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afternoon tea 2
しおりを挟む集合場所のある駅に着いた。本当にダッシュするのはまずいから競歩の選手のように世界最速の早歩きをする。ヒールの高さはそれなりにあるけど、毎日履いてるから決して苦ではない。
目印の時計横のエスカレーター上の2階が私達の集合場所。時計前ではなく、混雑の少ないエスカレーター上を指定する澄麗は抜け目ない人だと思う。ここならナンパも少なくて、待ってる間も快適だろう。
エスカレーターから降りてすぐ正面に、見覚えのある華やかな3人が談笑していた。
「ごめーん!もう汗だく」
7月上旬の土曜日は冷房が効いているとはいえ、競歩直後の私には暑かった。折角仕上げた化粧がもう既に崩れている危機だ。
「むしろ集合時間ぴったりだから。記録はねえ、2分33秒」
澄麗、本当にストップウォッチ起動してたのね。この真面目さが逆に笑える。
「汗だくな上に、もう、服にシワが…」
「そういうデザインの服に見えるから大丈夫」
と言いつつ梨愛のワンピースは今日も完璧だ。この女子力最強女子め。
「歩きながら話そうか」
英の一言でみんなが歩き出した。動物園での朔さんとの一件を思い出す。あの話を、英にするべき、だろうか…。この楽しい女子会の、どのタイミングで話しても、英の表情は陰りを見せるだろう。でも、私が英の立場だったら「何で教えてくれなかったの⁈」と責めるだろう。そして責めた自分を責めるだろう。どちらにしろ、苦しい。朔さんに口止めされている訳では無いのだけど…。
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