月並みの幸せを

hosika

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プロローグのような何か

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 例えばの話。

 大きな夢があったとする。それは、将来の夢だったり、好きな人と結ばれるだったり、なんでもいい。
 そして、その夢が叶ったとする。それは、嬉しいだろう。感動だろう。幸せなのだろう。

 しかし、月浪 幸は違う。
 それは、幸福ではない。夢など叶ってしまえば、それまでだと。本当の幸福では無いのだと。

 ならば、追っている最中はどうだろうか?
確かに、苦労したり涙を流すようなこともあるだろう。だが、1つの目的がありそのために全力を追求する。これは、ある意味幸福と言えるのではないか。

 月浪は、尚も否定する。
 終わりのあるものなど、それは幸福ではない。夢を追えば、いつかは諦めるか叶うかだと。そうなってしまえば、意味は無いのだと。


「ただの偏屈。適当な言葉を並べただけですよ」
 俺は、否定する。ただの考えすぎなのだと。

「いや、意外とそうでもないのだよ」
 月浪 幸──彼女は、自信満々にそういうのだ。

「なら、俺にそれを見せてください」

 彼女は、少し思案する。そして、俺の目を真っ直ぐ見つめてこう言った。

「いいだろう。ならば、君は私の部活に入りたまえ。」

「部活?」

「そう。幸福を見つけるための場所。幸福部だ。」

 これが、俺と彼女との出会い。

 そして、これが俺の高校生活で最も大きな間違いであった。
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