涯(はて)の楽園

栗木 妙

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Ⅰ章.カンザリア要塞島 ─トゥーリ・アクス─

【1】_6

 
 
 
「あの……今のは一体、どういうことなんですか……?」
 総督が、その紙束を納めた画板を来た時のように背に負ったところで、ようやく我に返った俺は、そんな言葉を投げかけてみる。
 だが、その問いに答えは返ってこなかった。
「――さて、トゥーリ・アクス」
 代わりに返ってきたのは、改まったように俺の名を呼んだ、総督の固い声。
 総督にしては珍しく、正面きって俺と向き合うように立つと、おもむろにスラリと腰に帯びていた細剣を引き抜く。
 そのまま流れるように優雅な動作で、それを俺の肩の上へと当てた。鋭い刃を首筋にピタリと添えるようにして。
「残念ながら、貴様には、ここで死んでもらわなければならないな」
「はい……?」
 言われたことは分かったが、かといって、突然そんなことを言われなくてはならない意味が分からない。
「えーと……とりあえず理由を聞いてもいいですか?」
「断る、と言ったら?」
「じゃあ、まだ死んでさしあげるわけにはいきませんね。理由もなく殺されるのはゴメンです。――それに……総督じゃ、俺は殺せないと思う」
「なんだと? なぜ、そう思うんだ?」
「そりゃあ、俺の方が強いから」
 あ、やべぇ、端折って言い過ぎた! ――と思った時には、既に遅し。
 俺の言葉を聞くや、ひくっとハッキリ片側だけ引き攣らせた総督の表情は、明らかに“自分が侮辱された”という憤りによるものだろう。
「――言ったな、アクス」
 普段よりもワントーン低い声が聞こえてきたなー…と思った途端、すかさず俺の肩に総督の手袋が飛んできた。――えええー、正式に宣戦布告ー!?
「どちらが強いか、今ここでハッキリさせてやろう! そのデカイ口を後悔するがいい!」
 カシャリと小さく鍔が鳴る音が、当てられた剣から肩越しに伝わる。
 と同時、間髪入れずに振り下ろされた刃を、咄嗟に俺も自分の剣で受け止めていた。
「いや、別に、今のは決して総督の力量を侮ったワケではなくてですね……!」
「問答無用! 言いたいことがあるのなら、己の剣で問え!」
 そして矢継ぎ早に繰り出される攻撃は、こちらに反撃の暇さえ与えぬ速さ。
 ――確かに……ここまで出来れば、武術大会で優勝だってするわな。
 それをことごとく防ぎながら、それでいてどこまでも冷静な頭が、そんなことを考える。
 聞いた時は、また尾ひれハヒレの付いた噂だろう、という疑いも消えなかったが……この腕前があれば、それも真実だと頷けるような気もする。
 ――けど、まだまだ……!
 振り下ろされてきた剣を受け止めたと同時、おもむろに俺は足を振り上げると、まさに不意打ちのごとく、総督の手首を大きく真上へ蹴り飛ばした。もちろん剣を握っている方の手を、だ。
「なっ……!!?」
 そこでガラ空きになった懐を見逃すような俺ではない。
 素早く剣先を翻し、一切の躊躇なく、首元へと刃を叩き付けた。その細い首筋に浮かんだ頸動脈に白刃が食い込む――寸前、ぴたりと俺は剣を止める。その隙間は、まさに首の皮一枚分。
「だから『俺は殺せない』って言ったんですよ。――こうやって、逆に殺されるハメになるんだから」
「貴様、卑怯な真似をっっ……!」
「卑怯? ――なーに言っちゃってるんですか。殺し殺される命のやりとりの場に、卑怯も何もないでしょう。どんなことをしても、生き残った者が勝ちなんです。ここは試合会場じゃないんですからね」
 俺の言葉で、グッと総督が息を飲む。まさに言葉に詰まったような風に。
「総督が王都の武術大会で優勝したことがある、って話は聞きましたよ。こうして実際に剣を交えてみて、アンタの腕もよくわかりました。だけど、――それがどうした?」
「なにっ……?」
「型どおりのお綺麗な道楽剣術と、俺たち軍人の実践剣術を、一緒くたにしてもらっても困るんですよね。――つか、王都の武術大会なんて、ちょっと腕に覚えのある貴族の坊っちゃん連中しか出場してないんだろ? そこの一番になったところで、所詮お山の大将だ。戦場を駆けずり回って生きるか死ぬかの瀬戸際で腕を磨く軍人とは、そもそも土俵が違うんだよ。軍人にケンカ売るんなら、まずそれに気付けよなアホンダラ」
「――――!!」
 その言葉を聞きながら総督が、憎々しげに俺を睨み付け、今しも噛付かんとばかりにぎりぎりと歯を食いしばる。自分が得意とする剣でこんなにも容易く捩じ伏せられてしまった、ということが、ただでさえ屈辱で堪らないだろうに、こう紙一重の位置で刃を突き付けられてしまえば迂闊に動くことも儘ならない。それがまた屈辱に拍車をかけているに違いない。
 目の当たりにそれを見下ろしながら……吐き出す自分の言葉が徐々に敬語を忘れ、普段のぞんざいな口調になり変わっていくことにさえ、俺は全く気付かずにいた。
 ただただ、その強い眼差しに魅入られる。
 美しい。――なんとなく、そう思ってしまった。
 乱暴にも過ぎる俺の言葉でプライドを逆撫でされるたび、宿す光をいや増してゆく二つの瞳。宝玉のようなそれに酔わされるようだ。惹き付けられてならない。
「経験も覚悟も無いクセに、自信だけで大口叩かれても説得力ってモンが無いんだよ。デカい口を後悔するのは、はたして、どっちだろうな……?」
 それを、ただもっと見ていたい、もっともっと輝かせてみたい。――それだけのために、俺の口は言葉を紡ぐ。


