【完結】前提が間違っています

蛇姫

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転生辺境伯令嬢の一途な愛

準備は万全

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 漸く、ヒロイン擬きの婚姻の日取りが決定した。婚約ではなく、婚姻になったのには、私も想定していなかった例の手紙が関係しているのは言うまでも無い。
 私は、ルナに二度と彼女の相手をしなくても良くなった事を知らせるため、食堂に赴き立ち止まった。また、絡まれているみたい。

「アンタが私を虐めないとシナリオが進まないでしょう!?悪役令嬢なんだから私をちゃんと虐めてよね!分かった!?」

 引き際が(ルナの様に)速やかな方なら宜しかったのに。此処まで必死になると、完全に虐められたい願望が強い人に見えるわよ?

「あらあら、困ったこと」

 私は背後からルナに声を掛けた。

「ルナ、分かっているとは思うのだけれど、彼女の趣味嗜好に付き合って差し上げる必要など無くってよ」
「勿論ですわ、私にその様な趣味はございませんもの」
「フフッ、そうよね?……彼女は相手を間違えているのよ」
「???」

 あら、忘れているのかしら?本来の彼女の標的は私よ?ゲームでは、貴女で相違ないのだけれど。

「妃殿下、私……彼女のことを誤解しておりましたわ」
「………誤解?」
「ええ、虐められたい方は一定数おられると聞きますもの」
「…………そうね」
「彼女の趣味に付き合って差し上げられないけれど、彼女の趣味に寄り添える方がおられるのなら……安心ですわね」
「フフッ……ヴォルフが貴女を溺愛するのも無理ないわね」
「???」
「気になさらないで?………此方の話よ」

 「卒業まで待つ必要はない」とのお赦しは陛下から賜っておりますし、女子寮を使っている(一人を除く)女子生徒は、別邸から通う女子生徒の家に泊まりに行く予定ですもの。
 勿論、礼儀を重んじる方だけをご招待しておりますわ?例え平民であっても、礼儀さえ弁えて頂けるなら、何方様でもご参加頂ける特別な日ですのよ?本日限りの………ね?

「ルナ……彼女のこと、私に任せてくれるわよね?」
「勿論ですわ、その様な趣味がお有りだったとは……気が付いて差し上げられませんでしたわ」
「ええ、私が気が付いたのは最近ですもの。仕方ないですわ」

 ヒロイン擬きにその様な趣味がお有りかどうかは定かでは無いけれど、お相手の殿方は迚も良い趣味をなさっております。
 天真爛漫で純真無垢、美しく可憐な容姿をしているけれど、野心の強い女性が好みなのだそうよ?

 美しい女性を虐げて愉しむけれど、教養がある方は話し相手に選ばれ、気が付けば解放されているのだとか。
 誰よりも美しい正妻様が無傷なのは、正妻様を深く愛しているからとも云われております。
 ですが、調査報告によれば、鞭を持って懲罰室に赴くのは………此処までにしておきましょうか。私の心の平穏のためにも。

 既に【総ての準備】が整ったと報告がありました。明日の朝が楽しみね。さて……彼女は通学して来れるかしら?
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