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しおりを挟む「真希も花音も……ありがとう」
支払いを終えてテーブルに戻ってきた私達。さっき聞いていた花音の話の通りだった上に、ちょっとまずいことになっていると気付いたその時に真希が成敗してくれるとは。
真希……嫌なやつ、とか苦手とか、思ってて今までほんとごめん。
「ちょっと前に聞いちゃってたんだよね。桃歌の彼氏の話」
一瞬私と目を逸らして、さっきの花音と同じく言葉を探すように続けた。
「高校の時にブイブイいわせてたってやつ?」
「花音、ブイブイって」
「ブイブイいわせてた相手が速水くんと別れたことに納得してないらしくて。その取り巻きが速水くんと同じ国際コースにいるんだって」
「で、コソコソ悪口言っていると。全然コソコソしてないじゃん。中途半端に桃歌に絡んでたし。ウザすぎ」
サラダうどんを勢いよく啜る花音は珍しく怒ったまま言葉を続けた。
「私、こういうの大っ嫌いでさ。本人に直接対決しないでじわじわ嫌がらせするやつ」
「わかるー。でもそういう輩ってほっといても潰れてくから、ちょっと突いただけで総崩れ。その過程を見てくの楽しいよね」
「真希……。もう、おねえさまと呼ばせてくださいな」
私、本当にこの2人の一部しか知らなかったんだな。深く付き合っていくと色んな面が見えるよね。
「学内は私らがいるから何とかなるかもだけどさ。問題はその元カノじゃない?取り巻きがこんな感じじゃ、結構執着強いんじゃないかな」
この暑い日にカツ丼の大盛りを早くも平らげた真希は、眉を顰めていた。
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