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建国 編Ⅱ【L.A 2071】
さっぱりはなしが わからない
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いつの間に戻っていたのか、アオイは昼時にひょっこり現れた。珍しい果物を見つけたとか言って、それを割ってみたら耳をつんざくような悲鳴を上げる果物で。
デントロータスの新種か、と騒然としたが内包している空気が漏れると悲鳴に似た音が出るらしいものだった。
耳がいい獣人……おもに赤い狼たちからしこたま怒られ、現在は魔術師を部隊として編成しそれを取りまとめているマテウスと行動している。
「久しぶりだな! アオイ!」
「……どこのちびっこ? 迷子かな~かわい~ね」
突如現れた子供……もとい、ユリウスは仁王立ちでふんぞりながらアオイとマテウスを見下ろしていた。しかし胡坐をかいているアオイの手はひょいとユリウスの頭に乗せられ首ごと揺らしながら撫でる。
「おいやめろ、俺はまだお前のことをちょっとだけ怒っている」
髪をボサボサにされながらユリウスはアオイの手から逃れて、顔は笑っているのに目が据わっていた。
「なんなのです、この失礼極まりない子供は」
実のところ、黒い狼が来たときマテウスは……寝坊をしていてあの場にはいなかったのである。
そのまま朝飯の残りを大急ぎで厨房からもらって、魔術師として腕を磨くものたちを集めた部屋に飛び込んだ、というのがほんの少し前の出来事。
ゆえに、マテウスは黒い狼のことも馬鹿力をもった子供のエルフのことも知らない。
「ベネットに解呪の方法を教えてくれたことは感謝する、だがアオイがやった方が早かったんじゃないか?」
「あぁ~ベネットのお兄さん! 今は……弟?」
「体は小さくても魂はずっとベネットのお兄ちゃんだぞ!」
「いっぱい食べておっきくなろうねぇ」
もう一度撫でようとした手は髪をかすることもなくひらりとかわされてしまった。
話に全くついていけないマテウスは疎外感で歯軋りしながら、恨みがましい目つきでユリウスを睨み続ける。
「大体、君が俺に声を掛けた時点で解呪したとしても寿命は残り少なかったでしょう。それに君に呪いをかけたあいつから早々に目をつけられれば困るし……」
「俺は解呪といわずとも寿命を少し伸ばしてくれればよかったんだ」
話の内容も、二人の関係性も全く分からないがこの話の内容があまりにおかしいことは分かった。解呪とか寿命とか……呪いという言葉でジェロシアのことを思い出したマテウスだが「寿命を少し伸ばす」という意味不明な言葉が出てきたことでそちらに全てを持っていかれた。
「だったらそう言ってよぉ」
「言わなかったか?」
「言ってない」
「それは……悪かった、思っていた以上に当時は焦っていたらしい。もうお前のことは怒らない」
「よかった~ありがとぉ」
何の質問も挟めないまま、アオイとユリウスの問答は終わってしまったらしい。最初から最後まで変わらないユリウスの子供らしからぬ笑顔にマテウスは不気味さを覚える。
しかしこの子供の姿でいて言葉は長く生きたヒトのよう……マテウスが彼を転生者だと仮定するのは早かった。
「それはそうと、ここは確かに急速に発展したな。あれほど強固な結界は見事だ、それに赤い狼を味方につけるとは……ひとり、不思議なやつがいるけどな」
「あのもふもふ?」
「フリードリヒか。あいつなんで獣種の姿になんか……」
「えっ、ヒトの姿を知っているのですか」
自らも獣人であるマテウスは、ユリウスがなぜ疑問に思うかがよく分かる。純血の獣人は生まれたときは獣の姿なのだ。それが成長するに従ってどちらかの姿、または中間のどれが過ごしやすいかが決まってくる。獣種はヒトの姿をとれないわけではない、逆にヒトの姿の獣人が獣種の姿になれないわけでもない。