「――言わせておけば……!」


 やおら総督が、その固く引き結ばれた唇を緩め、その言葉を呟くように吐き捨てた。
 だが、それも一瞬のこと、すぐに次の句が告げられる。いかにも普段どおりの総督らしい、どこまでも自信満々で偉そうな口調に戻って。
「貴様の言葉、そっくりそのまま返してやろう。――貴様に私は殺せない」
「なに……?」
 思いもよらぬ舌鋒での反撃に、まるで不意討ちを食らった時のように、しばし俺は面食らった。
 ――何を言いたいんだ、この人は……?
 形勢は圧倒的に俺が有利だ。手首を蹴り飛ばされた際、それでも握った剣を離さなかったところは褒めてやってもいいとは思うが、とはいえ今のこの体勢からそれを覆そうとするには無理がある。
 この期に及んでなお虚勢を張る気か? と思いきや、そうでもなく。
 総督は、未だ手に握っていた自分の剣を、おもむろに取り落としてみせたのだ。
「殺すなら殺せ」
「なにを……」
「ただ、その前に、いま自分がどこに居るのか、この私が誰であるのかを、よくよく思い返してみるがいい」
 ――俺が居るここは、カンザリア要塞島。
 ――目の前に居るこの人は、カンザリア総督レイノルド・サイラーク閣下。
 ――それが何だ?
「私を殺せば、貴様は一生、この島から出られない。――それが分からぬ貴様ではあるまい」
 ――そんなの当然だ。
 ここで総督を殺したところで、俺に一分の利すら無いのだから。
 よしんば、殺されるはずだった俺の命が助かったところで……仮にも要塞の敷地内で、そのトップである総督を殺したとあらば、間違いなく極刑に処せられる。情状酌量をいただけたところで、檻の中で一生を終えるハメとなるのは免れない。たとえ上手いこと逃げおおせたとしても、追捕の手がかかるのは必定。そうなれば、もう軍には戻れない。せっかく得た騎士資格の剥奪も目に見えている。
 ここで総督の言っているのは、そういうことだ。
 自分のこれからの人生を、今ここで総督の命と引き換えにする覚悟はあるのか、と―――。
「それを分かっていてなお私を殺すと云うのなら、好きにしろ。この首は、よい手土産となろう」
「…ま、そらそーでしょーね」
 応えて俺は、苦笑を洩らしつつ素直に剣を引いた。
「でも残念ながら、手土産を持って帰る約束なんざありませんので。せっかくのお申し出ではありますが、遠慮させていただきます」
 軽口で返しながら、手の剣を鞘に納める。
「――いやにアッサリと引くのだな……」
 その言葉と口調には、俺に対してまだ警戒を解けずにいる総督の様子がうかがえた。
「最初から、俺には総督を殺す気なんてありませんよ」
「あれだけ好き勝手なことを言っておきながら、か……?」
「口が悪いのは、なにせ育ちがアレなもので、そこはご容赦いただきたいんですが。――てゆーか、言ったでしょ? たとえ相手が総督であろうと誰であろうと、理由もなく殺されるのはゴメンですからね。火の粉が降りかかってくれば、そりゃ払いますよ当然」
「その割には、ずいぶん挑発してくれたものだ」
「そこもすみません、性分なんで」
 売られたケンカは売り付け返すのが普通でしょ? などと、悪びれもしない物言いに呆れて毒気を抜かれたものか、フンと小さく鼻を鳴らした総督は、そこでようやく見据えていた俺から視線を外し、地面に落とした自分の剣を拾い上げた。それを鞘に納めながら言う。
「私だって……本気で貴様を殺そうとしたわけじゃない」
 あんだけやっておいて、どの口でそれを言うか。――とは言わないでおく。俺だってさすがに空気くらい読める。
「貴様の出方次第では殺すこともやむなし、と考えていただけだ」
「なら、俺は味方につけておく方がお得だと思いますけどね」
「…大した自信だな」
「経験と実力に裏打ちされた確かな自信です」
「――もういい、付き合いきれん」
 そして、おもむろにヒトコト「帰るぞ」と告げると、そこで踵を返した。
 そのまま繋いである馬のもとへと向かう歩みを引き止めるかのように、「総督!」と、その背中へ俺は呼びかける。
「今度は何だ」
 面倒くさそうに振り返った総督の視線を真っ直ぐに捉えて。
 どこまでも真剣に、俺は告げた。


