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番外編
63 鳳凰と朱雀
空に極彩色の羽が舞う。
ドンっという衝撃音と共に、パッと散る色とりどりの羽が、青空の中にヒラヒラと舞った。
「なっぁにすんだっっよぉぉぉーーー!!!」
思いっきり神力の塊を投げつける。
小さな身体がバネのように伸び、グンと勢いをつけて前に両手を振り下ろした。
背に広がる羽は赤や青、緑の美しくも大きな羽だ。
鳳凰聖苺。
それが彼の名前だった。
鳳凰領の主人。子供の姿ながら畏怖される存在。
その彼に攻撃する存在がいた。
ヒョロリとした長身に猛禽類を思わせる瞳。唇は薄く、長い髪はかなり特徴的で変わっている。鳥の羽のようなのだ。尾羽のように長い羽がいく本も流れるように生えていて、その色は焦茶色の中にまだらに白色と黒の模様が入っている。風で靡くと内側は白い羽毛があるのか、ふわふわとこれまた長い柔らかそうな白い髪が見えた。
そしてその背には大きな鷲の羽がついていた。
大きな丸い瞳孔が聖苺という小さな獲物を捉えて離さない。
聖苺が投げた神力の塊は、空中でサラッと躱された。その間も聖苺から視線は外さない。
何あれ、目が怖いんですけど!
聖苺は朱雀領の空の上で、ギリギリと歯軋りした。
もうかなり前の事になるが、聖苺によって前朱雀紅麗は朱雀領に捨てられた。
殆どの鳥人は神浄外南内側にある鳳凰領で暮らしている為、朱雀の地は無法地帯に近い。
森が多く、気温は暖かいので暮らしやすいのだが、木の繁殖力が高い為、平して田畑にする事も出来ず、森林地帯が広がっている土地だった。
そんな所に住むのは様々な種族の血が混じった獣人達だった。地域的に主に鳥人の血が入ってはいるが、いろんな獣人種と伴侶になっていった所為か、生まれてくる子供は様々な姿をしていた。
彼等は身を寄せ合い小さな村を作って細々と暮らしていた。
紅麗はそんな村の近くにポイと置かれたのだ。
聖苺は慈悲として森林を地均しをして、小さな畑を作り、小屋を置いた。数種類の果物の木も植えて、暫くは暮らせる程度の金子と衣類、生活道具、食料を小屋の中に置き、それらを囲う盗難防止用の結界も張り、ここで暮らして反省しなさいと言った。
これは聖苺なりの優しさだった。
鳳凰領には戻せない。
鳥人の種族の存続を脅かした為、同族の中に戻せば何をされるか分からなかった。
かと言って巨城も同じ理由で連れて行くわけにも行かず、他の領地なんてもってのほか。
なので朱雀領に置くしかなかった。
お姫様育ちの紅麗が一人で暮らせるとは思わなかったが、仕方がない。
なんとか一人でやれるようにここまでした。
ポツンと置いて行かれた紅麗は、目を見開いて飛び立つ聖苺を見送るしかなかった。
紅麗はどうしたらいいのか分からなかった。
なにもした事が無かった。
顔を洗うのすら使用人が桶を持ち洗ってくれていた。顔を拭くのすらやってくれていた。
フラフラと小屋に入り、小さな部屋にヘナヘナと腰を落とした。
聖苺が用意した家はそこそこ立派に暮らせるものだったのだが、紅麗から見れば小屋だ。
木でできた壁に不安感しかない。
紅麗は机に用意されていた食事と水を食べて、隣の部屋の布団で眠ったが、食事は徐々に減っていくし腐っていく。
布団は使えば使うほど湿りシワがよって汚れていく。
ボロボロと涙が出てはどうやって生きていけばいいのかと悲観した。
お腹が空いて外に行けば、果物が生っていたのでそれを食べた。
何かを作るという発想はない。
近くの村に行って買い物をするという知識もない。
