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Ⅰ章.カンザリア要塞島 ─トゥーリ・アクス─
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軍隊に男色は付きものだ。――そんなもの、知らなかったワケはない。
これでも丸三年、軍の末席に名を連ねて生活してきたのだ。女っ気の一切ない男ばかりの集団の中で、性欲のあり余った人間が取る行動など、想像に難くない。
これまでいた隊の中にも、実際にそういう趣向の人間もいたしな。
だから自分は、自ら進んで関わるようなことは無かったものの、そういった趣向に対してわりと理解のある方だと思ってきた。
――とはいえど……だからといって、これはあまりにもいきなり過ぎるんじゃーなかろうか。
夜も更けて灯りも最小限に落とされた薄暗い部屋の中、ただ一人取り残されて俺は、呆然として戸口で立ち尽くすしか出来なかった。
ここまで俺を連れてきた夜番の担当は、俺を部屋に押し込むなり、何の説明も無いままとっとと扉を閉めて去ってしまった。もはや去っていく足音すら聞こえない。
もしやの予感が今や確信となって、背筋に流れる嫌な汗が止まらない。
「――いつまでそこに突っ立っている気だ、アクス」
そんな俺に向かい、まさにしびれを切らしたかのように、部屋の奥から低い声が投げかけられた。
「早くこちらへ来ないか。――これは命令だ、早くしろ」
そうまで言われてしまえば、入団したばかりの下っ端が逆らえるはずもない。
覚悟を決め、進もうとしない足を何とか前へ動かすと、その声の主のもとへ俺はのろのろと歩みを進めた。
とにかく、すべては出世のためだ―――。
平民の自分が、この身一つで栄達を望むのであれば、軍に入るのが最も手っ取り早い方法だった。
軍の中でも、王の親兵たる近衛騎士団が、その最高峰。
それゆえ、多くは貴族出身者ばかりで固められ、平民にとっては狭き門このうえない。
平民の自分が近衛騎士団の一員となることは、目標でもあり、また栄達への第一歩でもあった。
最初は軍最下層の警備兵として配属され、街から街へあちこち転々としながら勤め続けて丸三年、ようやく上官の推薦も得られ、念願の近衛騎士団への入団も叶った。
それが、つい三日前のこと。
もともと噂は聞いていた。
近衛騎士団は、男色愛好家の巣窟だ、と―――。
そもそも近衛騎士は、王の親兵であるがゆえ儀仗騎士の役割をも兼ねているため、ある程度の実力さえあれば、家柄問わず見目の良い若者から選ばれるようになっているそうなのだ。
ありとあらゆるタイプの美男子が集められている、というところなれば、必然的に、そういう趣向の人間まで集まっていても不思議ではないだろう。
とはいえ、噂はあくまでも噂だ、と、そう俺は高を括っていた。
最高峰の近衛騎士団だろうが末端の警備兵団だろうが、国家を同じくする軍の一部隊であることに違いはないのだ、隊紀にだってそうそう違いもないはずだ。上に立つ者は、いつの世でも下っ端のやっかみの対象となるものだし、こと近衛は、最高峰とまで謳われる軍の花形、加えて若い隊員が美形ばかり、とくれば、その特殊さばかりが際立ってしまい、そこをやっかみ半分に面白おかしくあれやこれやと想像で言われたことが大きく膨らみ、行き過ぎた噂となったのではないか。
おおかたは、所詮そんなところじゃないのか? と。
しかし入隊三日目にして早や、その認識の甘さを痛感させられるハメと、今こうして、なっている、ワケ、で、あり―――。
「ずいぶんと怖い顔をしているじゃないか」
ようやっと目の前まで辿り着いた俺を見上げ、片端だけ持ち上げた口許でニヤリと、寝台に座った男が笑う。
「貴様のような屈強な男が恥辱と屈辱に苛まれる、そんな様を見ることほど興奮するものはない」
――やることだけじゃなく、言うことまで変態かよ。
気味の悪さのあまり、思わず腕に鳥肌を浮かせた俺のことなど意にもかけない様子のソイツは、まさに獲物を前にした獣のような表情で舌舐めずりをしてみせた。
「その麗しい表情を、もっと近くで見せてくれないか」
そして、再び俺に命じる。
「跪け」
渋々ながら従った俺が床に膝を付くや、ごつごつ節くれだった太い指が、俺の頬に触れてきた――と同時、一瞬にしてぶわっと全身に鳥肌が走る。
反射的にビクッと視線を上げて硬直してしまった、そんな俺の目を覗き込むかのように見下ろしたソイツは、「生娘でもあるまいし…」と、相変わらず片端だけ釣り上げた口許で下卑た笑みを見せつけながら、からかうような口調で言った。
「貴様は、ここに配属される前から、長いこと軍属していたのだろう? ならば、こういうことも初めてじゃあるまいに。――わかるだろう? この場で己がどうすべきかは」
言いながら、纏っていたガウンを脱ぎ落とす。
