異世界に転生した俺は元の世界に帰りたい……て思ってたけど気が付いたら世界最強になってました

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第一章 冒険者活動始めました

第四十話 教育は大事?

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「はぁっ」

「キキャア…」

 目の前にいた森猿フォレストモンキー三匹が首を切られて息絶えた。

「ふぅ…もう夕方だし街に戻らないとな」

 木の上にいた森猿フォレストモンキーを倒すついでに木の上から空を見てみると、日が少し沈みかけていた。宿を探す時間を考慮すると早めに帰った方がいいだろう。
 俺は木から降りると素早く森猿フォレストモンキーからしっぽと魔石を取り出し、死骸を燃やし、埋めると、〈身体強化〉と〈風強化ブースト〉を使って猛スピードで帰った。走ってる途中で「きゃあ」とか「うわっ」といった感じの悲鳴が聞こえたが、気のせいだろう……たぶん







「よし、ついた…」

 慣れない場所のせいか、途中迷ってしまうこともあったが、無事街に戻ることが出来た。
 俺はそのまま門で冒険者カードを見せて街に入った。そして、冒険者ギルドに行く為に昼よりも冒険者が多いことによって混んでいる道を細身な体をいかして進んでいった。




 冒険者ギルドに入った俺は受付の方へ向かった。依頼を終えた冒険者によって、冒険者ギルドの中は溢れていた。
 すると、冒険者ギルドにある酒場から歩いてきた男五人の集団に「邪魔だ!」と言われ、そのうちの一人が俺のすねを蹴ろうとした。ただ、思いのほか遅かったので、俺はそれを軽く足を横にずらすことでかわすと、相手の足に俺の足を引っかけて転ばした。男は地面に手をついて倒れ込んだ。

 はたから見ればどう考えても自業自得なのだが、そもそもじゃまという理由で他人の足を蹴ってくるやつが自業自得だと考えるわけもない。男は素早く立ち上がると俺を睨みつけた。

「おい…いきなりなにしやがんだよ…」

 と俺が言われたくない言葉ランキング二位の言葉をかなりの怒気をまとって言ってきた。今までに絡んできたやつらは「お前」や「新人」と言ってきたのだが…こいつはどうやら超えてはいけない線を軽々と越えてきやがった。あ、バンさんば別だよ。あの人も俺のことをガキと言ってきたがあれは許せる言い方だからセーフだ。

 心の中で怒っていると、そこにいっしょにいた男四人が割り込んできた。

(お、もしかして助けてくれるのか?)

 と、思ったのも束の間、その四人も哀れな人を見るような目で俺のことを見てきた。そして、

「おいおいダメじゃないか。先輩の教育すねを蹴るを受けないだなんて…それだけでもひどいのに先輩を足で引っかけて転ばすなんて…これはお仕置きが必要だよねぇ」

「哀れなだねぇ…」

 と、煽るような口調で理解不能な理論を語りだした。
 俺は素直に思った。「こいつらの頭どうなっているんだ?」と…

「流石に蹴るのは教育ではないと思いますよ」

 と、常識のことを言ってみたのだが、案の定こいつらに常識というものは通用しなかった。

「はぁ…分かってないな~人の邪魔になっている君をどかしてあげようとすることの何が教育じゃないというのかね?」

「だったらせめて『邪魔だ!』の一言でよかったと思いますけど…」

「やれやれ分からずやだな」

「これは分からせてあげないと駄目ですねぇ…」

 めちゃくちゃな理論を押し通した男は、俺の腕を雑につかんで外に連れ出そうとした。

(潰すか?いや、ここは人が多いから相手の人数的にも他の人を巻き込んでしまう可能性が高いな…)

