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第四章 勇者パーティー
第七話 妻の尻に敷かれる国王
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「はっはっは。驚いたか」
国王は楽しそうに笑いながらそう言った。
「驚くも何も、国のトップが騎士になって、俺のことを観察するなんて……すげぇな……」
俺はこの国で一番偉い人の前で素に戻るぐらい驚いていた。
「それで、本題は何でしょうか? 流石に俺を驚かす為だけにここに呼んだわけではありませんよね?」
俺は口調を改めると、国王にそう言った。
「そうだな。流石にこんなことで勇者パーティー候補を呼び出したら、妻に絞められる。
「つ、妻に……」
「ああ。ここだけの話、私の妻はかなり怒りっぽくてな。あれだけ怒ったらしわが増え――」
ガチャ
国王が失礼なことを言いかけた瞬間、扉が開き、ドレスを着た美しい女性が入って来た。
「陛下。何をおっしゃっているのかしら?」
女性は額に青筋を浮かべながら、そう言った。
「ヴィクトリア……こ、これはただ心配しているだけだ。君の美貌を守る為にも、怒らないで欲しいなーって言っただけで……」
国王は真っ青になりながら、そう言った。
「それについては後でじっくりとお話ししましょう今は客人の相手をしてくださいませ」
女性――ヴィクトリア様は怒りのこもった笑みを浮かべると、そう言った。
すると、今度は俺の方を向いた。
「陛下がこんなのでごめんなさいね。私の名前はヴィクトリア・フォン・ハラン。王妃ですわ」
ヴィクトリア様は優雅に挨拶をした。
「は、はい。コンニチハ。ヴィクトリア様」
俺は国王を相手にする時よりも緊張しながら挨拶をした。
「ふふっ いい子ね。さあ、陛下。本題を言いなさい」
「は、はい。分かりました」
国王はビクッと体を震わせると、そう言った。
今の会話を見て、俺は察した。
国王は妻の尻に敷かれているのだと……
そんなことを思ってると、国王が口を開いた。
「私がユート殿をここへ呼んだのは、攫われたハイエルフを救出してくれたことに感謝したかったからだ。わが国は公にはなっていないものの、エルフの里と繋がりがある。そんな中起きたこの事件は、我が国の威信にかけても、絶対に解決しないといけない事件だったんだ。それを見事に解決してくれたそなたには、感謝してもしきれないんだ」
国王はそう言うと、頭を下げた、それに合わせてヴィクトリア様や、ドレスト様も頭を下げた。
「あ、頭を上げてください。俺みたいな平民には恐れ多いので」
国王、王妃、宰相という国の中でもトップクラスで偉い人に頭を下げられたことに、俺はめちゃくちゃ慌てていた。
「何かをしてもらったら感謝をする。それは当たり前のことだ。さて、何か望むものはあるか? そなたは既に準男爵なのだから、これなら男爵まで上げられるぞ」
「……いえ、爵位はいらないです。俺は多少のお金をいただければそれで充分です」
俺は少し考える素振りをしてから、そう言った。てか、何気に俺って準男爵なんだよな。普通に忘れていたよ。
「無欲だな。私が好むタイプの人だ。ドレスト、報酬金を」
「かしこまりました」
ドレストさんは頭を下げると、ソファの後ろから大きめの革袋を引っ張りだしてきた。
「この中には金貨が五百枚、つまり五千万セル入っている」
「……え!?」
報酬金の桁が違いすぎることに、俺は驚愕した。何だこれは? 多すぎるだろ……
「ん? 足りないか?」
金額の高さにかたまっている俺に、国王はそう言った。
「いえ、予想よりも遥かに多かったので、驚いていただけです」
俺は頭を下げると、革袋を〈アイテムボックス〉に入れた。
「これで話は以上だ。五日後の試験でまた会おう」
「分かりました」
俺達は頭を下げると、騎士の後に続いて部屋の外に出た。
カイン(国王)視点
「彼は強いか?」
私は横にいる騎士団長にそう聞いた。
「そうですね……少なくとも私よりは強そうですね。彼から発せられる気配は私が子供に見えてしまうぐらいですからね」
「そうか……」
私はため息をついた。〈鑑定〉ではユートのステータスを見ることは出来なかった。その為、正確な強さを測ることは出来ない。
「まあ、悪い人では無さそうだからな」
彼は優しい人だ。見知らぬ誰かを助ける為に命の危険を冒せるような人だ。
「試験がた楽しみだ」
私はそう呟いた。
「あなた。私の部屋に来てはいただけませんか?」
「……はい」
ヤバイ。死にそう……
====================
