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4.
しおりを挟む「やほー」
「お、真希」
真希の声に花音が振り返った。この話題の最中に、真希か。表情、変えちゃダメだよ?私。
「何か難しい話してた?桃歌の眉間に皺よってそうだったけど」
余計なお世話だ。眉間の皺の原因の一つは真希本人なんだけどね。
「んー……ちょっとね」
微笑んで誤魔化す。真希にこの話題でイジられるのは、ちょっと嫌だ。
「気になるじゃん。ねぇ、もうお昼買いに行かない?」
「みんなまだ来てないけどいいかなあ?」
花音さん……気になると言いつつ別の話題を出した真希の言う通りにした方が私には都合が良いんだけれども。
「場所だけキープしてれば良くない?もうすぐ混むだろうし、行っちゃおう?」
言葉を続けた真希に私が賛同すればお昼を買いに行く流れになるよね?
うーん、と花音が思案している間に生協の入り口が騒がしくなった。2限を取ってる学生の授業が終わったのだろう。
「混んできたみたいよ?」
入り口を一瞥した真希が花音に視線を送った。花音は律儀で良い子なんだけど、こういう時に決断が遅れがちなところがある。で、真希にやんわり嫌味を言われる。
来ていた薄いカーディガンを脱いで、座っていた椅子の背もたれに掛けた。カーディガンを脱いだらノースリーブになっちゃうけどしょうがない。化粧ポーチやハンカチもテーブルの上に置いた。
「これで大丈夫でしょ。私達だけでも先に並んでおいた方が、みんな気を遣わなくていいじゃん?」
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