浮気されるのを死ぬほど恐れていた私が浮気してしまいました。

第１０章 後輩君の失恋

５３話

…どうしたんだろう








何かあったんだろうけど……。











ここは、




"何かあったの？大丈夫？"





って聞くべきだろうか、







早く帰りたいし

普通にお疲れ様って言ってこの場を立ち去るべきだろうか、



何があったか知らないけど
触れてほしくないかもしれないし…。












「……パイセン…」











なんて声をかけようか、




そんな事を考えていると


後輩君の方から声をかけてきた。







背後から聞こえる後輩君の声は




明らかに元気の無い声。









本当に何があったんだろう…。











「……どうしたの…？
なんかあった？大丈夫？」










あーあ…






心配しちゃった







長くなるかもしれないぞー







帰れないぞー
















「………僕……なんでモテないんすかね……」













？？？









えっ








あっ









えっ……







どうしたんだ…




フラれたのかな……








「えっ……と…」







なんて答えたらいいか分からない






フラれたの？なんてダイレクトに聞くわけにもいかないし…。












「誰にも言わないでくださいね

先週、好きな子にフラれたんです」












おー…



やっぱり。










大分前に一緒にレストランに行った子と同じかは知らないけど
好きな女の子にフラれたらしい。









それを聞いて








よっしゃ！





って内心思ってしまった。











でも、









一緒に仕事したり、遊園地まわったり
わりと仲良くなれてたけど、
後輩君の"好きな子"には、やっぱりなれてないんだな。


今まで一緒に話したり笑い合ってた時も



後輩君の頭の中には



他の女の子がいて





私だけ１人ドキドキしてたんだな








と、






切なくなった。