「俺は、あなたの力になりたい――あなたの信頼を得たいんです」


 その瞳が瞠られる。さも意外な言葉を聞いたとでもいうかのように。
「さすがに殺されてさしあげることはできませんが、ちゃんとお仕えしたいとは思っています。俺にだって軍人としての誇りくらいありますから。どんなものであれ、任された職務は全うしたい。総督のために死ぬのではなく、総督のために生きる、そう在ることで、あなたの助けになりたいんです」
「…………」
「そのためにも、あなたと信頼関係を築きたい。だからこそ俺は、総督にとっての絶対の味方でいます。いつでも、どんな時も。――それだけは憶えておいてください」


 どこまでも“なんとなく”でしかないとはいえ……俺はこの人から目が離せない。この人の助けとなりたい。
 それは、偽らざる本心だ。
 ならば、自分のその心に従ってみようと思った。
 その時から、もう意志は固まっている。
 心から誠心誠意、総督に仕えてみよう。そうすれば、今は不可解なこの想いにも、いずれ名前を付けられるかもしれない―――。


 総督は、振り返ったそのままの姿勢で身動ぎすることもなく、瞠った瞳もそのままに、ただ黙って俺の言葉を聞いていた。
 けれども、何も言ってはくれなかった。
 まあそれも仕方ないか…とは思う。なにせ今しがた殺し合いをしかけた相手にそんなことを言われても、にわかには信じ難いだろう。
 だから今は仕方ない。聞いてくれた、それだけで良しとしよう。
「ま、とりあえず当面の間は、小姓として便利に使ってやってくださいよ。せっかくですから」
 軽口めいて言いながら、俺も総督のもとへ歩き出した。
「こう見えて、俺はよく気の付く男ですよ。護衛としてだけじゃなく、側に置いておいても使えると思いますけどねー?」
 そうやって傍らに立った俺を、まるで睨めつけるかのような視線で総督が見上げてくる。
「そうだな……どこまでも有能な男だよ、貴様は」
 そして呟く。どこまでも嫌そう~な表情と口ぶりでもって。
「甚だ不本意だが、それは認めてやってもいい」
 言い捨てるや、フンと顔を背けたかと思うと、そのまま一人でズンズン先に歩き出してしまった。髪の隙間からのぞく耳がほんのり赤かったのは、きっと気の所為ではないだろう。
 その後ろ姿を見送った俺の口許が、じわじわと緩んでくる。――なんだろーな、この可愛さったら。
「総督……そんな照れなくても、もっと素直に褒めてくれればいいのに……」
「照れてなどないっっ!! それに、貴様なぞ褒めてもないっっ!!」
「またまた、そんなこと言ってー……」
「うるさい!! 無駄口を叩いていないで、さっさと帰る支度をしろ!!」
「はいはい、わかってます」
 ――まあ、いいか。とりあえず今は、こんなところで。
 ようやく着任四日目にして、本来の始発点に立てそうだ。俺の胃の具合も、明日からはマシになってくれることを願おう。
 ここから総督のペースに合わせて、ぼちぼち進んでいければいい。
 せっかく得られたコミュニケーションの糸口だ、ここぞとばかりに有効活用してやろうじゃないか。
 ――そう、まずは手始めに……、


「あ、そうそう総督。――どうして総督じゃ俺は殺せないのか、その具体的な理由、聞きたいですか?」
「なんだと……?」
 言った途端、まさに全身から立ち上らせるかのような勢いで怒気をあらわにした総督が、ゆっくりとこちらを振り返った。
「貴様……やはり殺されたいようだな……」
「いえいえ、そんな滅相も無い」
「ふざけるな!! だいたい、あんな反則技しか出来ぬ貴様ごときに、この私が後れをとるはずもないだろうっ!! さきほどは咄嗟のことでしてやられたが、試合でなら絶対に負けん!!」
「じゃあ今度は反則抜きで、正々堂々ルールに則った試合形式の勝負しましょうか。理由はそこで教えてさしあげますよ。――ただし、俺に勝てればね」
「望むところだ! 私を侮辱したこと、一生の後悔とさせてやる!」
「それなら、せっかくですから兵舎の訓練場を借りましょうか。ちょうど午後は訓練の時間ですし、第三者の目があれば、より公平になるでしょ? そこらへんにいる誰かを審判に立てて、あとルールは……」


 ――という具合で総督を訓練の場へとお連れすることに成功した俺は。
 当然のことながら、伍長から分け前をガッポリふんだくったことは、言うまでもないだろう。







 後になってから思い返す。
 戦いの最中さなかで覗いた、自身の内に潜む狂気の片鱗を―――。


 何故あんなことをしたのか、自分でもよくわからない。
 しかし、ただこれだけは言える。
 あの時の俺は、総督を傷付けることに昏い喜びを感じていたのだ。
 狂った俺の目に映った総督は――怒りに燃えるその姿は、どこまでも凄絶なまでに美しかったから。


 ――それこそ、殺してしまいたくなるほどに。



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