詩未満

奥田たすく

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 美しいとは言い難い
 空はすんでのところで白を保った
 嵐の前の静けさなんて嘘だ
 奴らは轟々と息巻いて止まない
 つい最近夏の始まりを
 アスファルトが焦げた匂いで知ったというのに

 浅い色の多い部屋
 年季の入ったエアーコンディショナー
 汗臭い息を小さく垂らしこむ

 (私たちよりずっと激しいのだ)

 動機不十分
 母は私を家の外へ出してはくれなかった
 食器の擦れる音が
 鉄の味を彷彿とさせる

 勝者の歴史を見よ!
 ほくそ笑んだのは玉座だけではない
 モスキートーンの人払いが
 生臭い息だけは拭えないような

 
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