天国の指名手配犯

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第二章 人間界

第十六話 父さんの仕事

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里菜は高校に入学した、




友達も出来、平和な高校生活を満喫していた。








そんなある日の事、



最近蓮司が家にいる時間がやけに多い事に気がついた。







今日だって普通に考えれば仕事の日なのに…、

父さんは部屋にいる…


休んでいるのか?
体調が悪いのか?

部屋から出てこないから父さんの様子を伺うこともできない。








「里菜ちゃん、どうしたの?」






蓮司の部屋の前で考え込んでいると、
菊江に話しかけられた。






「父さん…最近仕事行ってないけど、体調悪いの?」


「あぁ、違うのよ、
最近お父さんの会社は在宅ワークにも力を入れ出して、
お父さんも仕事の一部をおうちでやることになったの、
里菜ちゃん、邪魔しちゃダメよ?」


「そうなんだ…」






家で仕事をするようになったんだ、
出勤に時間を取られないからとても楽そうだな、
里菜は思った、


仕事の一部を家でする、ということなので
会社に出勤しなければならない日もあるらしく、
蓮司は週に一、二回出勤している様だった。





こんな楽な働き方ができる世の中になったんだな、
自分も将来はこういう働き方がしたい、

こんなに生きやすい世界なんだから、

父さんも母さんも、
これからもずっと元気に生きてくれるだろう、




なんて呑気に考えていた。





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