畑に何か野菜らしきものが生っているが、それがなんの野菜なのかも知らない。
畑の前でまた紅麗はヘナヘナと座り込んでいた。
「こんにちは。」
そんな時、声をかけられた。
一人の兎獣人の少女だった。
げっそりとやつれて汚れた紅麗は、ノロノロと顔を上げた。
「何してるの?」
聞かれても紅麗だって分からない。
何をしなきゃいけないのか分からない。
「………お腹空いてるの?」
お腹はいつも空いている。
果物しか食べていなかった。腹は膨れはするが満足はしない。
「何か作ろうか?」
少女は紅麗に手を差し伸べた。
兎獣人の少女の名前は富。毛の色は普通の茶色だ。瞳は少し明るい青色。
富の村は直ぐ近くにあった。
村の住人達は様々な種族がいる。世帯数は五十程度。だが親と子で皆獣人種が違う者が殆どだった。
色んな種族が婚姻を繰り返した結果、どんな子を授かるか予測がつかないのだ。
富の親はイタチと熊。兄弟は多い。猪、狐、虎、狼、山羊、鼠、そして富の兎。全員違う。だがこの中で一番強いのは富だ。
兎獣人の見た目の中に、獰猛な属性と溢れる神力を持ち合わせていた。
なんなら村の中でも一番強いし、近隣の集落の中でも一番強い。
だから代表で富はこの突然現れた家にやって来た。
危険性があったら排除するように言われた。
富はここのところずっと、この一軒家を観察していた。家と畑と果樹園がある。なんとも立派な家だ。
村の里長の家よりも立派。
報告では神獣鳳凰が飛び立ったと聞いている。
神獣が何故こんな辺鄙な朱雀領にと思ったが、突然現れたこの家を発見し、これを置いていったのだと皆推測した。
中にはとても綺麗な女性がいた。
おそらく鳥だ。
鳥人は獣性が表に出ない。耳は頭の側面に穴があるだけだし、目もこれといって特徴はない。一貫して小柄というだけだ。
その鳥人の女性をここ一月程観察していた。
とても綺麗な真紅の瞳と髪を持ち、嫋やかな身体は女性らしく美しい。顔立ちは気が強そうな美人だけど、ここに来た時からどこか憔悴して真っ青だった。
汚れてはいても綺麗で上等な服。
結えられた髪には簪が幾本か挿されていた。その一本でもあれば当分は暮らしていけそうだ。
その美しい人はどんどん薄汚れやつれていった。
全く生活出来ていない。
ご飯も風呂も何もしない。
かろうじて寝室で寝ているようだけど、着替えすらしていない。簪は邪魔になったというより、髪が解けて落ちたという感じ。
あんな直ぐ壊れそうな簪、ちゃんと拾って片付けてあるのか心配になってきた。
徐々に頬が痩けていく。
富は何度手を貸そうと思ったか。
そしてとうとう我慢出来なくなった。
食事を作り風呂を沸かす。部屋を掃除して、落ちていた簪を拾って大切に箪笥にしまった。
作ったご飯は汁物と粥にした。
見ていた限り果物しか口にしていなかったからだ。
お腹は空いているだろうに、食べる仕草は上品だった。その美しさに富は惚れ惚れとした。
お風呂はちゃんと大きな桶が置いてあって、湯を沸かせるようになっていた。薪だって直ぐそばの外に積まれていた。
富は神力が豊富なので直ぐに火を起こしてお湯を作った。
汚れたこの人を綺麗に綺麗に洗う。長い真紅の髪は洗えば綺麗に艶を作り滑らかだった。
ちゃんと香油まで置かれていて、荒れた髪と肌にも馴染ませた。
「ぐふ、きれー。」
変な声が出てしまった。
風を送って髪を乾かし、布団は綺麗な敷布と交換した。明日はこの布団も干して、服共々洗濯しよう。
富はすっかりこの人を綺麗にする事に熱中してしまった。
だって凄くきれいなんだもの!
