詩未満

奥田たすく

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 お前と一緒にするんじゃないよ
 曇ってのはね
 自分でここだと決めてここにいるのさ
 たまには空の半分だけを覆ってみたり
 その端を遊んでみたり
 ずいぶんとイキなやつなのさ
 

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 惜しげもなくたっぷりと布を使って
 ようやく女の子になれた気がした


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 水平線摘まんで引っ張ると
 世界はどこまでも伸びた
 私の腕の長さを超えて


 
 
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