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7 青いピアス
しおりを挟む雅の背中は一面火傷を負った。
回復薬を使用したが、完全回復する薬なんて存在しない。
赤く爛れて、うつ伏せに眠った雅は熱によってフーフーと息をついていた。
回復薬と治療薬を混ぜ込んだ薬を背中一面に塗り込み、ガーゼを当てて包帯で巻き込む。
アフィーナギはそっと雅の頭を撫でた。
部屋は自分が今住んでいる王太子宮に移した。二人部屋にして隣に清彦に寝てもらい、討伐に出てからはサヤラーテに使ってもらう予定だ。
咲夜はいろんな貴族や権力者に雅の事を悪く話している。
アフィーナギ達がいなくなって一人きりにするには不安があった。何をされるかわかったものじゃ無い。
宰相のサヤラーテには王太子である自分の執務を代わりにやってもらわなくてはならない。王宮に泊まり込んでの仕事になりそうなので、雅も連れて来てもらったが……………。
まさか、来て早々咲夜が襲うとは思わなかった。
護衛につけた騎士は信頼出来る能力の高い人間だが、これは普通の人間相手の話だ。
四属性持ちの咲夜を止めれる人間はいないに等しい。
本当は咲夜に多少の処罰を与えておきたかったが、咲夜は今回聖者としての旗頭となっている。
聖者が魔王を倒すという希望を持たせる為にも、騒ぎにする事が出来なかった。
「アンタのせいじゃないよ。」
一緒に包帯を巻いていた清彦が慰めるように言った。
「………………私は、無理矢理人を召喚する事は、その召喚者の人生を狂わせてしまう事だと思っているんだ。この世界に来てもらったお詫びに、誠心誠意対応していこうと思っていたんだ。それなのに、雅に不当な扱いをしてしまった。咲夜の話を鵜呑みにして咲夜が望む事をする事が、正しいと思ってしまった。雅を傷つけてしまった…………。それなのに、またこの怪我だ。」
「………………。」
「私は雅を救えない事が、不甲斐なくて仕方ない。」
清彦は黙ってアフィーナギの言葉を聞いて、噛み締めるように目を伏せた。
「雅ってさ、人を責めないんだよな。俺が助けるのが遅くても、ありがとうってしか言わないんだ。アンタがやってしまった事もきっと、そんなもんだとしか思ってない。怪我直ったし、和解したからいいとか言いそう。」
だから、雅はアンタを嫌わないよ。
清彦はそう言った。
雅の意志の強い黒い瞳を思い浮かべて、もう一度見たいと思った。
自分が王都を出るまでに目を開けて欲しいと願いながら。
明日王都を出るという日に、雅が目を覚ましたと連絡が入った。
急いで行くと、ベットの端に腰掛けて身体を起こして、背中に薬を塗って包帯を取り替えているところだった。
「良かった。目が覚めたんだな。」
安心して声をかけると雅は可笑しそうに笑った。
「なんだ?」
「前もそうやってホッとしてたから、なんかおかしーなって。」
そうやって目を細めて笑う雅は、まだ熱があるのか顔が赤かった。
「そりゃ、私の監督不行き届きだから。君には迷惑ばかりかけてるだろう?」
「やったのは咲夜だろ?そこまで責任取れって思ってねー。」
雅の言葉は相変わらず粗野だが、ジッとみつめる瞳は強く、こちらを気遣う優しいものだった。
清彦の言う通り、人を責める事はない。人が良すぎるんじゃないだろうか。
「俺、サヤラーテんとこ行ってくるな。」
汚れた治療道具を持って清彦が気を利かせて出て行った。
執務と魔王討伐の準備に追われて、雅の看護を清彦に任せっきりになってしまった。
「ミヤビ、明日私達は出立するよ。」
「あーうん、聞いた。ずっと寝てたんだな、俺。こっちこそなんも手伝えなくてゴメンな。」
そんな事気にしなくていいのに。
アフィーナギは雅の横に腰掛けた。
「雅に一応言っておこうと思う。」
アフィーナギはいつものように貼り付けたようなよく分からない笑顔で話し出した。
「私はね、第四王子なんだ。本当は王太子にすらなれないような位置にいたんだよ。」
「四って事は上の三人は?」
「もう、いないんだ。召喚も今回が四度目だった。最初の召喚で一人青年を呼べたから長兄が一緒に討伐に出たんだ。でも戻って来なかった。次も、その次も戻ってこなかった。その度に兵力は衰え、瘴気が増して食料が減っていった。今この国は色んな意味で危ない。今回敗れたら国としてもう機能しないだろう。敗れれば、国は魔王の瘴気に侵され滅び、勝てば国力がなくて他国が攻めてくるかもしれない。」
分かるか?
