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転生辺境伯令嬢の一途な愛
さようなら、私の………
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結論として、あの日を境に彼女が学園に通ってくる事は無くなった。報告によれば、もう直ぐ出国するからと今日は鎖に繋がれているものの、その前日までは自由に脱走しては捕縛される生活を満喫しておられたとか。
出国して二度と会えなくなる前に、彼女に会って話がしたい。大した話ではないけれど、同じゲームに興じた同志ですものね。
「アル様、付き添いくださって有難うございます」
「構わないよ」
最後に会って言葉を交わしたいと願ったのは前世の私。何故かしら?どうしても気になるの。あの子……エリック様だけを攻略していた知人に似ている気がする。確認、確認するだけ。
「ようこそ両殿下、我が妻に最後に会いたいと言うのはアイリス王太子妃殿下かな?アルベルト王太子殿下は外で?」
「ああ、女子会の邪魔はしたくない」
「……では、私も外で待ちましょう。女子会に男は不要ですから」
有り難いわね、前世の話が少し出来るわ。現実が見えておられたら、助言だけして帰るのも良いわね。
「さて、我が妻には脱走癖がございまして」
「……部屋におられるかしら?」
「今日は、おりますよ。此方で少々お待ちを」
そう言って閣下は室内へと入っていった。脱走癖がある(から、鎖で繋いでいるのは大目に見ろ)と仰るとは。私がその様な些事に興味を示すと思って頂けたなんて、大変光栄に思います。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
私は閣下に導かれ室内に入り、ヒロイン擬きを見た。
「アンタ誰よ!?」
「あらあら、お元気そうで何よりですわ」
第一声が「アンタ誰」とは、元気な証拠ね。鎖で繋がれているのだから、私に「鎖を外せ」と仰るかと思っていたのだけれど、本当にそういったご趣味がお有りなのかしら?
「女子会を楽しんで」
「お気遣い痛み入ります、閣下」
楽しむほど長くは滞在しないけれど、それでもお心遣いは嬉しく思います。………実は正妻様一筋という噂は本当かしら?
「ちょっと!これ外してから出て行きなさいよ!」
私をモブ女だと思ってらっしゃるのね。構わなくてよ?貴女の人生に於いて私はモブに相違ないでしょう。けれど、覚えておいて?貴女も、誰かの人生に於いてのモブなのよ?
「……【一途な愛に癒やされて】」
「!!」
貴女の第一声は「何で知ってんのよ」かしらね?それ以外だと迚も嬉しいのだけれど。どうかしら?
「何で知ってんのよ!」
「…想像通りというのも味気ないわね」
想像通りの返答はつまらないわ。それよりも、この状況が呑み込めていないということは、エリックルートだけを攻略していたのね。でなければ、これから何処へ向かうのか、どうすれば比較的まともな扱いをしてもらえるのか、理解していた筈だもの。
「貴女、エリックルート以外を攻略していないのね」
「どういう意味!?」
「………そのままの意味よ」
もう嫌、誰よ「最後に会いたい」なんて言ったの。全く話が通じない宇宙人よ?会って何を話すのよ。過去の自分を恨みたい気分だわ。こんなのに半年も付き合っていたなんて……ルナは凄いわ。
「タイトルは覚えてらっしゃるわよね?」
「当然でしょ!!」
「……………フフッ」
「何がおかしいのよ!」
何がおかしいですって?だって…そうでしょう?一途という意味をご存知?貴女が目指していたのは逆ハーというやつではなくて?タイトルを覚えてらっしゃらないのかと思っていたわよ。
「タイトルは【一途な愛に癒やされて】よ」
「知ってるわよ!」
「……癒やされるのは勿論、アル様たちよね?」
「そうよ!だから私が癒やしてあげようとしたのに!」
それは無理よ。どんな状況下になろうとも、一途に愛し続けなければいけないのよ?逆ハーなんて存在しないの。
「強制力がある筈なんだから!きっと誰かが助けに来るわよ!」
「そうね……強制力があれば良いわね」
「あるわよ!私はヒロインなんだから!」
貴女は前世の感覚が抜けていないのね?安全だった日本とは違うのよ?文明の利器が発達していた前世と同じだと思ってる?監視カメラなんて無いのよ?どうやって助かるつもりなの?
「閣下、お時間を頂き有難うございました」
無駄な時間……でも、無かったわね。最後に迚も楽しい時間をありがとう。海の向こうは実力主義の国よ?頑張って?