遅ればせながら漸く名前を聞いたら、「紅麗。」とポツリと呟いた。はて、神獣朱雀様と同じ名前だけど?と思ったが追求するのはやめておいた。
最近朱雀は追放されたと聞いたからだ。
噂だ。
なんでも銀狼を殺そうとしたとか?
もし本当だとしても、富は自分がこの美しい鳥を守ってあげようと心に決めた。
一目惚れだった。
紅麗は兎に角お嬢様育ちだった。
何にも知らない。知らな過ぎてびっくりするくらいだ。
何を教えても驚く。
富は勝手に紅麗の家に居着いたが、紅麗は全く気にした様子もない。世話をされるのが当たり前だったから、赤の他人の富がいても気にならないんだなと思った。
身体に触れても全く抵抗しない。
なんなら紅麗の豊満な胸に顔を埋めても嫌がらない。
何してるんだろう?と不思議そうにしている。
富はいつも笑顔でいる事を心掛けたから、紅麗も笑うようになった。
その笑顔のなんと可憐なことか!
「くふふふ、美し過ぎて閉じ込めてたい。」
願望が口に出てしまった。
「わたくしはこの結界の中から出ても行く所がないわ。」
喋り方も上品で綺麗だった。
「富のおかげで、わたくしは救われました。何か欲しい物が有ればこの家の中から持って行って構わないわ。」
「んー、紅麗の胸が欲しい。」
「まあ。」
紅麗には冗談に取られたが、富は本気だ。
ふかふかで気持ち良い。これは富のモノだ。
だいぶ慣れた頃に富の村に連れて行った。
初めて露天を見たらしく、終始物珍しげに目を輝かせていた。
村の住人達は美しい紅麗にワラワラと寄って来たが、富が全て威嚇して散らせた。富に勝てる獣人はいないのだ。
紅麗には村人と変わらない質素な服を着せたのだが、その美しさは隠せる物ではない。
しかしそれすら富には自慢だった。
紅麗の美しさは富のモノ。
毎日毎日、富は紅麗を磨いた。
そして、紅麗には富が居なくてはならない最も信頼のおける大事な人になった。
「富が居ないとわたくしは生きていけません。」
涙を流してそういう紅麗に、富は言った。
「じゃあ伴侶になってずっと一緒にいればいいよ。あたしがなんでもしてあげる。」
紅麗は感謝して頷き、富はほくそ笑んだ。
そうやって二人は伴侶となった。
という経緯によって生まれたのが鷹獣人薬漣だった。
紅麗と富に育てられた薬漣は、二人の豊富な神力を受け取り生まれながらに羽を持っていた。
紅麗は自分の命を削って胎を使って産めと教えられて育ったのに、普通に生命樹の枝に卵を成して生まれてきた薬漣に、涙を流した。
「……あ、待ってちょうだい、富。もう直ぐあの子が帰ってくるわ。」
「外で待たせとけばいいよ。」
茶色のふわふわの兎耳を揺らしながら、富は青い瞳を細めて言い切る。この家で一番強いのは薬漣なのだが、発言権が強いのは富だった。
富は豊満な紅麗の乳が大好きだ。柔らかくていい匂いがする。薬漣がいると嫌がるのでしないが、いない時は触るし揉むしチュウッと吸ったりする。
今も昼餉の後の休息時間に堪能しようとしていた。
「あら?待って、本当に……、この神力は……。」
「んん?なんか……誰?凄い、薬漣と張り合ってる。」
