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第三章 指名手配犯
第二十二話 逃げた里菜
しおりを挟む高校を卒業した里菜、
就職をし、すぐに家を出た。
しかし、指名手配中の両親を完全に放置するわけにはいかない、
里菜には
二人を正しく空の世界へ送り届けるという使命がある、
その使命からも逃げるわけにはいかない。
里菜は実家のすぐ目の前のマンションに住むことにした、
ベランダから、肉眼で実家が見える、
双眼鏡を使えば、恐らく家の中まで見える。
これで、家の様子はある程度観察できるかもしれない、
家の前まで行けば二人の喧嘩の声も微かだが聞こえるだろう。
そして里菜は、蓮司が勤めている会社がある建物の中にある会社で勤めることにした。
全く自分のやりたい職種では無かったが、
もう仕事を選んでいる場合ではない、
二人を見張ることを優先しなければならない。
里菜の会社のフロアは二階、
蓮司の会社のフロアは四階、
出勤時間も退勤時間も出入り口も使用するエレベーターも階段も違う、
変な動きをしなければ蓮司にはバレないだろう。
蓮司にバレないよう、
こっそり会社での様子を観察しようと里菜は考えた。
そして、
仕事の後は少し遠回りをして、菊江の働いているドラッグストアを覗いて帰ることにした、
といっても里菜が帰るときにはとっくに菊江は仕事を終えている、
仕事をしている菊江を観察することはできない。
だが、ドラッグストアの外についているトイレの清掃票を見れば、
菊江がきちんと出勤しているか見ることができる。
希死念慮がより強いのは蓮司、
菊江は、若干顔色が良くなっているように感じた。
心の底からの笑顔も見られるようになった。
しかし蓮司が死を選べば、きっと菊江も後を追うだろう。
里菜は蓮司の観察を優先することにした。
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