「もういいのかい?」
アル様の優しい微笑みが私の荒んだ心を癒やしてくれる。
「誰かいるの!?」
扉が閉まる直前になって、彼女が必死で何事かを叫んでいるけれど、アル様は穏やかな微笑みを浮かべながら、私の耳を塞ぎ馬車に乗る………あら?雨かしら?頬が冷たいわ。
思いの外…疲れていたらしく、私はそのまま深い眠りについた。目を覚ました時刻は翌日の朝で、既に彼女は出港した後だという。
さようなら、前世でただ一人の………私の親友
出国して二度と会えなくなる前に、彼女に会って話がしたい。大した話ではないけれど、同じゲームに興じた同志ですものね。
「アル様、付き添いくださって有難うございます」
「構わないよ」
最後に会って言葉を交わしたいと願ったのは前世の私。何故かしら?どうしても気になるの。あの子……エリック様だけを攻略していた知人に似ている気がする。確認、確認するだけ。
「ようこそ両殿下、我が妻に最後に会いたいと言うのはアイリス王太子妃殿下かな?アルベルト王太子殿下は外で?」
「ああ、女子会の邪魔はしたくない」
「……では、私も外で待ちましょう。女子会に男は不要ですから」
有り難いわね、前世の話が少し出来るわ。現実が見えておられたら、助言だけして帰るのも良いわね。
「さて、我が妻には脱走癖がございまして」
「……部屋におられるかしら?」
「今日は、おりますよ。此方で少々お待ちを」
そう言って閣下は室内へと入っていった。脱走癖がある(から、鎖で繋いでいるのは大目に見ろ)と仰るとは。私がその様な些事に興味を示すと思って頂けたなんて、大変光栄に思います。
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私は閣下に導かれ室内に入り、ヒロイン擬きを見た。
「アンタ誰よ!?」
「あらあら、お元気そうで何よりですわ」
第一声が「アンタ誰」とは、元気な証拠ね。鎖で繋がれているのだから、私に「鎖を外せ」と仰るかと思っていたのだけれど、本当にそういったご趣味がお有りなのかしら?
「女子会を楽しんで」
「お気遣い痛み入ります、閣下」
楽しむほど長くは滞在しないけれど、それでもお心遣いは嬉しく思います。………実は正妻様一筋という噂は本当かしら?
「ちょっと!これ外してから出て行きなさいよ!」
私をモブ女だと思ってらっしゃるのね。構わなくてよ?貴女の人生に於いて私はモブに相違ないでしょう。けれど、覚えておいて?貴女も、誰かの人生に於いてのモブなのよ?
「……【一途な愛に癒やされて】」
「!!」
貴女の第一声は「何で知ってんのよ」かしらね?それ以外だと迚も嬉しいのだけれど。どうかしら?
「何で知ってんのよ!」
「…想像通りというのも味気ないわね」
想像通りの返答はつまらないわ。それよりも、この状況が呑み込めていないということは、エリックルートだけを攻略していたのね。でなければ、これから何処へ向かうのか、どうすれば比較的まともな扱いをしてもらえるのか、理解していた筈だもの。
「貴女、エリックルート以外を攻略していないのね」
「どういう意味!?」
「………そのままの意味よ」
もう嫌、誰よ「最後に会いたい」なんて言ったの。全く話が通じない宇宙人よ?会って何を話すのよ。過去の自分を恨みたい気分だわ。こんなのに半年も付き合っていたなんて……ルナは凄いわ。
「タイトルは覚えてらっしゃるわよね?」
「当然でしょ!!」
「……………フフッ」
「何がおかしいのよ!」
何がおかしいですって?だって…そうでしょう?一途という意味をご存知?貴女が目指していたのは逆ハーというやつではなくて?タイトルを覚えてらっしゃらないのかと思っていたわよ。
「タイトルは【一途な愛に癒やされて】よ」
「知ってるわよ!」
「……癒やされるのは勿論、アル様たちよね?」
「そうよ!だから私が癒やしてあげようとしたのに!」
それは無理よ。どんな状況下になろうとも、一途に愛し続けなければいけないのよ?逆ハーなんて存在しないの。
「強制力がある筈なんだから!きっと誰かが助けに来るわよ!」
「そうね……強制力があれば良いわね」
「あるわよ!私はヒロインなんだから!」
貴女は前世の感覚が抜けていないのね?安全だった日本とは違うのよ?文明の利器が発達していた前世と同じだと思ってる?監視カメラなんて無いのよ?どうやって助かるつもりなの?
「閣下、お時間を頂き有難うございました」
無駄な時間……でも、無かったわね。最後に迚も楽しい時間をありがとう。海の向こうは実力主義の国よ?頑張って?
「もういいのかい?」
アル様の優しい微笑みが私の荒んだ心を癒やしてくれる。
「誰かいるの!?」
扉が閉まる直前になって、彼女が必死で何事かを叫んでいるけれど、アル様は穏やかな微笑みを浮かべながら、私の耳を塞ぎ馬車に乗る………あら?雨かしら?頬が冷たいわ。
思いの外…疲れていたらしく、私はそのまま深い眠りについた。目を覚ました時刻は翌日の朝で、既に彼女は出港した後だという。
さようなら、前世でただ一人の………私の親友
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