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第三章 指名手配犯
第二十八話 入れ替え作戦
しおりを挟む蓮司が家から離れた、
菊江は家にいるけど、このチャンスを逃すわけにはいかない。
運良く今月は菊江の誕生日。
…まだかなり早いけど…。
仕事が忙しくて、今日しか実家に帰れないから
ちょっと早いけどケーキ持ってきたよ!
…なんて理由をつけて
実家に忍び込むしかない。
里菜は急いでケーキを買い、
実家へ向かった。
「母さん!久しぶり!」
「里菜ちゃん…?どうしたの急に」
実家へ帰るときには
必ず事前に連絡していた、
今日は突然だったので
何も連絡しなかったせいか、
菊江は驚いていた。
「かなり早いけど…今月誕生日でしょ?
ケーキ持ってきたの、
今日を逃すと次いつ帰って来られるか分からなくて…」
「そっか…ありがとうね、
今日の夜に食べるわね」
「うん!父さんの分も買ったから
2人で食べてね!」
その後、すぐ帰らないことを怪しまれないようお腹痛いからトイレを借りたい、と嘘をつき、
父さんの部屋に忍び込んだ。
棚の中から瓶を取り出す、
蓋を開け、里菜はしまったと思った、
予想していたより若干錠剤がデカイ。
本当に僅かなサイズの差だけど…
バレてしまうかもしれない…。
いいや……
大丈夫だろう、
自分が飲む薬のサイズが直径何ミリか、なんて気にしながら飲んでる人なんていない、
パッと見では分からないはず。
時間も無いし、とりあえずこのまま蓋を閉め、
瓶を棚の中に戻した。
トイレに行っていた、ということにするために
1回だけ水を流し、実家を出た。
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