アフィーナギの話は簡単な説明ながらよく分かった。
勝っても負けても後がない戦争に、アフィーナギは疲れてるってのが。
「勝っても負けても、危ないと感じたら雅の元へ清彦達を転送する。サヤラーテに頼んでるから、この国から逃げて欲しい。」
「アフィーナギはどうするんだ?」
「私はこの国の最後の王子だよ。」
ここで待っていたいと思ったけど、それはアフィーナギの重荷になるかもしれない。でも……………。
「サヤラーテの判断に任せるけど、ギリギリまで待ってもいいか?」
碧眼が大きく見開かれた。困ったように雅の顔を覗き込むと、緩やかな金髪がフワリと落ちた。
「出来れば直ぐにでも逃げて欲しいんだけどねぇ。」
「本当は付いて行きたい。」
本音を言うと、更に困ったように眉根を垂らした。
雅の頭を撫でて、スルリと耳に触れる。
サワサワと耳に触れ、アフィーナギの顔が近づいてきた。
「え?なに?」
パクリと耳朶を噛まれてピクリと肩が揺れる。
つけたピアスを舌で嬲り、態とらしくクチュクチュと音を立てた。
耳の穴に舌を入れ、舌で穴を塞いでクチュリと音を響かせる。
「ちょ……っ!、ん、ぐぅっ……。」
文句を言おうとした雅の口に親指と人差し指を突っ込み、雅の舌を摘んで引っ張った。
閉じれない口から涎が垂れるが、舌を嬲る指がゆっくりと擦られるたびに、身体が震えた。
「次はこっちね。」
漸く口から指が離れ、ゼイゼイと息継ぎをしていると、ぐいっと頭を反対に向けられた。
反対の耳朶も同じようにネットリと舐め上げ、耳全体を覆うように口に含まれてしまう。クジュッという音が卑猥でならない。
雅は犯された経験はあっても、快感を引き出された経験は殆ど無かった。
「ゃ、やめ………。」
ぷるぷると震えながら止めようとすると、またもや口の中にアフィーナギの指が差し込まれた。喉の奥に指が突っ込まれ、奥の方をズルズルと撫でられる。
えずくとするっと指を引き抜き、今度は優しく上顎を撫でてくる。
雅の身体から力が抜けてクタリとすると、ふわりと抱えられてうつ伏せに布団に寝かせてくれた。
離れて行ったと思ったら、濡らしたタオルも持って来て、耳と顔を綺麗に拭いてくれた。
「…………………なんで?」
胡乱な目つきで睨みつける雅に、アフィーナギは満足そうに笑った。
「転送魔法は目の前だと簡単だけど、場所が離れると地点登録しなきゃいけないんだ。このピアスを地点にして友人達を転送するって言ってたと思うけど、地点登録には私の体液が必要でね。」
そう言って、べっと舌を出して見せる。
体液だから涎つけたって事か?
でも、あんな、あんなベロっとグジュッとやって、俺の口に指入れる必要は無いよな!?!?
赤い顔して黙り込む俺の髪に、チュッ音を立てて頭を撫でられた。
「時間があれば夜にでも通信を入れるよ。おやすみ、雅。良い夢を。」
ジッと雅の目をみてから、アフィーナギは部屋から出て行った。
最近のアフィーナギの行動はよく分からないが、とても恥ずかしいのが多い。
俺は今の一時ですっかり疲れてしまった。
アフィーナギが部屋から出ると、廊下で護衛騎士と共に清彦が待っていた。
「漸く起きたんですから無理させないでください。」
じとーーーと清彦は睨んできた。
「ふふふ、すまないね。出立まで話せないかもと思ってたから、つい……。君の話す時間が減ってしまったね。」
「いいですよ。俺は危なくなったら貴方が逃がしてくれるらしいんで。サヤラーテが直ぐ来いって言ってました。」
護衛騎士に聞かれないよう、コソッと話してくる。
「それは勿論だが、サヤラーテはぶれないね。」
清彦にも就寝の挨拶をして、まだやるべき仕事を片付けるべく、先程目に焼き付けた雅を思い出しながら執務室へと戻って行った。
「おーーーーい、大丈夫かぁ?」
清彦が戻ってきた。
「おーーー。なんか疲れた。」
「あの人すっかり雅にハマってるよな~。」
ハマるとはどーいう事だろう?
「俺はアフィーナギの行動がよく分かんねー時がある!」
「俺はなんとなく分かるかな?たぶん雅に甘えてるんだよ。」
「俺、かなり年下。」
「いや、そーなんだけど、あの人物凄い働いてんだよ。王子様業やって軍備とか備蓄とか兵の配置とか全部決めて、本人も戦力として強いらしいんだよな。殆どサヤラーテから聞いだ事だけど、なんでも出来ちゃうからきっと気の抜ける時がないんじゃ無いか?……………あの人みたいに。」
最後に言ったあの人は、もう会う事のない兄。
優秀で賢くて優しくて、両親が期待しまくった兄。
「俺、甘えられてたんだ。」
「たぶんなー。俺もお前のにーちゃんの事いっぱい考えたんだ。」
清彦も俺の兄とよく一緒に遊んでたから知っている。でも、清彦は兄をおかしいと言った事は無かった。
実は兄は清彦にとって初恋なのではと勘繰った時もあった。聞いたことはないけども。
「あんがと。なんか分かった。」
「雅も甘え返していいと思うぜ。あっちちの方がだいぶ年上だし。」
「甘えるってどうするのかよく分かんねぇもん。何で俺だろ?」
「雅には特殊な奴がくっついてくるんだろうな。」
あんまり嬉しく無い。
でも兄もアフィーナギも嫌いでは無い。
どんなに酷い事をされても結局自分は直ぐに許してしまっている。
「俺さ、…………特殊な性癖とか無いよな?マゾ的な?なんかそんなオーラ出してる?」
たまに意地悪されてドキドキするのは、もしかして……。
「俺に聞くな。」
清彦は有り得そうだと思ったが、黙っといた。
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