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「彼氏とは?」
しおりを挟むLINEはしてる。毎日、義務のようにしてる。ただ私、彼にまだ恋をしていない。告られて勢いでOKしたけど、それまでに彼とそんなに会話をしたことが無かった。
これがまだ、近い距離の人なら会って、その人の良いところを見つけて恋をしていけるのかもしれない。でも彼に会うには新幹線に乗らないといけない距離なわけで。恋が出来ていない相手に往復の新幹線代を捧げるのって、ぶっちゃけしんどい。
「栗原さん、彼氏さんとはどれくらいですか?」
「もうすぐ3年かなあ」
「長いですね」
「そう?」
「そうですよ。同じ人に3年も恋できてるんでしょ?」
「恋……んー、恋ねぇ……」
え、歯切れ悪い?私何かまずいこと言った?話題変えよう!
「お冷、ちょっと見てきます」
徐にピッチャーを取り出して大量の氷水を注ぐ。氷水はあっという間に満タンになった。
「失礼します」
全てのテーブルのお冷をチェックしながら追加の水をコップに注ぐ。
A78のコップに水を注いでいるときだった。
「栗原さん、まだあの彼氏と付き合ってんの?」
──手を滑らして水をその男性にぶっかけてしまいそうだった。ギリギリのところで耐えた。私、偉い。
栗原さんのプライベートに関わること。イエスもノーも言っちゃまずい気がする。
「プライベートなことは、私では……」
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