詩未満

奥田たすく

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 唇が紐解いた
 あの紐ネクタイが
 君のだったなんて知らなかったなぁ

 笑っていたつもりなのに
 泣いていたはずなんだよなぁ
 泣いていたのなら
 言ってくれれば良かったのに
 言葉があるうちは
 君から目をそらさないし
 味覚のあるうちは
 君を食べたりなんかしないよ


―――――――――――――――――――――――


 君はどこにいますか。
 厚化粧の上着の衣装ダンスから
 手さぐり

 
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