そう二人が言うや否や、屋根がぶち抜かれた。
ドシャーーーーーンという破壊音と砂埃、壊れた屋根には穴が開いていた。
「いったぁー~~~~っっい!!なんだよコイツ!」
「聖苺……。」
「げっ、鳳凰!?」
落ちてきたのは鳳凰聖苺だった。極彩色の羽で面識のない富にも分かった。
「うっわ、ちょっと小突いたくらいで激突すんなよ。」
扉を開けて薬漣が入ってきた。
家は紅麗用に作った為、扉は低いので、背の高い薬漣は背を屈めて入ってくる。
「はあぁぁ!?僕は話し合いに来たの!喧嘩しに来たわけでも殺し合いに来たわけでもないの!」
聖苺は起き上がって頭から流れる血を拭い、手のひらを当てて傷を一瞬で治した。
「何をしに来たの?」
硬い声で紅麗が尋ねた。
聖苺は何をするか分からない薬漣に気を付けながらも、紅麗をチラリと見る。
紅麗の隣には小柄な紅麗と同じくらいの小柄な兎獣人がいるのを確認して、その中身を見てへぇと感嘆する。
見た目は兎獣人で適齢期が早かったのか幼く見えるが、神力の量がかなり多い。
なるほど、と思った。この兎獣人と元朱雀の紅麗ならば、この凶暴な鷹獣人が生まれてもおかしくない。
兎獣人の中にはあらゆる種族が混ざっていた。それこそ鳥人も入っている。
狙ったわけではなく、たまたま神力の強い鳥獣人が生まれたのだ。
「うーーーん、僕は君の次の朱雀に彼を指名しようかと思って声掛けたんだよ?そしたら攻撃されたんだよねぇ。」
これには富が怒った。
「はぁ!?当たり前でしょ!?紅麗追い出したのアンタじゃん!」
「そうだけど、しょーがないでしょ?同じ神獣裁けるのは神獣しかいないんだから。他の奴等に任せたら命が無かったよ?」
聖苺としては感謝して欲しいくらいだが、紅麗家族には毛嫌いされていた。
ま、そうだよねぇとは思ってたんだけど。
「今更、鳥の一族と馴れ合う気はないわ。」
「そうは言っても鳥人は弱体化する一方なんだよね。それが、ここに強い神力を持って、しかも羽持ちで生まれた鳥人が誕生している。君達は可能性なんだよ。鳥の純潔ばかりを追求していた奴等が君達に注目している。鳥と鳥ではなく、鳥と強い神力を持つ者を伴侶にすべきだという見方が出ているんだ。今なら君達の息子が朱雀となれば、紅麗の罪は無くなるばかりか、神獣の親として崇められるし俸禄ももらえるよ?」
聖苺の言葉に紅麗の瞳が揺れる。
「鳥族なんか関係ない。」
薬漣は言い切った。薬漣の中には様々な種族の血が流れている。鳥だけではないのだ。たまたま鳥の姿が出ただけだ。
聖苺はあーーー、と天を仰いだ。屋根に開いた穴から青空が見える。
紅麗を朱雀の地位から外してから、その後誰も朱雀になれる者がいなかった。
弱すぎるのだ。
殆どの鳥人は神力が無いに等しい。
そんな彼等を鳳凰領で匿っているようなものだ。
朱雀の地はもう鳥の領地とは言えない程、多種多様な種族が存在していた。
そんな地を統治出来る者はそうそういない。
薬漣ならばと思ったのだ。
この様子ではそれを言っても了承しそうにない。
次に羽持ちが生まれるのはいつだろう?