慣れていない姿をとると、疲れてしまうのだ。
大人であるフリードリヒが昔はヒトの姿だった。それが今では獣種の姿をとっている。それはおかしなことなのだ。わざわざ疲れる姿をとり続けているなどと。
「長い間、あいつはヒトの姿でいたはずだぞ。赤い無精髭が無ければたくさんの美女に言い寄られただろうに」
だったらなぜ。今度はフリードリヒへ対する疑問で頭がいっぱいになった。単純な興味本位だ。
だがそれを聞きに行く、などという藪を突いて狼を引き当てることなどしたくはない。噛み付かれるだけならまだ運がいい。
ぶるりと尻尾の毛まで逆立ち、いくら気になっていても聞く相手が恐ろしすぎる、やめよう、と自分を戒めた。
「不思議なやつは仮面をつけたあの小柄な赤い狼だ」
「あぁ~アラシか」
「お前とお揃いだな! 伴侶か?」
ぼっ、とスカートがめくれるくらい立ち上がった尻尾は普段の倍に膨れて毛の一本一本が棘のように逆立っている。瞳は瞳孔が開きまん丸になっていた。
「なっ、なななっ」
「おませさんだね~、ちがうよ」
間髪をいれずに、アオイは否定した。マテウスはそのことに心の奥でほっとした自分に驚く。
肯定したら自分はどうしたのか、否定した今、だからと言って自分はどうするのか。胸の奥にもやが掛かったようだった。ただただ耳の奥が、目の奥が熱くなる。
恥ずかしい。長い間、互いの存在が近くにあることが当たり前であるように過ごすアオイとアラシが羨ましかった。アラシと自分は見た目で言えばさほど違いはないはず。けれどマテウスから見たアラシは何もかもが完璧に思えた。
料理もおいしい、建築の知識もある。あの赤い狼たちを取りまとめて、人望も厚い。博識で、皆にやさしくて、強い。
かなわないと、諦めたつもりになっていた。それなのに、アオイがアラシとの関係性をつがいではないと否定したことに安堵した自分が、たまらなく恥ずかしい。
「そうか! それにしてもここは、赤ん坊がいないんだな」
「俺もそれは悩んでる~」
マテウスの表情がコロコロ変わることをユリウスは気付いていた。しゅんと耳まで折りたたんで沈んでいたかと思えば、自分の言葉一つでいちいち反応する様子を見ていたのだ。しかし目線をマテウスに向けていないものだからマテウス本人は知らない。
何を言っているんだこの子供は、と驚いたマテウスの口は顎の重さを支えることを忘れたのかどんどん開いていく。
「男がいて、女がいて……仲間の情は固くても、ここには愛がない」
「あのさぁ~、6歳児の顔と声で悟られるとバグるから子供らしくできない?」
やっと貼り付けたような不気味な笑顔が困惑の表情に変わる。なんだ、そんな顔もできるんじゃないか、とマテウスはほっとしていた。顎に指を添えて、口をとがらせてユリウスはうぅんと唸る。
「ぱぱ! ぼくいもーとほしい!」
あまりの変貌っぷりと、どうしてそうなった、という言動にマテウスはついにひっくり返った。スカートの中身が見えそうになっていたので、アオイはそっと裾を直してやる。
「……って俺には既にベネットがいたな! わはは!」
「そういうとこさ~~もぉ~~」
その場にいた他の魔術師見習いたちは、最初から最後まで見ていた。そしてマテウスに同情したのだった。
感情があるのか分からない言葉を語るアオイと、笑った表情だけを貼り付けたような子供のユリウスの二人を目の前にしてよくもった、と。
「それにしても君、変わったねぇ。五百年前は俺のこと殺そうとしてたのが嘘みたい」
「ははは! 懐かしい。最も殺さねばならない存在が誰か分かったからな」
うなされているマテウスは見習いたちに連れていかれ、机に寝かされていた。もう誰も、アオイとユリウスの会話を聞こうとは思っていない。
「それは良かった。俺たちが消さなければいけない存在と同じならいいんだけどね」
