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約束する賢吾
賢吾の楽しみは、図書館で医学に関する本を読むことであった。こちらの世界の医学は、日本よりも遥かに遅れているが、医学の知識に関する本を読むことは、賢吾の生きる楽しみの一つでもあった。
しかし、賢吾が転生してきて、1か月ほど経った時に悲劇が起きた。
「ないっ」
賢吾は、頭を抱えながら、図書館の棚を歩き回る。
「ない、ない、ない、ない、ない!!!」
飢えた狼のように悲しそうな瞳で、本棚を見つめる賢吾。
「新しい本が1冊もないっ!!!」
彼は、絶望のあまり今にも血の涙を流しそうだった。
なんと賢吾は、1か月で図書館にある医学の本を全て読みつくしてしまったのだ。すっかり落ち込んで、夜のご飯も残してしまうと、心配したセドリックが賢吾の部屋までやってきた。
「どうしたんですか。落ち込んでいる様子で、夜ご飯を残したと聞きました」
「実は、図書館にある医学の本を読みつくしてしまったんです」
賢吾は、買ったばかりの傘を壊した人間のように絶望感に満ちた様子でそう告げた。
「じゃあ、西洋から医学の本を取り寄せましょうか」
セドリックがそういうと、水を得た魚のように元気になり、目を輝かせながら「いいんですか!!!」と叫んだ。
「はい。西洋の医学は、ここよりも進んでいると評判です」
「早く取り寄せてください」
キラキラとした目でセドリックをみる賢吾。
その様子を見て、セドリックはクスリと怪しげに微笑んだ。
「その代わり、条件があります」
「条件?」
「はい。ケンゴが俺のいうことを何でも一つ聞くなら、本を取り寄せましょう」
「何をお願いするつもりだ?」
「それは、秘密です」
賢吾は、腕を組んで考え出した。
(そういえば、セドリックから前に告白された。しかし、彼は、私の素晴らしい論理を聞いて自分の考えが間違っていることに気がついたはずだ。セドリックから、付き合って欲しいなど変な要求をされることはもうないだろう。それに、私は早く西洋の医学に関する本を読みたい)
結論が出るのは、非常に早かった。何しろ、賢吾という男は、自分の欲望に忠実で我慢ということが苦手なのだ。
「早く本を取り寄せてください。君の願いだったら、叶えます」
「契約成立ですね」
セドリックは、嬉しそうに天使みたいにニコニコしながらそう答えた。
数日後……。賢吾のもとに、西洋の医学に関する本が50冊ほど届いた。なんとセドリックが賢吾のために、私財で購入してくれたのだ。
(どれもおもしろいものばかりだ!!!)
夢中になって読んでいると、セドリックが、賢吾の部屋までやってきた。
「こんにちは。本は届きましたか」
「はい。ありがとうございます」
「それでは、俺の頼みをきいてください」
「今は、本を読むのに忙しいから後にしてほしいのですが......」
「しかし、ケンゴは俺と約束をしました。本を取り寄せれば、何でも言うことを聞くと」
「……」
そんなことを言っていた気もする。
しかし、自分にとって都合の悪いことを忘れる賢吾は、セドリックとして約束をすっかり忘れていたのである。
「えっと、セドリックのお願いは何ですか?誰か治療でもして欲しいんですか」
「違います。あなたとセックスさせてください」
「性交とは、勃起した男性器を女性器に挿入する行為のことです。しかし、私も君も男です。男同士は、性交はできません」
それを聞いたセドリックは、イラっとした様子で賢吾に近づき、自分の方を向かせようと顎クイをしてきた。
「じゃあ、言い方を変えましょう。あなたのケツを掘らせてください」
パサッと音を立てて賢吾の持っていた本が床に落ちる。
「何だって!!!」
賢吾の恐怖に満ちた叫び声が響き渡った。
しかし、賢吾が転生してきて、1か月ほど経った時に悲劇が起きた。
「ないっ」
賢吾は、頭を抱えながら、図書館の棚を歩き回る。
「ない、ない、ない、ない、ない!!!」
飢えた狼のように悲しそうな瞳で、本棚を見つめる賢吾。
「新しい本が1冊もないっ!!!」
彼は、絶望のあまり今にも血の涙を流しそうだった。
なんと賢吾は、1か月で図書館にある医学の本を全て読みつくしてしまったのだ。すっかり落ち込んで、夜のご飯も残してしまうと、心配したセドリックが賢吾の部屋までやってきた。
「どうしたんですか。落ち込んでいる様子で、夜ご飯を残したと聞きました」
「実は、図書館にある医学の本を読みつくしてしまったんです」
賢吾は、買ったばかりの傘を壊した人間のように絶望感に満ちた様子でそう告げた。
「じゃあ、西洋から医学の本を取り寄せましょうか」
セドリックがそういうと、水を得た魚のように元気になり、目を輝かせながら「いいんですか!!!」と叫んだ。
「はい。西洋の医学は、ここよりも進んでいると評判です」
「早く取り寄せてください」
キラキラとした目でセドリックをみる賢吾。
その様子を見て、セドリックはクスリと怪しげに微笑んだ。
「その代わり、条件があります」
「条件?」
「はい。ケンゴが俺のいうことを何でも一つ聞くなら、本を取り寄せましょう」
「何をお願いするつもりだ?」
「それは、秘密です」
賢吾は、腕を組んで考え出した。
(そういえば、セドリックから前に告白された。しかし、彼は、私の素晴らしい論理を聞いて自分の考えが間違っていることに気がついたはずだ。セドリックから、付き合って欲しいなど変な要求をされることはもうないだろう。それに、私は早く西洋の医学に関する本を読みたい)
結論が出るのは、非常に早かった。何しろ、賢吾という男は、自分の欲望に忠実で我慢ということが苦手なのだ。
「早く本を取り寄せてください。君の願いだったら、叶えます」
「契約成立ですね」
セドリックは、嬉しそうに天使みたいにニコニコしながらそう答えた。
数日後……。賢吾のもとに、西洋の医学に関する本が50冊ほど届いた。なんとセドリックが賢吾のために、私財で購入してくれたのだ。
(どれもおもしろいものばかりだ!!!)
夢中になって読んでいると、セドリックが、賢吾の部屋までやってきた。
「こんにちは。本は届きましたか」
「はい。ありがとうございます」
「それでは、俺の頼みをきいてください」
「今は、本を読むのに忙しいから後にしてほしいのですが......」
「しかし、ケンゴは俺と約束をしました。本を取り寄せれば、何でも言うことを聞くと」
「……」
そんなことを言っていた気もする。
しかし、自分にとって都合の悪いことを忘れる賢吾は、セドリックとして約束をすっかり忘れていたのである。
「えっと、セドリックのお願いは何ですか?誰か治療でもして欲しいんですか」
「違います。あなたとセックスさせてください」
「性交とは、勃起した男性器を女性器に挿入する行為のことです。しかし、私も君も男です。男同士は、性交はできません」
それを聞いたセドリックは、イラっとした様子で賢吾に近づき、自分の方を向かせようと顎クイをしてきた。
「じゃあ、言い方を変えましょう。あなたのケツを掘らせてください」
パサッと音を立てて賢吾の持っていた本が床に落ちる。
「何だって!!!」
賢吾の恐怖に満ちた叫び声が響き渡った。
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