【完結】前提が間違っています

蛇姫

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転生ヒロインは最後まで乙女ゲームだと思っていた

不正解

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 何で!?長期休暇に入るっていうのに…何で誰も私を避暑地に誘わないの!?もう終業式の日になっちゃったじゃない!
 リック様は避暑地イベントが無い唯一のキャラなの!だから私は一度も見たこと無いの!そのイベントを!
 先生にも避暑地イベントはあるけど、そっちは図書館とか博物館とか……私の考えるデートと違う!
 避暑地イベントが起きなかったのは…あの女が悪役令嬢をしなかったからよ!私を虐めないあの女が悪い!
 だから、講堂であの女を見つけた瞬間に言ってやった。

「アンタがシナリオ通りに動かないから【避暑地イベント】が起きなかったんですけど!?」
「……………………」

 何で黙ってるのよ!アンタも転生者なんだから乙女ゲームを知らないわけ無いでしょう!?
 知らない振りしたって無駄なんだから!私には全部お見通しなのよ!!悪役令嬢のくせに!!

「ちょっと!聞いているの!?」

 私も馬鹿じゃないんだから分かってるのよ!?アンタがアル様の行動を変更してるってことは!!
 それってアンタが乙女ゲームを熟知してるってことでしょう!?それも私がルートにすら入れなかったアル様ルート!!

「何の騒ぎかな?」
「……ヴォルフ様」

 またモブ男なの!?何なのよ!私は悪役令嬢と話してるのに!何で毎回モブ男が登場してくるわけ!?

「またアンタなの!?いい加減にしてよね!!」

 この女もこの女よ!何で当たり前みたいに話してるのよ!こんなモブ男…追い返しなさいよ!アンタは悪役令嬢でしょう!?

「私はその女と話してるのよ!?邪魔しないでよね!!」

 この女が私を虐めないせいで【避暑地イベント】が起きなかったに決まってるんだから!だって友達のを横から見た感じだとそんな感じに見えたんだから!絶対そうよ!

「アンタのせいで一回目の【避暑地イベント】が起こらなかったんだからね!次のイベントはシナリオ厳守なんだから!ちゃんとシナリオ通りに動くのよ!?分かった!?」

 私は言うべきことを言ったら席に戻った。だって…戻らないと寮に強制的に帰されるから。私はヒロインなのに!
 終業式が終わったから、寮に戻って帰宅の準備をしてたのに……家からメイドが来てて、私は帰らなくていいって言うのよ!?
 だから一足早いけど、本屋で立ち読みした雑誌に少しだけ載ってた【アル様の避暑地】って場所の絵を思い出して、図書室で探し回ったわよ!!読書なんて大嫌いなのに!!

 暫くした頃【アル様の避暑地】を見つけたから、其処に行こうと思って荷物をまとめた。誘われなかったけど、行けば中に入れてくれるでしょ!荷物は最小限にしても大丈夫よね?だって私はヒロインなんだから!攻略対象なら私に何か買ってくれるでしょ!

「そうと決まれば行きは一人旅行を楽しもう!」

 寮母とか呼ばれてるオバさんに旅行に行ってくると言ったら、何処に行くんだって行き先を聞かれた。
 別に変なところには行かないから、正直に【アル様の避暑地】がある場所を言って出発した。
 辻馬車を乗り継ぐのは大変だったけど、帰りはアル様の馬車に乗るんだから問題なし!
 そう思いながら目的地を歩いて探した。だって景色しか書いてなくて…場所は秘匿されてるって書かれてただけ!
 何処なのよ!アル様が愛する私が来たわよ!迎えに来なさいよ!


 リリアはルナリアが、乙女ゲームを熟知していると思い込んでいるが、実際には熟知しているのは王太子妃のみ。
 乙女ゲームを少しだけ知っているリリアとは異なり、ルナリアは乙女ゲームをしたことがない。
 従って…極めて惜しいが不正解ということになる。

 もう一つ……リリアが寮母に行き先を告げた後、寮母から騎士、騎士から王家へと伝言されて、秘匿された場所を利用している者たちに迅速に警告が出され、外出禁止になったのだが………リリアがそれを知る日は永遠に来ない。
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