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第11章 次の使命
54話
しおりを挟む「…陸……またダメだったよ…」
妊活を初めて半年が経過した、
しっかり医師の指示に従い、
タイミングにあった行為を行っているのに、
キヨはなかなか妊娠しなかった、
妊娠しやすい体にするため、
サプリなども飲んだ、
食事にも気を使った。
なのに全く妊娠できない、
……もしかして……
キヨは地球人ではないため、
地球人との子供を身ごもる事ができないのでは……!?
キヨはそう疑い、
ヨルに聞いてみたが、
ヨルもそれはさすがに分からない、と顔を歪めた。
もし本当に……
地球人との子供を作れないとなると………
キヨの計画はぶち壊しになってしまう。
どうしよう、
どうしよう、
焦るのはよくない、
ストレス溜めちゃだめ、
陸にあれほど言われていたのに、
キヨはどんどん焦り始めた。
あれほど嫌だった行為の回数も自分から増やし、
高額なサプリメントも色々買い始めた、
しかし一向に妊娠しない、
結婚してもう1年が過ぎた。
「…清…また新しいサプリ買ったの?」
「うん、これネットで口コミがよかったの、
今度こそ妊娠できそうな気がする」
「……そんな焦らないでね、
俺は別に、清と2人でもいいから、
子供は欲しいけど、清の負担になるようなら、諦めるから」
2人でもいい…?
諦める…?
なんでこんな頑張ってるのに水を差すような事を言うんだろう、
陸はそんなに子供が欲しくないのか、
キヨにずっと合わせていてくれただけなのか、
正直今キヨと陸の妊娠に対する温度には差があった、
キヨばかり焦っている感じがした。
陸はもう諦めようとしているのかもしれない、
もう協力してくれないのかもしれない、
妊娠妊娠と頑張るキヨを
うざがってしまい、
離れていくかもしれない。
そう思うとキヨは一気に不安になった。
「諦めるとか言わないでよ……
私は絶対諦めない、どれだけお金をかけてもいい……、
そうだ、そろそろ人口受精とかしてみたらどうかな、
独身時代から貯めてた貯金もあるし、
陸にはお金の負担かけないから」
「うん…まあそうだね、
やってみてもいいかもね」
「やってみてもいい…とかじゃなくて、
やってみたい、じゃないの?
陸も子供欲しいんでしょ!?
なんでそんな冷静なの!?1年妊活してるのに妊娠しないんだよ!?」
2人の間に流れる空気が
どんどん冷たくなってきた、
陸は少し怒っているようにも見えた、
ますますキヨは焦る、
落ち着かないと、
焦っちゃだめ、
協力してもらうためにも
陸の事は責めちゃだめ、
分かっているのに、
沸き上がってくる焦りは止められない。
「男性の不妊とかも最近あるみたいだし、
陸も今度検査受けてみてよ、
もちろんお金は私が出すし………」
「清はさ、どうしてそんなに子供が欲しいの?
聞かせてよ、清の気持ち」
どうして子供が欲しいの………って…………
そんなの………
そんなの決まってるじゃない……
本物の幸福と愛を感じるため、
サンコ星に帰るため、
欲しい欲しくないの問題じゃなくて……
そう………
私は……………
「欲しい欲しくないじゃなくて!
作らなきゃいけないの!!!!!
子供を産んで、家族を作らなきゃいけないの!!!!」
キヨは大声で怒鳴ってしまった、
陸の顔が一気に青ざめた、
ショックを受けた様な表情をしている、
陸はフラフラとソファーに座り込んだ。
「………作らなきゃいけない…って……
何それ………」
「…それは…」
「何か誰かに言われてキヨは妊活してるの……?
作らなきゃいけない…って…なんでそんな義務感があるの……?」
「だから…それは……」
キヨはしまったと思った、
なんで作らなきゃいけないなんて言ってしまったんだろう、
そんなこと言ったら変な目で見られるに決まってる、
サンコ星の事を話すこともできないのに、
余計な事言わなければよかった。
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