 そう思った俺はあえて連れていかれることにした。
 連れていかれる俺を近くで見ていた人たちは戦争に行く我が子を見送る母親のような顔をしていた。




 結局俺は近くの路地裏に連れてこられた。

「さあて…教育リンチの時間だな」

 と、凶悪な笑みを五人は浮かべていた。

「ふふふ…教育リンチの時間だねぇ…」

 俺も五人に負けないぐらい凶悪な笑みを浮かべながら五人のことを見た。念の為こいつらを〈鑑定〉したが、LV.20後半くらいだったので教育リンチは十分実行出来る」

「へっこいつ頭がおかしくなってますよ」

「じゃあリン…じゃなくて教育リンチして直さないといけないねぇ…」

 五人は俺の周りを囲んでじりじりと詰め寄ってくる。
 俺はこいつらの言う教育リンチをする為に〈身体強化〉を使うと、取りあえず後ろにいる三人を意識を失わないギリギリの威力で腹パンした。
 三人はうずくまりながら身悶えていた。まあ。滅茶苦茶な理論を押し通された詫びだ。反省も後悔も全くしていない。むしろさっきまでの我慢を一気に放出したので実に清々しかった。

「なるほど…これが教育リンチかぁ~こうすれば頭がおかしいのも治るんでしたよね?」

 俺は凶悪な笑みを浮かべながら教育の所を強調して聞いてみた。

「え…な…へ?」

「う…へ?」

 残りの男二人は何が起きたのか分からない顔をしており、めちゃくちゃ混乱していた。

「じゃ、あなた方にも教育リンチをして直して差し上げましょう」

 俺はそう言うとゆっくりと男二人に近づいた。
 男二人は恐怖で後ずさる。その顔はさっきまで調子に乗っていたやつとは思えない。

「い、いや…ゆ、許して…」

「た、頼む…何でもするから…」

「…分かった。じゃあお前らも倒れるといいねっ」

 俺はその言葉と共に残り二人も意識を失わないギリギリの威力で腹パンして跪かせた。
 そして、男たちを横一列に並べた。

「で…だ。この中で俺の教育リンチに文句のあるやつはいるか?」

 と、睨むつけながら言った。
 痛みで跪く男たち、それを見下ろす俺。はたから見ればヤクザの説教にしか見えない。
 男たちは頭を横にぶんぶんと振った。男たちの顔は絶望と恐怖で青ざめており、がくがくと震えていた。

「で、俺を襲った件はこれで落とし前はつけた。だからこの件に関してはこれ以上俺からとやかく言うことはない」

 その言葉に男たちは安堵の表情をした。だが、その次の言葉に再び震えだす。

「だがな…俺に対してガキと言ったやつは正直に出てこい。これはまた別だからな」

 俺はそのことはまだ許していない。というかぶっちゃけ襲われたことよりも罪が重いと思っている。
 それくらいに俺からしたらNGワードなのだ。前の世界でも桜井にチビ、ガキなどと言われた時は家でゲームをする時に名前を桜井にしたCPUを気が済むまでハメ技でボコボコにしていたくらいなのだ。

 ただ、俺が出てこいと言ったにもかかわらず誰も出てこない。あ、安心してくれ。ガキと言った二名様はちゃんと記憶してある。だからこの落とし前も絶対つける……

「はぁ…まさか名乗りを上げないなんてな…あ、安心してくれちゃあんと俺は覚えておいたから」

 俺はニコッと笑いながら近づいた。こいつらのうち二人がびくっと震えた。

「え~と…お前と…あ、あとお前だったな」

 俺は二人の頭をわしづかみにすると、目の前に引っ張り出した。

「さあて…自首しなかったんだから罰は重いよ…じゃ、一つ言っておこう。俺は十八歳だ。ガキじゃねぇぞ。分かったか?」

 俺は殺気を出しつつ淡々と説教をした。

「じゃ、俺にガキと言ったこと。後悔しながら残りの人生を謳歌するといい」

 その後、路地裏に男二人の悲鳴が鳴り響いた。だが、道は人通りが激しく混んでいるせいで、かなりにぎやかだ。その為、その声が他の人に届くことはなかった……
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