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2.
しおりを挟む「いいじゃん教えてよ」
……この人、しつこい。
「私ではわからないので直接聞いて頂いた方が」
「西野。おねえさん、困ってるだろ」
良かった、助け舟。そりゃね、9人もいるんだから止めに入ってくれる常識的な人が1人ぐらいいてくれないと。そしてこの栗原さんに付き纏ってるライトなストーカーは西野というらしい。
「失礼します」
西野さんの追及に困りながらもお冷を入れていた私、偉い。お冷周り終わったらアイスミルクコーヒーをカウンターに追加しよう。このバイトの何がいいって、自分で作ればドリンク飲み放題ってところよね。
お冷を周っている最中にお客がまた増えた。対応しながらお冷周りの続きを終えてカウンターに戻った。
「白雪さん、休憩入って。私ホール入る」
「──A78、まだいらっしゃいますけど」
「いい。慣れてるから」
慣れてるって。栗原さん、結構大変な思いしてきたんですね。
奥で休憩しようとアイスミルクコーヒーを手にキッチンカウンターに足を踏み入れると同時に栗原さんのイケメン彼氏がドアベルを鳴らして入ってきた。イケメン彼氏への接客は栗原さんにお任せするのが正解だけど、今はBが満席。Aに案内するとイケメン彼氏がA78から丸見えじゃん。どうするんだろ?
一瞬頬を緩ませた栗原さんがイケメン彼氏をAに案内したのを横目に、奥の休憩所へと向かった。
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