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8-10 死神
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すると、トウヤの背後に巨大な蜘蛛の巣が現れた。
ケイトとタイシ達のときと同じだ、とサクマは思った。
あれは魂を捕らえる網なんだ。
「トウヤが捕まる!」
サクマの叫びとともに、ルドンがパチン、と指を弾いた。
頭に生えている一本のツノが伸び、目つきが鋭くなる。
黒い爪が尖り、きらりと光った。
「クックック。逃がすかよ。大事な大事なウチの客をよ!」
ルドンの黒い爪が、バッコへと襲い掛かる。
しかし、バッコは当然のようにそれを見切る。
優雅な動作でその爪を避けようとした時だった。
ビーッ! ビーッ!
音量最大の特大アラームがそこにいる全員の耳をつんざいた。
その一瞬、バッコに隙ができた。
ルドンはバッコの額に黒い爪を突き刺す。
とたん、辺りが一面の黒い闇に染まっていった。
サクマは特大騒音の元凶であろうものをズボンのポケットから取り出した。
コックリさんが勝手にアラームを鳴らしたのだ。
ついでに、なにやらラインが来ている。
【コックリさん
面白いニュースが出てたから、送るよー。
――――――――
「闇ネットニュース」
速報! 今年の闇オークションの開催地がついに決定!
草笛市のリサイクルショップ・スプーキーリサイクルです。
皆さま、ふるってご参加ください】
「ルドンッ! 闇オークションの開催地が……決まった! スプーキーリサイクルだよ!」
思わず叫ぶ、サクマ。
それにルドンは、ニヤリと口角を上げた。
「闇オークションが来る! サクマ、俺の後ろに隠れてろ」
「え? そ……そんなすぐに来るのッ?」
「闇ネットニュースに情報が上がってるんなら、来る!」
「……オークションは、いつ始まるのッ?」
「たった今からだよ!」
とたん、店内の照明が落ち、一切の明かりが無くなった。
スマホのディスプレイには、十八時とある。
「ルドン! 逢魔が時が終わるまで、あと一時間だよ!」
「心配すんな。闇オークション開催中は、時間という概念はすっぽりなくなる。オークションが終わるまで、この世は永遠に十八時だ」
「う、嘘でしょ……」
どこからともなく、カーンと言うプライスハンマーの音が、辺りに響きわたった。
パッと明かりがつく。
とたんサクマは、息をごくりと呑みこんだ。
目の前に、荒地が広がっていた。
見慣れたスプーキーリサイクルの店内は微塵も消えさり、曇り空がさみしげに流れる殺風景な場所へと変わり果てていた。
「まるで、地獄みたいなところだ……」
サクマのつぶやきは、一陣の風にかき消えていく。
バッコが高らかに叫んだ。
「——さあ、闇オークションの始まりだ!」
ケイトとタイシ達のときと同じだ、とサクマは思った。
あれは魂を捕らえる網なんだ。
「トウヤが捕まる!」
サクマの叫びとともに、ルドンがパチン、と指を弾いた。
頭に生えている一本のツノが伸び、目つきが鋭くなる。
黒い爪が尖り、きらりと光った。
「クックック。逃がすかよ。大事な大事なウチの客をよ!」
ルドンの黒い爪が、バッコへと襲い掛かる。
しかし、バッコは当然のようにそれを見切る。
優雅な動作でその爪を避けようとした時だった。
ビーッ! ビーッ!
音量最大の特大アラームがそこにいる全員の耳をつんざいた。
その一瞬、バッコに隙ができた。
ルドンはバッコの額に黒い爪を突き刺す。
とたん、辺りが一面の黒い闇に染まっていった。
サクマは特大騒音の元凶であろうものをズボンのポケットから取り出した。
コックリさんが勝手にアラームを鳴らしたのだ。
ついでに、なにやらラインが来ている。
【コックリさん
面白いニュースが出てたから、送るよー。
――――――――
「闇ネットニュース」
速報! 今年の闇オークションの開催地がついに決定!
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皆さま、ふるってご参加ください】
「ルドンッ! 闇オークションの開催地が……決まった! スプーキーリサイクルだよ!」
思わず叫ぶ、サクマ。
それにルドンは、ニヤリと口角を上げた。
「闇オークションが来る! サクマ、俺の後ろに隠れてろ」
「え? そ……そんなすぐに来るのッ?」
「闇ネットニュースに情報が上がってるんなら、来る!」
「……オークションは、いつ始まるのッ?」
「たった今からだよ!」
とたん、店内の照明が落ち、一切の明かりが無くなった。
スマホのディスプレイには、十八時とある。
「ルドン! 逢魔が時が終わるまで、あと一時間だよ!」
「心配すんな。闇オークション開催中は、時間という概念はすっぽりなくなる。オークションが終わるまで、この世は永遠に十八時だ」
「う、嘘でしょ……」
どこからともなく、カーンと言うプライスハンマーの音が、辺りに響きわたった。
パッと明かりがつく。
とたんサクマは、息をごくりと呑みこんだ。
目の前に、荒地が広がっていた。
見慣れたスプーキーリサイクルの店内は微塵も消えさり、曇り空がさみしげに流れる殺風景な場所へと変わり果てていた。
「まるで、地獄みたいなところだ……」
サクマのつぶやきは、一陣の風にかき消えていく。
バッコが高らかに叫んだ。
「——さあ、闇オークションの始まりだ!」
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