どうやら、我慢する必要はなかったみたいです。

 伯爵令息のベイジルは、クラリッサという婚約者がいながら、ネリーという子爵令嬢と浮気をしていた。

 証拠を突きつけられたベイジルは、ネリーとの浮気を認めたうえで「もうこんな女とは縁を切るから、どうか許してほしい。これからはきみだけを愛すると誓うよ」と告げた。

 これにクラリッサは、

「──ならば、ネリーさんと婚約してください。そうしたら、あなたを許します」

 という意味不明な提案をしてきた。


 はたして、クラリッサの真意とは──。

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