当然のことながら……その下は、全裸だった。
「さあ、コレをどうしてくれるんだ? ――なあ、アクス?」
これみよがしに大きく足を開き、ソイツは俺の眼前に、そそり立った自身のイチモツを見せつけてくる。
ごきゅり、――息と共に嚥下した生唾が喉の奥で立てた音が、いやに大きく耳を劈いて、しばし全ての音を奪った。
退っ引きならないこの状態に、ただ眼前のそれを凝視したまま俺は、ピクリと動くことさえもできない。
王の御前で騎士としての誓願を立てる儀式を経て後、晴れて近衛騎士団への入団式も済ませたのが、つい三日前。
新入団者は、訓練の傍ら、まず上官付き小姓としての職務に就くのが慣例なのだと、聞かされたのがその翌日のことだ。
軍の上官が必要に応じて小姓を付けることは、今までいた部隊でもよくあることだったから、その時は別段なにも疑問に思わなかった。ただ、ここではそういう慣例があるのか、と軽く思っただけだった。
そして、その日のうちに俺を含む同期入団の新人騎士数名が、それぞれの付く上官に引き合わされた。
俺が引き合わされたのは、あろうことか近衛騎士団長――ようするに、近衛騎士団で最もエライおっさんだった。
騎士長も師団長もスッ飛ばして団長かい! と、咄嗟におののきはしたものの。
しかし、ここは持ち前のプラス思考で、これこそ出世の早道、他の有象無象にコビ売る手間が省けたじゃないか、ラッキーラッキー! と思い直した。考えてもみろ、組織の長たる者を味方につけることこそ、何よりも勝る出世の早道ではないか。
小姓としての任期内で、とにかく団長に気に入られさえすればいい。それ以外のことは……この近衛騎士団に入れたほどの実力が自分にはあるのだ、ある程度のことは自力でどうとでもできるだろう。
とことん団長に尽くして世話やいて信頼を得て誰よりも先に出世してやる! と決意も新たに心へ刻み込んだのが、つい昨日のこと。
だから何があろうと俺は、最低でも小姓を務める任期の間は絶対に、団長の意に副わぬことはしてはならないし、団長が喜ぶだろうことを率先してやらなければならないのだ。
だから……今ここで団長が望んでいることを、俺はやらなければならない。
何を団長が望んでいるのか、は……もう、わかりすぎるくらいにわかりきっているのだから―――。
「――ほら、どうしたアクス?」
そんな団長の声に促されるがまま、のろのろと俺は、手を前に伸ばした。
(これは出世のため、あくまでも出世のため……!)
言葉に出さず頭の中で何度も何度もそれを言い聞かせながら、やっとの思いで伸ばした自分の手の両方を、そのそそり立った強張りに添える。
(こんなの、別に大したことじゃない……きっと、どこかで誰もが当然のようにやってること……)
意を決して一つ深く大きく息を吐き出すと、自分の両手の内へ向けて、ゆっくり顔を近づけていった。
後から聞いたことだが―――。
近衛騎士団長の男色趣味は、団内では知らぬ者などいないほどに有名だったらしい。それも“真性”として。
声をひそめてそれを教えてくれたのは、同期入団した新人騎士の一人だった。
『真性……? それ、どういうことだ?』
『えーと、つまり……普通の軍隊にいる男ってのはほとんどが、手近に女がいないから、しょーがなく男に手を出すモンだろう? ――ま、そこは近衛も例外じゃないみたいだけどね。そのために若い新入団員をわざわざ上官の小姓に付けるくらいだし』
『何だって? じゃあ、なにか? 新米は上官の性欲処理の道具にでもなってろ、ってーことかつまりは?』
『そういうことなんだろうね』
『何てこったよ……』
実は、俺も入るまで知らなかったのだが、近衛騎士団には、在籍中の妻帯は不可、という絶対的な規則があった。
つまり、家庭を持つことが禁じられているのだ。結婚して妻を持つことは当然ながら、結婚を前提とした恋人を持つことも許されない。それこそ、子を生すなんてのも論外だ。
そもそも近衛騎士は王の親兵、有事の際は身を挺してでも主たる王をお護りしなければいけないのが使命である。いざという時の判断に迷いが生まれぬよう、王以外に護るべき人を持ってはならない、というのが、その真意であるらしい。
それゆえに、近衛騎士たちは王宮内の宿舎に住まうことを義務付けられ、性生活についても、ある程度の配慮はされているそうだ。多少の行き過ぎた部分があっても、見逃して貰えていることも多いという。
新人を上官の小姓として付ける、という慣習は、どうやらそういった背景から生まれたものだったようだ。
――単に、規則を生真面目に守ろうとする人間よりも、むしろ逆手にとって奔放に楽しんでやろうという人間の方が多い、っつー話だけどな。
イコールその比率は、そのまま平民出身者と貴族出身者の比率である。
まったく……甘やかされた貴族の坊っちゃん連中ばかりが集まってると、ロクなことしないよな。
