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転生悪役令嬢は乙女ゲームをしたことがない
僕の婚約者⑥(ヴォルフラム視点)
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ルナが僕の家に来てくれた日から一ヶ月が経過していた。手紙でのやり取りは勿論していたけれど、妄想癖のある少女について衛兵に色々と質問攻めにされた。婚約が白紙に戻ってからは一度も会っていないし、手紙のやり取りもしていない……とか答えた気がする。質問に答える度に衛兵の瞳が優しくなって、大変だったな……という雰囲気に包まれたのはいうまでもない。その後のことは聞いた気がするけれど忘れた。問題ないよね?関わる予定ないから。
とはいえ……何かあってからでは遅いから、念の為に常に調査はしているけれど、それはそれだと思うんだ。
「早くルナに会いたいなぁ……」
馬車に揺られながら、今日の為に考えてきた幾つかのデートプランを頭に思い浮かべた。一応は千通り以上のプランを考えてきたけれど、ルナと話しながらプランを練り直すのが一番楽しい。
そんなことを考えていたとき、馬車がゆっくりと停止するのが分かった。馬車から下りた僕の目に別の馬車があるのが見えた。公爵家なのだから客人がいても不思議はないのだけれど、馬車の家紋は外交に強いと有名なあのホークス侯爵家のものだ。
ホークス侯爵夫人とは母の繋がりで知り合いではあるけれど、ホークス侯爵は大変に忙しい方だから「幻の侯爵様」と呼ばれているほどだ。其処にも跡取り以外の息子がいる。
僕は玄関の扉を開き中に入っていった。
其処には愛するルナと………知らない男の人がいた。
「ヴォルフ様、お待ちいたしておりました」
僕が贈る品は総て僕の色なのだけれど、欠片も嫌がる素振りがない。寧ろ好んで着てくれている気がする。以前「推しカラー最高」と呟いていたのを聞いたけれど……推しとは……何だろうね?
「ルナ、出迎えてくれてありがとう。僕が贈ったワンピースを愛用してくれて嬉しいよ」
「!!」
「それで………貴男は?」
知らない男の人の瞳の色が…僕の愛するルナと同じなのは気の所為ではないと思う。それに凄く言い訳がましいのに言葉に妙な説得力がある。この人が僕の想像通りの人なら、姉さんがルナを狙った理由にも納得がいく。
「今日の来客はヴォルフラム君だけだ。何かの間違いでは…………ないな。お前…………うちの娘は妻に似たと云っただろう」
「面目ない」
「すまないね、ヴォルフラム君。コイツは私の親友であり、妻の弟………つまりはルナの叔父だ。ここ数年は国にいなかったからな。知らなくても無理はない」
ルナの叔父………王家が求めていたのは血筋と後ろ盾。ルナにはどちらもあるから望んだ。それならルナを王家に取られない手段は少なくない。この件に関しては姉さんに協力を仰げば喜んで協力してくれると思う。ルナだけは誰にも譲らない………絶対に。
「ルナの叔父でしたか………初めまして、ローゼンハイム辺境伯爵家三男ヴォルフラムと申します」
「ご丁寧に……ルナの母方の叔父に当たる。ホークス侯爵家当主ヴィンセントだ。外交で留守にすることも多い」
この人……チャラいのに油断も隙も無さすぎるとは思っていたけれど、公私の切り替えが天才的だ。僕のお手本にするのなら……この人と義父以外には存在しないだろう。
義父と侯爵は書斎に向かったので、僕たちは遠慮なくデートに出発することにした。
馬車が暫く進んだ頃、ルナが真剣な眼差しで悪夢の話をしてくれた。それは姉さんがルナを突き落としたときの話で、悪夢は徐々に鮮明になっていくのだという。それなら…姉さんのことを思い出すのも時間の問題だろう。
気になるのは姉さんの「貴女に王太子殿下は渡さないわ」という言葉。まるで最初からルナが婚約者になると決め付けているような言葉だ。あの時点では王家の目的に血筋も含まれるとは知らされていなかった。それでもルナを狙ったのは何故だろう?
