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番外編
62 桜は毎年咲くから⑦
最初、杜和君と望和は似ていると思った。
柔和な笑顔、耳に心地よい敬語、さりげない気遣い。頭も良くて何でも卒なく熟して、僕の劣等感を刺激する。
でも、側にいることを許してくれる。
どんなに意地悪しても、なんでか優しい。
あの頃は伊織がカッコ良くて大好きだったけど、実際よく一緒にいたのは望和の方が多かったんだと思う。
だって伊織は彼女がいるし、僕達の方に来たら望和にベッタリで、僕は蚊帳の外だった。
望和は優しいけど、僕が入り込める人間でも無いし、一緒にいても距離を感じる友達だった。
そんな望和の弟とこんな爛れた関係になるなんて!
「ひぅっ!あ、ダメダメ……そこぉぉ。」
杜和君は前からするのが好きなんだって言う。
気持ち良すぎて腰が浮いてしまうと、更にグリっと奥まで入ってきた。
ミチミチと内臓が圧迫されて苦しいのに、これが気持ち良いと感じる不思議。
自然と涙が出て、口元は涎まみれだし、僕の顔は大変な事になっている。
でもその顔を見るのが好きなんだと杜和君は言う。
「ほら、今日もちゃあんと元気ですよ。」
まるで歌う様に耳元で囁いてくる。
僕の僕がヒクンと震えた。
だって杜和君はエロい!
涙がボロっと溢れると舐めて掬い取る。
「うっ、うっ、うっ、」
杜和君が上体を起こして僕のチンコをツツーと指先でなぞった。爪の硬さにゾクゾクとしながら、先っぽからダラダラと出てくる粘液に、こんな事になるなんてと羞恥に震える。
「泣かないで下さい。もっと虐めたくなるじゃないですか。」
「うっ、うっ、経験そこそこって嘘だぁ~。遊んでる、この人遊んでる~~っっ。望和がいたら絶対怒られてる~~~、、ひぁっんっ!」
グチュんと奥を激しく突かれた。
「ダメですよ、いくら死んだ兄ちゃんの事でも言ったら怒りますからね。」
怖い~~~笑顔なのに怖い~~~!
望和に似てると思ってたのに、なんか違う!
「あっあっあっ、ぅ、ん、うん、んぁわかった、からぁ~~!」
ズルゥと内壁を擦り付けながら引き抜き、また腹側を押しながら入ってくる。手のひらで押さえてその感触がわかりやすい様にしてくるので、その腕を握ってフルフルと首を振った。
腹をさすられ、頭をヨシヨシと撫でられる。
「いい子ですね、愛希さん。俺のいう事をちゃんと聞いて下さいね。」
聞いているというより、聞いてないといけない流れが出来上がっている。
杜和君はキスをしながら奥を突いてくるのが大好きだ。
「んくっ…………ちゅ、ふ…………ん…んむ……んん。」
お腹の中はトントン、グリグリ緩急つけて動きながら、舌が気持ち良い所を器用に動き回り刺激してくる。
何も考えられなくなって頭に血が昇ってボーとしながら夢中になって、必死にしがみついた。
あ、奥、奥なんか気持ち、イク、イキそ………!
ビクビクと震えるとそこばかりを執念く擦り上げられた。
気持ちいいーーー!あっ、そこ、もっとこすって!
口が塞がれてるので声に出していないのに、愛希の反応だけで杜和は攻めてくる。
ぎゅうっと抱き付いて激しく震えた。
お腹の中が痙攣している。
「ん゛んっっ!ふ、ぅーー!」
杜和は震える体内にドクドクと射精した。深く唇を合わせて、愛希の伸ばされた舌を含んでジュウジュウと吸い上げながら、コレでもかと出しながら奥に擦り付けてくる。
「気持ちいい?愛希さん。」
愛希はビクビクと震え続ける身体で、杜和を見上げた。涙が出過ぎてぼんやりとした視界でも、杜和の色気がわかる。
コクコクと頷くと、杜和君は嬉しそうに笑いながら僕のチンコをまた指でクリクリと弄った。
今敏感だからやめて欲しい。
「気付いてます?出してないのにイッたんですよ。」
愛希は目を見開いた。
自分もてっきり射精したと思っていた。プルプルと震える手で自分のものを触ってみたけど、ドロドロと濡れてはいるけど確かに出ていない。
最近はちゃんと勃つし射精もしていたのに!?
