地よくよし野には感じられる。
ホテルを出て、遊歩道を越えると海岸だった。夏なら海水浴客で賑わう浜辺だったが、さすがにこの季節、この時間には人っ子一人居ない。
さらさらとした白い砂浜を越えると、ざくざくと湿った部分に足は踏み込む。
ふと彼女の足が止まる。しゃがみ込む。
「あ、かわいー」
朝の光を受けて、きらきらと輝く湿った砂の中に、幾つも幾つも貝殻が埋まっている。土仕事に慣れた彼女の指は、迷わずその中から、整った形、綺麗な色のものをつまみ上げた。
手の中に一杯になった時に、彼女は立ち上がる。
遠くから、小学校だろうか。登校時の音楽が流れてくる。
「けっきょく、来ないつもりかなあ……」
ばぁか、と彼女は小さく悪態をつく。そして手の中の貝殻を見つめ、―――不意にそれを海に向かって放り出した。
「哲ちゃんの、ばかーっ」
彼女は海に向かって叫ぶ。
「一緒にごはんしたかったぞー! 海を見たかったよー!」
それだけじゃなく。
さすがにそれは彼女の口から出ることはなかったが、思いは十分込められていた。
「せっかく、岩室先生に、お守りももらったのになあ……」
コートの内ポケットから、小さな小さな折り紙の箱を取り出す。一つが親指の爪くらいのものを三つつなげて、ビーズまでつけられている。
ふう、とため息をつくと、彼女はそれを再びしまった。
そして携帯を取り出す。もう一度電話して、それでも出なかったら、帰ろう、と。
ぴ。ナンバーを指定する。コール音が数回、耳に入る。
ふとその時、きい、と車が近くに止まる音に、彼女は顔を上げた。どこかで見たことがある、と彼女は思った。だがそれが何処でなのか、彼女には思い出せない。車には基本的に興味が無いのだ。
だが中から出てきた男の姿に、彼女は思わず携帯から耳を離した。男は遊歩道を越え、欠けたコンクリートの階段を下り、ざくざくと砂を踏みしめて近づいてくる。
「やあ」
その声に、彼女は思わず堅くなった。
「……み ……溝口先生」
見つかった!
それだけで彼女の頭は一杯になる。そんな時間に彼がここに居るという矛盾に気付く余裕も無かった。
ぽとん、と彼女の手から、携帯が落ちる。
「奇遇だな。何故今、君はそんなところに居るんだい?」
ズボンのポケットに手を入れたまま、溝口はゆっくりとよし野に近づいて来る。彼は四年生の授業も担当している。
「さぼったのかい? いけない子だなあ」
ぞく、と囁く様なその低い声は、よし野の背に悪寒を走らせる。端正だが、獲物を見付けたは虫類の様なその口元だけの笑みに、彼女は身動きできない自分に気付いた。
そしてその手が、彼女の左の肩をぐっ、と掴む。
「おや、震えているじゃないか。寒いのかい?」
「い、いえ……」
「それとも、怖いのかな?」
いや、と彼女は思いきり力を込めて、身体をよじった。
その途端、溝口の手はコートの上を滑り、身体のバランスを崩す。うわ、と彼はよろけた。
今だ、とよし野はホテルの方へと向かって走り出した。
濡れた砂は靴に張り付く。乾いた砂は靴の中に入る。足が重い。気持ち悪い。だけど急がなくちゃ。
彼女は階段を駆け上がる。重い足につまづきそうになりながら、駆け上がる。
はあはあ、と上まで駆け上がり、遊歩道の柵に手を当てた時―――
そこに、そっと触れる白い手が、あった。
「……?」
見慣れた制服姿の少女が、そこには居た。綺麗な少女だ。上級生だ。
だがどうしてここに居るのだろう? よし野は訳が分からなくなる。ただ、その先輩の少女の口元には、溝口と同じ笑みが浮かんでいる。
そして彼女はぽん、とこう言った。
「ねえ、かたつむりのオスとメスの見分け方って知ってる?」
唐突な言葉に、よし野の頭の回転は一瞬止まった。
次の瞬間、少女はポケットからハンカチを取り出し、左手でよし野の頭を抱え込むと、右手で顔にそれを押しつけた。
臭い、鼻が痛い、とよし野が思ったのは、一瞬だった。
ぐったりとしてその場に崩れ落ちる彼女を、制服の少女は、手を貸すこともせず見下ろしていた。
「薄情だな、毬絵」
「あら、センセにそういうこと、言われるなんて、心外だわ」
「ふん、日の光の下だとお上品だな」
そう言いながら溝口は、よし野の腰を抱える様にして持ち上げようとした。
だが片手では無理だ、と思ったのか、一度その場に振り落とす。ぱさ、と遊歩道の砂が舞う。
そして改めて両手を掴み、ピンクのアスファルトの上に背を下にして、ずるずると引きずりだした。
「やだ、結構センセ、非力だわね」
「俺は、あの筋肉馬鹿とは違うからな」
「……あら、それ何?」