生まれてくるか分からない強き鳥人が現れるまで、聖苺は一人で二つの領地を見なければならない。
正直、面倒臭い。
聖苺は自分の胸に手を当て、内側から朱雀の神核を取り出した。真紅色の綺麗な石だ。
「それが、朱雀の神核?」
薬漣が興味を惹かれたように覗き込んできた。
聖苺よりかなり背が高いので、小さい聖苺はウッとなる。
あまり上から見下ろされたくないなぁと思いつつ、薬漣が引き受けてくれるように朱雀の神核を見せた。
「そ。どう?引き受けない?君なら申し分ない。」
「へぇ。」
薬漣の瞳はまん丸で大きく、何を考えているのか分かりにくい。
なんか掴みどころがなくて怖いなぁと思いつつ、聖苺は少し距離を取る。
その距離も薬漣の長い手で意味が無かった。
ガシッと神核を掴んだ腕を捕まえられた。
「……………。」
「……………。」
お互い顔を見合わせる。
「朱雀の神核いる?」
「いらないな。」
ちぇーっ、と聖苺は唇を尖らせた。
結局、聖苺は一人鳳凰領に帰ってきた。
聖苺は夜空を羽ばたき、はぁ、と自分の家で溜息を吐く。
降り立った場所は外に通じる単なる廊下。
塔のように高く積まれた石の上の城だ。
ひび割れ角は欠け、羽を持った獣人の彫刻は首がもげている。
何の手入れもしない無人の城。
そこが聖苺の家だった。
聖苺は楽天的で、人を揶揄うのが好きだけど、一人になる時は誰も要らない。
家臣も使用人も今まで一人も置いたことがない。
無音の世界に風の音だけを聞いて生きてきた。
聖苺が生まれた時は、既に羽を持つ獣人は殆どいなかった。数人はいたが、皆大事に囲まれて生きていたし、暫くするといなくなってしまった。
聖苺は徐々に人を遠ざけ、この城には誰も入らせないようにした。
聖苺は自分の羽が好きではない。
誰とも違う背中の羽。色鮮やかで隠しようがない。
今日見た薬漣の羽はいいなと思った。
薬漣の羽は髪の毛と同じだった。焦茶に白と黒の模様。内側は真っ白な産毛の白。髪と同じ羽。長くて柔らかそうな羽。
こんな剛毛の毛じゃない。
自分の羽を無造作に握った。そしてブチブチと引き抜いた。
痛みが走るがたいして気にならない。
空に向かってポイッと投げた。
風に乗って赤や青の鮮やかな羽が飛んで行く。
「うっわ、何ここ。俺んちよりひでぇ。」
突然空から声がした。
聖苺は上を仰いでニヤリと笑う。
「はは、見つかっちゃった。」
ここには誰も入れないように聖苺が結界を張って見えないようにしていたが、薬漣には意味をなさなかった。
「気になってきたんだ。」
「ふうん?」
聖苺は首を傾げた。
「あんた、怪我しても痛くないんだろ?」
「やだなぁ、痛いけど?」
ただ鈍いだけだ。
聖苺は母の朱雀の胎から出た時、卵に入っていたが、直ぐに割って出てきた。
母は痛い痛いと苦しんでいた。聖苺の入った卵が大きすぎたのだ。
股が裂け、腹が破れていた。
治癒を……、そう思ったが、母は拒否した。
「治すな!化け物め!なぜ、私が産まなければ、ならない!お前など、いらない!!」
いらない、化け物、そう言って母は死んでいった。
聖苺は産まれてすぐに親から拒否された。聖苺の存在も能力も、いらないと言われた。
聖苺は痛いと泣きながら死んでいった親を、ずっと見ていただけだった。
あんなに痛がっている人がいて、治すことのできる自分が痛がるなんて、おかしな事だなとしか思っていない。
薬漣は怪我を痛がる素振りもなく治した聖苺を見て、違和感を覚えた。あの時怪我していたのは頭だけじゃない。足も羽も折れていた。なのに平気な顔して立っていた。
紅麗は朱雀の時の人生が一番嫌だったと言っていた。今が幸せだと。
「神獣って大変か?」
「さあ?」
聖苺はもうずっと鳳凰なのだ。面倒とは思うが、大変か分からない。
ほれ、と薬漣が手を出した。
「なに?」
「朱雀の神核、出せよ。」
え!と驚きつつ、聖苺は朱雀の神核を薬漣に渡した。
受け取った神核を薬漣はポイっと口に含んで飲み込んでしまった。
聖苺は単純にやったーやったーと喜んでいる。
「見た目が子供だと精神年齢も子供のままなんだなぁ。」
まん丸の瞳を細めて薬漣は呟いた。
可哀想に。
薬漣は口をギュッと結ぶ。
自分の運命を認識したくない子供のような聖苺を、哀れに思って朱雀になる事を決めた。
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