「………………病気!?」
震える声で小さく叫ぶと、杜和君はとっても嬉しそうに笑っていた。
「愛希さん、可愛い。よしよし、本当に知識が抜けてますねぇ。中イキしただけなので病気ではありません。上手にイけましたね。」
頭を撫でながらチュチュとキスをしてくる。
中イキ、イク…………。なけなしの知識からそれは女の子の場合じゃなかったっけ?という結論が出てきだが、男性もあるの?と頭がパンクしだした。
後から調べないと…!
最近杜和からよく分からないワードが飛び出すたびに、今まであまり使われる事のなかった携帯で検索しているので、履歴が可笑しな隠語ばかりになってきた。
それを杜和がこっそり覗いて楽しんでいるのを愛希は知らない。
「…はっ、んちゅ、ん………んーーー……、と、杜和、くん、ね?………止まんない。……ビクビク、終わら、ない…………。」
気持ち良すぎて声が上手く出ない。
いつこの快感が終わるのか分からずに、なんとか訴えると、杜和君の表情がなんとも言えない笑顔になる。
目がギラギラと欲に塗れているのに、とても穏やかな笑顔なのだ。
「嬉しいです。俺はやっぱりこっち側ですよね。尻ではイけなかったので。愛希さんは最高です。」
そぉ、なんだぁー………?
僕も、えっと、タチ?にはなれないかなぁ?
でも質問の答えをもらってないーーー。
「僕、ちゃんと、出せるように、なる?」
杜和君はにこーと笑った。
「俺がちゃんと管理してあげますから大丈夫ですよ。」
え?かんり?何言ってるか分かんない。検索したらでる?
愛希の疑問は深まるばかりだった。
また春が来て桜が咲く頃、僕達の交際は一年経った。
杜和君は会社を辞めて、大学の頃の先輩が経営している会社に転職した。今の会社に入る時からの約束で、人脈作りとか経営形態とか諸々の事を今の会社で下地作りをして転職したかったらしい。
転職を前提に就職するなんて、いい大学出た人は違うなと感心した。
説明してくれてたけど何を言っているのか分からなかった。
僕は学校を卒業後、ちゃんとコーヒーショップの正社員になった。
同じビル内に藤間部長がいるのがちょっと嫌だったけど、なんでか藤間部長は地方に飛ばされていた。
杜和君と別れた後、夜遊びが酷かったらしくて、奥さんとその実家から怒られて、更生させられているらしい。離婚にならなくて良かったね。でも単身赴任なんだって。それってまた向こうで不倫でもしたらどうするんだろうって思ったけど、杜和君は離婚したらいいって毒を吐いていた。そしてそのまま島流しされておけって。
僕達は休日にドライブに出掛けた。
桜を見に行ったら物凄い渋滞に巻き込まれて、もう次は無いねって笑いあった。
僕は桜のピンク色を見ると、やっぱりまだ涙が浮かんでくるけど、隣で杜和君が手を繋いでくれると、不思議と涙は止まってしまった。
伊織と望和にはもう永遠に会えない。
魂すら、たぶん、もう会えない。
永遠のお別れだ。
でも今は隣に杜和君がいてくれるよ。
両親にカミングアウトしたら、喜んでくれたよ。
誰でもいいから一緒にいてくれる人が出来て良かったって言ってくれたよ。
だからウチの両親は杜和君が責任持って面倒見ますからって言ってくれて、そっちの方が号泣してしまった。なんと、ウチの親まで。
だから、僕は幸せだよ。
万歩が言う通り頑張ったら、幸せがやってきた。
きっと違うだろって言いそうだけど、そもそも万歩の言葉通りにしてなかったら、きっと家に篭りっきりになって杜和君とは会えなかっただろうから、万歩のお陰なんだ。
永遠のお別れになってしまったから感謝の言葉は伝えられないけど、今度から桜の花を見たらこう言うから。
「ありがと。」
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