ああ、と胸ポケットからはみ出した携帯を彼女は指さす。
「さっき落としてた奴だ。ちょうど通話中だった」
すると彼女は形の良い眉をくっと寄せた。
「何よそれ。ちゃんと切ったんでしょうね? そんなモノ、捨ててしまえば良かったのに」
「こういうのはメモリを確認してからの方がいいだろ。何か役立つものもあるかもしれないし」
ずるずる、と引きずりながら、彼は続けた。
「まあそうだけど」
「文句言わず、お前も足くらい持て」
「あたしが?」
ま、後でゆっくり料理したいしねえ、とつぶやくと、彼女はよし野の両足を掴み、持ち上げた。
「そういえば、この子、あの馬鹿に、昨夜してもらえなかったんでしょ? 結局」
「ふん?」
「ねえ、殺ってしまう前に、遊んじゃえば?」
くくく、と彼女は長い髪を揺らせて笑った。
「好きでしょセンセ、そうゆうの」
「……そうだな…… それも悪くない」
そしてまた、溝口も同じ笑いを浮かべた。
*
「聞いてたんだろ?」
ああ、と中里は準備運動をする時の様に、身体のあちこちを伸び縮みさせる。
「俺の出来ないことを、出来なかったことを…… あいつは全部、引き受けてくれてたんだ…… それで俺は、のうのうと手を汚さずにいたんだな……奴のおかげで、生きてこれたのに」
ほら、と替えのコーヒーを渡しながら岩室はつぶやく。
そろそろ外では、運動部の朝練習の声が聞こえ始めている。生徒達も次第に校舎に入ってくるだろう。
「こんな平和な時間、奴には無かったのに」
「でも奴も、お前だぞ。もともとは奴もお前も、同じ人間だ。一つの人格なんだ。ただお前らは、それを無理矢理引き裂かれたんだよ」
「引き裂かれ……」
あの、意識を無くした時に。小学校を卒業してすぐに向かった所で。
「我々も、それを何とかしようと、研究を続けてはいる。だがどうしても、お前らが最初に施された処置が判らないんだ。遅れてる。本当に遅れてるんだ」
どん、と岩室は机を両手で叩く。積み重ねられていた折り紙細工の箱が、がさがさと崩れた。
「去年やっと、『R』の複製に成功した程度だ。お前らの人格を統合し、その力を元々の人間のものに戻すことができれば、……生きられる時間も、伸ばすことができるのに……」
ぎ、と岩室は歯ぎしりをする。握りしめた両の拳が、ぶるぶると震えていた。
その時、ぴぴぴぴぴ、と電子音が鳴った。
自分にだ、と中里は机にカップを置き、携帯の着信ボタンを押す。
「……もしもし?」
中里は思わず眉を寄せた。何だこれは。ぼうぼう、と妙な音が入ってくるばかりで、誰かの声が聞こえるという訳でも無い。
いや―――
彼はぐっ、と耳を携帯に押しつける。
遠くで、声がする。
『……遇だな。何故……、……んなとこ………… 居る…… か……?」
風に混じって、男の声が聞こえた。
『さ………… たのかい? いけ…… い子だ……」
何処かで自分はこの声を聞いたことがある、と中里は思った。
「どうした?」
様子の変わった彼を、岩室は不審気に見る。中里は黙って携帯を渡した。ぐっと耳に押しつけると、彼女の眼鏡の下の目が、細くなる。
「……これは……」
ぱっ、と携帯を中里に戻すと、彼女は自分の携帯を取り出し、慌てて誰かを呼びだした。
「……そう私。……え?」
声が跳ね上がる。中里は自分の方の通信が切れるのを感じながら、岩室の表情が変化していくのに気付いた。
「……判った。じゃあ、途中で。よろしく」
ぴ、と彼女は通話を切る。そして白衣の上に、大きなコートをかぶり、行くぞ、と中里に鋭い声を放った。
「行くって、……」
「羽根が奴らに捕まった」
え、と中里は息を飲み込んだ。
「……うちのダンナと途中で合流する」
そう言いながら既に彼女は、内側の扉に「本日遅刻」の札を下げ、鍵を掛けた。
「後は車の中で説明する。急げ、中里!」
判った、と中里は大きくうなづき、外側の扉から飛び出した。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
月弥総合病院
僕君☾☾
キャラ文芸
月弥総合病院。極度の病院嫌いや完治が難しい疾患、診察、検査などの医療行為を拒否したり中々治療が進められない子を治療していく。
また、ここは凄腕の医師達が集まる病院。特にその中の計5人が圧倒的に遥か上回る実力を持ち、「白鳥」と呼ばれている。
(小児科のストーリー)医療に全然詳しく無いのでそれっぽく書いてます...!!
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる