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第三章 エルフの里
第十六話 シャオニンの過去
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僕は、カルダント帝国の辺境の村で、農家の子として生まれた。お父さんが、元Aランク冒険者だった影響で、僕は小さい頃から、お父さんに剣術を教わっていた。
そんな僕は七歳の時に、人生を大きく左右させる出来事が起きた。
あの日、ぼくの村に帝国の騎士団が入ってきた。何やら強い魔物の討伐を終えて疲れているから、ここで一晩休みたいと言っていた。まあ、僕は挨拶している彼らを尻目に、ずっと剣を振っていた。
すると、そこに当時の騎士団長が来て、こう言ったんだ。
「君、いい筋だね。ちょっとおじさんと戦ってみないか?」
僕はその言葉に応じて、戦った。当然負けたんだけど、あのお手本のような剣技をこの身で味わうことが出来て、とても楽しかった。その後、僕は何度もあの人と戦った。すると、あの人――いや、師匠はこう提案してきたんだ。
「君には恐ろしいほどの素質がある。本気で剣術を学ぶ気があるのなら、私の紹介で帝国立学園に入れてあげるよ」
その提案に、僕は乗った。両親も、僕が帝国騎士団長の紹介で学園に入れると聞くと、反対はしなかった。僕がここから出てしまうことは寂しいと言っていた。だが、それ以上に成長が楽しみと言ってくれた。
その後、入学の許可が下りた僕は、学園に入学した。
そして、そこで六年間剣術を鍛えた後、卒業した。
その後は二年間の騎士見習いを経て、十五歳の時に、師匠と同じ帝国騎士団に入ることが出来た。
僕が平民なのに、優秀すぎたせいで、貴族の子息からはよく陰湿な嫌がらせを受けていた。まあ、〈剣術〉のスキルを持ってないのに、剣の技量がトップクラスだったら、嫉妬されてもしょーがないよね。
まあ、僕はそんな陰湿な嫌がらせをスルーしながら、剣術を磨き続けた
その結果ニ十歳の若さで帝国騎士副団長に任命されたんだ。
だが、僕が副団長になったということは、副団長の座を下ろされたやつがいるということになる。
そいつには結構恨まれたなぁ~
五十代になっても、現役で団長をやっている師匠が目を光らせてくれていたお陰で、特に事件は起きなかった。
だけどあの日、僕が二十三歳の時に師匠が病気で死んじゃったことで、事件が起こる。
僕は師匠が死んだことで、歴代最年少の騎士団長になった。因みに副団長は、一度僕に副団長の座を奪われたあいつだ。
僕は団長になっても、変わらず剣術を楽しんだ。
だけど、あいつはどうやら僕を殺したら団長になれると思ったらしい。
まあ、あいつごときが僕を倒せるわけがない。そう思ってたんだけど、あいつは根回しをしまくって、僕を罪人にして、帝国から追放したんだ。まあ、やり方は違えど、実質僕を殺したようなものなんだよね。
それにしても、あの裁判は心にきたなぁ……
皇帝には馬事雑言を浴びせられ、あいつには笑われ、貴族どもは僕のことを平民だと馬鹿にしていた。
流石にイラついた僕は、あの後城の宝物庫に侵入して、古代遺物をねこぞぎ奪ってやった。
でまあ、何だかんだあって、僕は神の涙の幹部になってたってわけだ。
ん? 何だかんだの部分を知りたいって?
でもその辺は説明するまでもないからなぁ……
普通に組織の勧誘に乗って、普通に出世しただけだしね。あ、でも何でこの組織に入ったことぐらいは教えてあげるよ。それは、帝国からの「古代遺物を返せー!」の追跡から逃れる為――と言うのは表向きの理由。本当の目的は、帝国の上層部をきれいさっぱりお掃除することだよ。まあ、それを早く成し遂げる為に、手段を選ばなくなってしまったのは反省かな?
僕に来世があるのなら、人とのつながりを大切にして生きたい。
====================
作者からのお知らせ
予定より少し早いですが、もう一つ新作を投稿しました。個人的には、その作品が一番いいと思っています。
下のフリースペースに、URLを貼ったので、そちらからどうぞ。
そんな僕は七歳の時に、人生を大きく左右させる出来事が起きた。
あの日、ぼくの村に帝国の騎士団が入ってきた。何やら強い魔物の討伐を終えて疲れているから、ここで一晩休みたいと言っていた。まあ、僕は挨拶している彼らを尻目に、ずっと剣を振っていた。
すると、そこに当時の騎士団長が来て、こう言ったんだ。
「君、いい筋だね。ちょっとおじさんと戦ってみないか?」
僕はその言葉に応じて、戦った。当然負けたんだけど、あのお手本のような剣技をこの身で味わうことが出来て、とても楽しかった。その後、僕は何度もあの人と戦った。すると、あの人――いや、師匠はこう提案してきたんだ。
「君には恐ろしいほどの素質がある。本気で剣術を学ぶ気があるのなら、私の紹介で帝国立学園に入れてあげるよ」
その提案に、僕は乗った。両親も、僕が帝国騎士団長の紹介で学園に入れると聞くと、反対はしなかった。僕がここから出てしまうことは寂しいと言っていた。だが、それ以上に成長が楽しみと言ってくれた。
その後、入学の許可が下りた僕は、学園に入学した。
そして、そこで六年間剣術を鍛えた後、卒業した。
その後は二年間の騎士見習いを経て、十五歳の時に、師匠と同じ帝国騎士団に入ることが出来た。
僕が平民なのに、優秀すぎたせいで、貴族の子息からはよく陰湿な嫌がらせを受けていた。まあ、〈剣術〉のスキルを持ってないのに、剣の技量がトップクラスだったら、嫉妬されてもしょーがないよね。
まあ、僕はそんな陰湿な嫌がらせをスルーしながら、剣術を磨き続けた
その結果ニ十歳の若さで帝国騎士副団長に任命されたんだ。
だが、僕が副団長になったということは、副団長の座を下ろされたやつがいるということになる。
そいつには結構恨まれたなぁ~
五十代になっても、現役で団長をやっている師匠が目を光らせてくれていたお陰で、特に事件は起きなかった。
だけどあの日、僕が二十三歳の時に師匠が病気で死んじゃったことで、事件が起こる。
僕は師匠が死んだことで、歴代最年少の騎士団長になった。因みに副団長は、一度僕に副団長の座を奪われたあいつだ。
僕は団長になっても、変わらず剣術を楽しんだ。
だけど、あいつはどうやら僕を殺したら団長になれると思ったらしい。
まあ、あいつごときが僕を倒せるわけがない。そう思ってたんだけど、あいつは根回しをしまくって、僕を罪人にして、帝国から追放したんだ。まあ、やり方は違えど、実質僕を殺したようなものなんだよね。
それにしても、あの裁判は心にきたなぁ……
皇帝には馬事雑言を浴びせられ、あいつには笑われ、貴族どもは僕のことを平民だと馬鹿にしていた。
流石にイラついた僕は、あの後城の宝物庫に侵入して、古代遺物をねこぞぎ奪ってやった。
でまあ、何だかんだあって、僕は神の涙の幹部になってたってわけだ。
ん? 何だかんだの部分を知りたいって?
でもその辺は説明するまでもないからなぁ……
普通に組織の勧誘に乗って、普通に出世しただけだしね。あ、でも何でこの組織に入ったことぐらいは教えてあげるよ。それは、帝国からの「古代遺物を返せー!」の追跡から逃れる為――と言うのは表向きの理由。本当の目的は、帝国の上層部をきれいさっぱりお掃除することだよ。まあ、それを早く成し遂げる為に、手段を選ばなくなってしまったのは反省かな?
僕に来世があるのなら、人とのつながりを大切にして生きたい。
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予定より少し早いですが、もう一つ新作を投稿しました。個人的には、その作品が一番いいと思っています。
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