「どうだろうな。だが、俺は勇者だ。勇者は本物の魔王を殺さなければならない……そういう、さだめなんだ」
決して子供の顔ではなかった。子供の声ではなかった。煮えたぎる憎悪で骨まで溶かされるのは果たして誰なのか。
デントロータスの新種か、と騒然としたが内包している空気が漏れると悲鳴に似た音が出るらしいものだった。
耳がいい獣人……おもに赤い狼たちからしこたま怒られ、現在は魔術師を部隊として編成しそれを取りまとめているマテウスと行動している。
「久しぶりだな! アオイ!」
「……どこのちびっこ? 迷子かな~かわい~ね」
突如現れた子供……もとい、ユリウスは仁王立ちでふんぞりながらアオイとマテウスを見下ろしていた。しかし胡坐をかいているアオイの手はひょいとユリウスの頭に乗せられ首ごと揺らしながら撫でる。
「おいやめろ、俺はまだお前のことをちょっとだけ怒っている」
髪をボサボサにされながらユリウスはアオイの手から逃れて、顔は笑っているのに目が据わっていた。
「なんなのです、この失礼極まりない子供は」
実のところ、黒い狼が来たときマテウスは……寝坊をしていてあの場にはいなかったのである。
そのまま朝飯の残りを大急ぎで厨房からもらって、魔術師として腕を磨くものたちを集めた部屋に飛び込んだ、というのがほんの少し前の出来事。
ゆえに、マテウスは黒い狼のことも馬鹿力をもった子供のエルフのことも知らない。
「ベネットに解呪の方法を教えてくれたことは感謝する、だがアオイがやった方が早かったんじゃないか?」
「あぁ~ベネットのお兄さん! 今は……弟?」
「体は小さくても魂はずっとベネットのお兄ちゃんだぞ!」
「いっぱい食べておっきくなろうねぇ」
もう一度撫でようとした手は髪をかすることもなくひらりとかわされてしまった。
話に全くついていけないマテウスは疎外感で歯軋りしながら、恨みがましい目つきでユリウスを睨み続ける。
「大体、君が俺に声を掛けた時点で解呪したとしても寿命は残り少なかったでしょう。それに君に呪いをかけたあいつから早々に目をつけられれば困るし……」
「俺は解呪といわずとも寿命を少し伸ばしてくれればよかったんだ」
話の内容も、二人の関係性も全く分からないがこの話の内容があまりにおかしいことは分かった。解呪とか寿命とか……呪いという言葉でジェロシアのことを思い出したマテウスだが「寿命を少し伸ばす」という意味不明な言葉が出てきたことでそちらに全てを持っていかれた。
「だったらそう言ってよぉ」
「言わなかったか?」
「言ってない」
「それは……悪かった、思っていた以上に当時は焦っていたらしい。もうお前のことは怒らない」
「よかった~ありがとぉ」
何の質問も挟めないまま、アオイとユリウスの問答は終わってしまったらしい。最初から最後まで変わらないユリウスの子供らしからぬ笑顔にマテウスは不気味さを覚える。
しかしこの子供の姿でいて言葉は長く生きたヒトのよう……マテウスが彼を転生者だと仮定するのは早かった。
「それはそうと、ここは確かに急速に発展したな。あれほど強固な結界は見事だ、それに赤い狼を味方につけるとは……ひとり、不思議なやつがいるけどな」
「あのもふもふ?」
「フリードリヒか。あいつなんで獣種の姿になんか……」
「えっ、ヒトの姿を知っているのですか」
自らも獣人であるマテウスは、ユリウスがなぜ疑問に思うかがよく分かる。純血の獣人は生まれたときは獣の姿なのだ。それが成長するに従ってどちらかの姿、または中間のどれが過ごしやすいかが決まってくる。獣種はヒトの姿をとれないわけではない、逆にヒトの姿の獣人が獣種の姿になれないわけでもない。
慣れていない姿をとると、疲れてしまうのだ。
大人であるフリードリヒが昔はヒトの姿だった。それが今では獣種の姿をとっている。それはおかしなことなのだ。わざわざ疲れる姿をとり続けているなどと。
