地球人のふり

はに

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第6章 中学生

27話

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「清子ー!おはよう!」



「おはよう咲」







咲は、変わらずキヨと仲良くしてくれていた、





自己紹介の時、沈黙を作り出したクラスメイト達はというと、


特別何か言ってくるわけではないが、



何かキヨと距離を置いてるような感じがした。








「咲ー!消しゴム持ってないー?
忘れちゃってさー!」








優しくて明るい性格の咲は、

すぐに友達ができていた、




私とも変わらず仲良くしてくれたし、

お弁当はいつも一緒に食べてくれた、





しかし他の子と一緒にいる時間も増えていた、




その間、キヨは1人だった、





でも1人が好きなキヨは苦痛では無かった、

好きな本を家から持ってきて好きなだけ読める、



出された宿題を休み時間に黙々とやって帰ってから楽をすることもできる、






しかしその様子はやはり周りからは浮いて見えるようで、



キヨはどんどん距離を置かれた。













ある日の事だった、



キヨは休み時間トイレに行った、
用を足し、すっきり廊下に出ると、


ソイツとバッタリ会った、





キヨは硬直した、

クラスが離れてからはソイツと関わりなど無かったから、


ずっと何も言われてなかったから、







ソイツは物凄くイライラした顔をして
キヨに○ねと言った、




「キモいんだよ、俺の前から消え去れ」







そう言ってソイツはキヨを肘で殴った、









……私なんでこの人にこんな嫌われてるんだろう…?





肘で殴られた腕をさすりながらキヨは考えた、




そんな何かトラブルがあった訳でもない





何も心当たりが無かった、





クラス替えをし、同じクラスになった瞬間いきなりキヨに目をつけたのだ。







……まぁいい…


今は同じクラスでは無いのだから、




今みたいに廊下で会わないように気を付ければいいだけだ。









キヨはそれ以来、
廊下を歩く時は常に周りをキョロキョロ様子を見るようにした、



耳も済ました、




ソイツの足音に近い音が聞こえたらすぐ逃げた、





ソイツはたまに口笛を吹いていた、

口笛が聞こえてもすぐ逃げた、




遠くに姿が見えたら
すぐ反応し、逃げた






かくれんぼや鬼ごっこをしていると思えば
なんとかやっていけそうだ。








廊下を歩く度にビクビクする生活にもすぐに慣れ、




キヨはなんとか平和な学校生活を過ごせていた、










しかし、そんなある日

キヨは驚きの言葉をクラスメイトから言われた。










「駒井さんってさ(笑)なんでそんな喋り方なの?」

「なんかね(笑)変だよね(笑)」




クラスの女の子2人が突然そう言ってきた、




キヨはポカンとなった、

持っていた本を落としそうになった。






…喋り方が…変?








今までの人生でそんな事言われたこと無かった、


何が変?



どう変?






聞き返したかったが、
2人はクスクス笑いながらキヨのそばを離れていった、




自己紹介の時沈黙がうまれたのも喋り方のせいなのか、






そんなみんなが静まり返る程変なのか?










「私って喋り方変なの?」








帰り道、咲達に聞いてみた。









「うーん…変って言うか、なんか…アニメっぽいというか…まぁとにかくちょっと不思議な感じだね、可愛いけどね!」




咲はそう言って私のほっぺをつんとつついた。







「うーん?…特に何か思ったことは無いけど…、あ、声はちょっと特徴的かも」




依人が首をかしげながら言った。







「えー?声も喋り方も普通だと思うけどな」



納得の行かない表情で、春が言った。







どっち!?





可愛いのか
特徴的なのか
普通なのか




みんなバラバラ






帰ってから母親に聞いても

え?わかんない

と言われるだけだった。








キヨは喋ることが怖くなってしまった、







授業中に当てられ声を出す度に
足が震えた、




みんなが見ている、



ヒソヒソ話す声も聞こえる





毎日毎日、当てられないよう祈った

日付と自分の出席番号が同じだった日は、


学校に行こうとするだけで吐き気がした。







学校に行けば

いつも通り浮き



話せば笑われ





廊下に出たらかくれんぼ






気を許せる咲は他の子のそばに、



依人と春は男の子のグループに、








キヨは疲れてきた、





休み時間はほとんどトイレの個室に籠って過ごした、

臭いとかどうでもいい、




1人になりたいのに
1人でいると浮く




トイレが一番楽しい。







なるべくクラスメイトの目に入らないように
目立たないように




キヨは静かに過ごした




勉強だけに集中した、





勉強頑張って
知ってる人が誰もいない高校に入ってやり直そう、




そう決め、勉強をひたすら頑張った、







おかげで成績は上がった。






あと2年と半年ぐらい、
頑張ろう



それが過ぎれば卒業して

私は誰もいない所で高校デビューするんだ、






そうだ、高校生になったら絶対浮かないように




今の状況を利用して勉強しよう、






自分の話し方がどう変なのか、

どういう受け答えが普通なのか

何を言うと人は腹を立てるのか






色んな事を学ぶんだ、







ただクラスで浮いて、
悲しい思いをしているのではなく、




高校デビューに向けての修行なのだ、





そう思うと耐えられた





むしろ楽しく思えた。











しかし楽しんでいる場合ではない、






キヨの取り戻した記憶はまだ9割のまま、



肝心な部分は思い出せていないままだった。












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