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しおりを挟む速水くんがそうちゃんだったとして、「それが何?」って言われるのも怖い。私きっと言葉に詰まる。「ずっと会いたかった」なんて言ったら私、ストーカーにされてしまうかな?
惚れてないとはいえ、彼氏持ちがバレてしまったのも痛い。彼氏持ちのくせに「ずっと会いたかった」なんて言ったって説得力が無さ過ぎる。
うん、伊沢くんとはやっぱり別れよう。別れるにはまず、会いに行かないと。3月のバイト代の大半を捧げることになるけどしょうがない。筋は通さなきゃ。胸張ってスタートラインに立つ。私の道の、第一歩だ!
手帳に挟んだバイトのシフトを確認する。今度の土曜日は空いている。日帰りで行って、日曜は昼までダラダラと寝て、夕方からバイトを頑張る。メンタル大変だけど頑張ろう。日曜のシフトは亜樹と一緒だ。
日曜のバイトの後のおしゃべりで、店長と亜樹に伊沢くんとのことを報告しよう。そこできっと、一区切りつく。
伊沢くん、すんなり諦めてくれるかな?彼はきっと私に夢を見ていたと思う。私が彼の言うことを聞かずにサークルに入れば、きっと彼から見切りをつけてくれるに違いない。
そもそもどうして伊沢くんは、私を気に入ってくれたんだろう。私はクラスの中でも、決して目立つ方では無かった。目立たなかったから、それが良かったのかな。従順そうに見えたのかもしれない。
甘いなあ。見た目大人しそうな私にだって、意思というものはあるのにね。
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