僕はルナに確認せずには居られなかった。まだ目的の店まで時間はある。ルナに幾つか質問をして……僕はある結論に達した。それは姉さんがこの先、ルナを狙うことはないのではないか……ということだ。ルナが僕と婚約したことで最も利益を得るのは姉さんだ。王太子殿下と結婚することが目的なら……少なくともルナのことだけは害することはないと断言できる。
それでも不安は残るから……王太子殿下の側近になってルナを狙わないように誘導する必要はありそうだけれど。
結婚さえしてくれたら、後は姉さんの独壇場だから放置しても大丈夫。それまでは悪いけれど見張らせて頂きます……王太子殿下。
とはいえ……何かあってからでは遅いから、念の為に常に調査はしているけれど、それはそれだと思うんだ。
「早くルナに会いたいなぁ……」
馬車に揺られながら、今日の為に考えてきた幾つかのデートプランを頭に思い浮かべた。一応は千通り以上のプランを考えてきたけれど、ルナと話しながらプランを練り直すのが一番楽しい。
そんなことを考えていたとき、馬車がゆっくりと停止するのが分かった。馬車から下りた僕の目に別の馬車があるのが見えた。公爵家なのだから客人がいても不思議はないのだけれど、馬車の家紋は外交に強いと有名なあのホークス侯爵家のものだ。
ホークス侯爵夫人とは母の繋がりで知り合いではあるけれど、ホークス侯爵は大変に忙しい方だから「幻の侯爵様」と呼ばれているほどだ。其処にも跡取り以外の息子がいる。
僕は玄関の扉を開き中に入っていった。
其処には愛するルナと………知らない男の人がいた。
「ヴォルフ様、お待ちいたしておりました」
僕が贈る品は総て僕の色なのだけれど、欠片も嫌がる素振りがない。寧ろ好んで着てくれている気がする。以前「推しカラー最高」と呟いていたのを聞いたけれど……推しとは……何だろうね?
「ルナ、出迎えてくれてありがとう。僕が贈ったワンピースを愛用してくれて嬉しいよ」
「!!」
「それで………貴男は?」
知らない男の人の瞳の色が…僕の愛するルナと同じなのは気の所為ではないと思う。それに凄く言い訳がましいのに言葉に妙な説得力がある。この人が僕の想像通りの人なら、姉さんがルナを狙った理由にも納得がいく。
「今日の来客はヴォルフラム君だけだ。何かの間違いでは…………ないな。お前…………うちの娘は妻に似たと云っただろう」
「面目ない」
「すまないね、ヴォルフラム君。コイツは私の親友であり、妻の弟………つまりはルナの叔父だ。ここ数年は国にいなかったからな。知らなくても無理はない」
ルナの叔父………王家が求めていたのは血筋と後ろ盾。ルナにはどちらもあるから望んだ。それならルナを王家に取られない手段は少なくない。この件に関しては姉さんに協力を仰げば喜んで協力してくれると思う。ルナだけは誰にも譲らない………絶対に。
「ルナの叔父でしたか………初めまして、ローゼンハイム辺境伯爵家三男ヴォルフラムと申します」
「ご丁寧に……ルナの母方の叔父に当たる。ホークス侯爵家当主ヴィンセントだ。外交で留守にすることも多い」
この人……チャラいのに油断も隙も無さすぎるとは思っていたけれど、公私の切り替えが天才的だ。僕のお手本にするのなら……この人と義父以外には存在しないだろう。
義父と侯爵は書斎に向かったので、僕たちは遠慮なくデートに出発することにした。
馬車が暫く進んだ頃、ルナが真剣な眼差しで悪夢の話をしてくれた。それは姉さんがルナを突き落としたときの話で、悪夢は徐々に鮮明になっていくのだという。それなら…姉さんのことを思い出すのも時間の問題だろう。
気になるのは姉さんの「貴女に王太子殿下は渡さないわ」という言葉。まるで最初からルナが婚約者になると決め付けているような言葉だ。あの時点では王家の目的に血筋も含まれるとは知らされていなかった。それでもルナを狙ったのは何故だろう?
僕はルナに確認せずには居られなかった。まだ目的の店まで時間はある。ルナに幾つか質問をして……僕はある結論に達した。それは姉さんがこの先、ルナを狙うことはないのではないか……ということだ。ルナが僕と婚約したことで最も利益を得るのは姉さんだ。王太子殿下と結婚することが目的なら……少なくともルナのことだけは害することはないと断言できる。
それでも不安は残るから……王太子殿下の側近になってルナを狙わないように誘導する必要はありそうだけれど。
結婚さえしてくれたら、後は姉さんの独壇場だから放置しても大丈夫。それまでは悪いけれど見張らせて頂きます……王太子殿下。
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