「長い間、あいつはヒトの姿でいたはずだぞ。赤い無精髭が無ければたくさんの美女に言い寄られただろうに」
だったらなぜ。今度はフリードリヒへ対する疑問で頭がいっぱいになった。単純な興味本位だ。
だがそれを聞きに行く、などという藪を突いて狼を引き当てることなどしたくはない。噛み付かれるだけならまだ運がいい。
ぶるりと尻尾の毛まで逆立ち、いくら気になっていても聞く相手が恐ろしすぎる、やめよう、と自分を戒めた。
「不思議なやつは仮面をつけたあの小柄な赤い狼だ」
「あぁ~アラシか」
「お前とお揃いだな! 伴侶か?」
ぼっ、とスカートがめくれるくらい立ち上がった尻尾は普段の倍に膨れて毛の一本一本が棘のように逆立っている。瞳は瞳孔が開きまん丸になっていた。
「なっ、なななっ」
「おませさんだね~、ちがうよ」
間髪をいれずに、アオイは否定した。マテウスはそのことに心の奥でほっとした自分に驚く。
肯定したら自分はどうしたのか、否定した今、だからと言って自分はどうするのか。胸の奥にもやが掛かったようだった。ただただ耳の奥が、目の奥が熱くなる。
恥ずかしい。長い間、互いの存在が近くにあることが当たり前であるように過ごすアオイとアラシが羨ましかった。アラシと自分は見た目で言えばさほど違いはないはず。けれどマテウスから見たアラシは何もかもが完璧に思えた。
料理もおいしい、建築の知識もある。あの赤い狼たちを取りまとめて、人望も厚い。博識で、皆にやさしくて、強い。
かなわないと、諦めたつもりになっていた。それなのに、アオイがアラシとの関係性をつがいではないと否定したことに安堵した自分が、たまらなく恥ずかしい。
「そうか! それにしてもここは、赤ん坊がいないんだな」
「俺もそれは悩んでる~」
マテウスの表情がコロコロ変わることをユリウスは気付いていた。しゅんと耳まで折りたたんで沈んでいたかと思えば、自分の言葉一つでいちいち反応する様子を見ていたのだ。しかし目線をマテウスに向けていないものだからマテウス本人は知らない。
何を言っているんだこの子供は、と驚いたマテウスの口は顎の重さを支えることを忘れたのかどんどん開いていく。
「男がいて、女がいて……仲間の情は固くても、ここには愛がない」
「あのさぁ~、6歳児の顔と声で悟られるとバグるから子供らしくできない?」
やっと貼り付けたような不気味な笑顔が困惑の表情に変わる。なんだ、そんな顔もできるんじゃないか、とマテウスはほっとしていた。顎に指を添えて、口をとがらせてユリウスはうぅんと唸る。
「ぱぱ! ぼくいもーとほしい!」
あまりの変貌っぷりと、どうしてそうなった、という言動にマテウスはついにひっくり返った。スカートの中身が見えそうになっていたので、アオイはそっと裾を直してやる。
「……って俺には既にベネットがいたな! わはは!」
「そういうとこさ~~もぉ~~」
その場にいた他の魔術師見習いたちは、最初から最後まで見ていた。そしてマテウスに同情したのだった。
感情があるのか分からない言葉を語るアオイと、笑った表情だけを貼り付けたような子供のユリウスの二人を目の前にしてよくもった、と。
「それにしても君、変わったねぇ。五百年前は俺のこと殺そうとしてたのが嘘みたい」
「ははは! 懐かしい。最も殺さねばならない存在が誰か分かったからな」
うなされているマテウスは見習いたちに連れていかれ、机に寝かされていた。もう誰も、アオイとユリウスの会話を聞こうとは思っていない。
「それは良かった。俺たちが消さなければいけない存在と同じならいいんだけどね」
「どうだろうな。だが、俺は勇者だ。勇者は本物の魔王を殺さなければならない……そういう、さだめなんだ」
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