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国王は楽しそうに笑いながらそう言った。
「驚くも何も、国のトップが騎士になって、俺のことを観察するなんて……すげぇな……」
俺はこの国で一番偉い人の前で素に戻るぐらい驚いていた。
「それで、本題は何でしょうか? 流石に俺を驚かす為だけにここに呼んだわけではありませんよね?」
俺は口調を改めると、国王にそう言った。
「そうだな。流石にこんなことで勇者パーティー候補を呼び出したら、妻に絞められる。
「つ、妻に……」
「ああ。ここだけの話、私の妻はかなり怒りっぽくてな。あれだけ怒ったらしわが増え――」
ガチャ
国王が失礼なことを言いかけた瞬間、扉が開き、ドレスを着た美しい女性が入って来た。
「陛下。何をおっしゃっているのかしら?」
女性は額に青筋を浮かべながら、そう言った。
「ヴィクトリア……こ、これはただ心配しているだけだ。君の美貌を守る為にも、怒らないで欲しいなーって言っただけで……」
国王は真っ青になりながら、そう言った。
「それについては後でじっくりとお話ししましょう今は客人の相手をしてくださいませ」
女性――ヴィクトリア様は怒りのこもった笑みを浮かべると、そう言った。
すると、今度は俺の方を向いた。
「陛下がこんなのでごめんなさいね。私の名前はヴィクトリア・フォン・ハラン。王妃ですわ」
ヴィクトリア様は優雅に挨拶をした。
「は、はい。コンニチハ。ヴィクトリア様」
俺は国王を相手にする時よりも緊張しながら挨拶をした。
「ふふっ いい子ね。さあ、陛下。本題を言いなさい」
「は、はい。分かりました」
国王はビクッと体を震わせると、そう言った。
今の会話を見て、俺は察した。
国王は妻の尻に敷かれているのだと……
そんなことを思ってると、国王が口を開いた。
「私がユート殿をここへ呼んだのは、攫われたハイエルフを救出してくれたことに感謝したかったからだ。わが国は公にはなっていないものの、エルフの里と繋がりがある。そんな中起きたこの事件は、我が国の威信にかけても、絶対に解決しないといけない事件だったんだ。それを見事に解決してくれたそなたには、感謝してもしきれないんだ」
国王はそう言うと、頭を下げた、それに合わせてヴィクトリア様や、ドレスト様も頭を下げた。
「あ、頭を上げてください。俺みたいな平民には恐れ多いので」
国王、王妃、宰相という国の中でもトップクラスで偉い人に頭を下げられたことに、俺はめちゃくちゃ慌てていた。
「何かをしてもらったら感謝をする。それは当たり前のことだ。さて、何か望むものはあるか? そなたは既に準男爵なのだから、これなら男爵まで上げられるぞ」
「……いえ、爵位はいらないです。俺は多少のお金をいただければそれで充分です」
俺は少し考える素振りをしてから、そう言った。てか、何気に俺って準男爵なんだよな。普通に忘れていたよ。
「無欲だな。私が好むタイプの人だ。ドレスト、報酬金を」
「かしこまりました」
ドレストさんは頭を下げると、ソファの後ろから大きめの革袋を引っ張りだしてきた。
「この中には金貨が五百枚、つまり五千万セル入っている」
「……え!?」
報酬金の桁が違いすぎることに、俺は驚愕した。何だこれは? 多すぎるだろ……
「ん? 足りないか?」
金額の高さにかたまっている俺に、国王はそう言った。
「いえ、予想よりも遥かに多かったので、驚いていただけです」
俺は頭を下げると、革袋を〈アイテムボックス〉に入れた。
「これで話は以上だ。五日後の試験でまた会おう」
「分かりました」
俺達は頭を下げると、騎士の後に続いて部屋の外に出た。
カイン(国王)視点
「彼は強いか?」
私は横にいる騎士団長にそう聞いた。
「そうですね……少なくとも私よりは強そうですね。彼から発せられる気配は私が子供に見えてしまうぐらいですからね」
「そうか……」
私はため息をついた。〈鑑定〉ではユートのステータスを見ることは出来なかった。その為、正確な強さを測ることは出来ない。
「まあ、悪い人では無さそうだからな」
彼は優しい人だ。見知らぬ誰かを助ける為に命の危険を冒せるような人だ。
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私はそう呟いた。
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「……はい」
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