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丸玉庭園

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9-7 闇オークション

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「さあな。鬼である俺でさえ、それがどんなものなのかわからねえよ。だけどな、ルドンさまが昔こう言っていたんだ——【魂のゆりかごが本当に完成されてしまったとき、それはこの世の終わりに等しい】ってな」
 サクマはゾッとして、バッコを見上げる。
 その手元には、オークションで落札される前の魂たちがふよふよと浮いていた。
「だけど、魂のゆりかごを完成させるには、大量の恐怖がいる……バッコはどうやって、ゆりかごを作るつもりなんだ?」
「そんなの簡単だよ」
 鬼の疑問に、バッコがニッコリとほほ笑む。
「地獄を人間界に出す。そうすれば、人間たちの恐怖が一気に集まるじゃん」
「なっ!」
「人間たちにちまちまと恐怖体験なんてさせていた自分がバカみたいだよ。もっと早くにこうすればよかったなあ。アッハハハ」
 わざとらしく笑うバッコに、ルドンは顔をしかめる。
「さあ、人間界に地獄がお出ましだ。出すのは瀬戸内海あたりにする? ちょうど、桃太郎で有名な岡山県が近いしねえ」
 そう言ってバッコは懐中時計を取り出し、その針を動かし始めた。
「あの時計は……っ?」
 慌てるサクマに被せるように、鬼が叫んだ。
「閻魔大王さまの懐中時計! 時を思いのままに進められる地獄の最高裁判長のみが持つことを許されたもんだ。まさか……盗んだのか?」
 バッコの口笛とともに、その足元に闇が生まれる。
 そこから、ぬるり……と、大きな板のようなものが三枚、勢いよくせせり出てきた。
 それは三メートルほどの鏡だった。
 まわりに豪華な装飾が施されている。
 鏡は向かい合い、バッコを取り囲んでいた。
「あ、合わせ鏡……!」
 ルドンがうなる。
 合わせ鏡とは、現世と地獄を繋ぐ扉を開くもの。
「四時四十四分、地獄の扉は開かれる。鏡をさらに大きくし、瀬戸内海を合わせ鏡にする! そうすれば、地獄丸ごと現世にお出ましさ! ルドン、もうお前はお終いなんだよ!」
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