『てーことは、じゃあ、オマエも? オマエも上官に、そういうことを強要されたのか?』
『僕は幸いにして、付いた上官がそういうの嫌いな人だったから。逆に気を遣ってもらえて、色々と教えてくれたよ、この騎士団内のこと。団長の話もね』
『うらやましい話だな。――つまり、だから団長も、あんなアタリマエのように俺に……』
『あ、違う違う、じゃなくて団長の場合、もともと男じゃないと勃たない、って部類の人間らしいんだよね。ハナっから女なんて要らないの。男のケツしか眼中にないの。それが“真性”ってこと』
『マジでか』
聞いた瞬間、ざあっと全身に怖気が走る。
しかも、そいつが更に教えてくれたことによると、あの団長の場合……、
『君みたいな、デカくてゴツくて、いかにも男! ってタイプの男に突っ込むのがダイスキらしいんだよね。女顔のナヨっちい美形なんて歯牙にもかけないそうだから、相当だよね。そういう、ガタイが良くて無駄にプライド高くて絶対に服従なんてしなさそうな男らしーい男をムリヤリ組み敷いて屈服させるのがタマラナイ、んだってさ』
『―――なんって変態すぎる……!』
『そうなんだよ、ホントーに悪趣味な変態なんだよねー君の付いた上官は。――てことを、もうちょっと早く君に教えといてあげられたら……こうはならなかった、の、かなぁ……?』
その言葉には、俺は苦笑をもってしか返せなかった。
「――何をもたもたしている、アクス! いい加減にしろ!」
焦れたように苛立たしげな口調で降ってくる、その言葉に鞭打たれても、もはや俺は微動だにさえ動けなかった。
そそり立った強張りをすぐ眼前にしながら、それに手を添えたままの姿勢で、そこから先へ、どうしても動けない。
あとちょっと顔を前に出して、あともうちょっと大きく口を開けて、――それからどうすればいいか、わかっているのに、どうしてもそれが出来ない。ただ小さく唇がわななくばかり。
「いいから、早く咥えるんだ!」
とうとうしびれを切らした団長が、俺の髪の毛をグッと掴み、自分の方へ引き寄せた。
ずっと半開きだった唇から、団長のそれが口内へ飛びこんできて、思わずぐほっと咽せてしまった。
だが団長は、俺の髪を掴んだまま離さず、さらにグイグイと自分の股間へ俺の頭部を押し付けてくる。それを更に俺の喉元深くまで押し込もうとする。
「ほら、舐めるんだ! 少しでも歯を立てたら承知せんぞ! 早くやるんだ!」
上官にやれと言われたら何があろうとやらなければならない。――そう考える殊勝な理性も少しは残っていたが。
しかし、“無理!”という本能的な拒絶反応の方が強かった。
言われて俺が動かしたのは、舌ではなく、顎だった。
もはや自衛本能の如く、咄嗟に俺は、歯を立てて力の限り上顎と下顎をガッと噛み合わせていたのだ。
要は、口の中のソレにあらん限りの力で噛み付いた、っていうことだ。
「ぎゃああああああああっっっ!!」
団長の絶叫でハッと我には返ってみたものの。まだ自分の仕出かしたことがよく理解できておらず、その場でしばし呆然としているしか出来なかった。
目の前の寝台の上、血まみれになった股間を押さえてのたうちまわっている団長の姿を、ただただ呆然と、何か不思議な生き物でも見るような視線で何となく眺めていた。
やがて、団長の叫び声を聞き付けたものか、ばたばたと複数の足音が近づいてき、部屋の扉がバタンと勢いよく開かれる。
「団長!? どうしました、団長!!」
「何があったのですか!!」
駆けつけた数人が寝台の上の団長へと駆け寄っていってもなお、俺は動くことが出来なかった。
そんな俺に下された処分が、左遷―――。
こうして俺は、早や三日にして、近衛騎士団から異動させられるハメとなった。
悪意あってのことでなかったとはいえ、組織の長である上官に傷を負わせてしまったのだ、遅まきながらも状況を把握できてから事の大きさに青ざめ、俺なりに反省もし、一時は除隊も覚悟した。
だが、それが除隊でなく異動で済んだのは、不幸中の幸い、とでも云えるだろうか。なんとか騎士資格剥奪も免れたし。
さすがに団長の悪癖は、近衛騎士団内では周知の事実、だったのだろう。あの時の状況を目の当たりにし、何があったからあのような事態になったのか、それがわからなかった者など居なかった。なぜなら、俺が事情を問い質されることさえ無かったのだから。――『幾ら何でもやりすぎだ』といった叱責なら存分にいただいたが。
それゆえの外聞を憚った温情措置、今回の処分は大方そんなところか。
何にせよ、このご時世に職を失うハメにまでならなかったのは有り難い限りだ。最低限、騎士資格者への俸給さえ絶たれなければ、とりあえず食いっぱぐれることはない。
――とはいえ、出世コースからは大きく道を外したけどな……。
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