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エバーハルト王国での新生活(フェスラー編)
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「ここって、エバーハルト王国なの?」
「そうですよ。レオン様の結婚式が明日に迫っています」
「えっ、明日って早くない?」
「マテウス様が1年前から準備を始めていたようです」
1年前から準備を始めていたと聞いた時どれだけ自信があるんだよと驚いた。
そして、レオン様がまだ現実感のないまま部屋にいたので、結婚式の準備の確認に行けばその規模たるや100人以上が常時教会の改修や結婚式の準備に追われている。流石、王太子の結婚というところか。
祖国であれば形式だけでも同盟国を招待しないといけない。そうなると、半年前には招待状を送ることになる。
「一国だけなら3日で済むのか・・・」
思ったことが口に出たら、隣にいた黒髪の男がぶっすとした顔で睨み付けてきた。
「そんな訳あるか。一応一族の者であれば誰でもいいとは言っているが、3日後の結婚式に出席しなければ爵位のはく奪。国外追放と言われて貴族はみんな大混乱だよ!」
「そ、そうだよな・・・どこの国も大変だな」
この黒髪の男は、賭博場で俺たちをチクった男だ。名前は確かオスカーだったか。
優秀なのかもしれないが、レオン様が気に入らないのか何かと絡んでくるのだ。
この国に来るときもこの男と馬車が同じだった。マテウス様がレオン様とふたりっきりになりたいとワガママを言ったせいだ。
「第二王子といえども護衛は大変だっただろう」
「そりゃあ、大変でしたよ」
「俺なんか7人の刺客に囲まれたことがあったが、無事に王子を連れて逃げ切った」
「私は15匹の猫に襲われたことがありますよ。王子が餌をやり過ぎて猫の王国ができそうな勢いでしたのでお止めしたら、一斉に襲われて王子を抱えて逃げました」
「そういえば王子と視察で辺境地に行ったとき、賊に襲われ全員を返り討ちにしたこともあったな」
「そりゃ、凄いですね。私は王子と賊に襲われ、捕まった先で料理や洗濯、子供の世話までやらされましたよ。私が余りにも完璧だったせいでこのまま残って欲しいという賊共を必死に説得して、王宮に戻りましたがウベルト王太子に帰るのが遅いと怒られ、必要な時間だったと返り討ちにしました」
「ほう・・・心理戦が得意なのか」
「いえ、ただ楽しくって王子が帰りたくないと言っただけですが・・・」
「ッツーーー!なんだお前達メルヘンの国から来たのかよ」
「それどこの国です、頭大丈夫ですか?」
レオン様の意識がしっかり戻った時もそうだ。結婚式と聞いてもう祖国に戻れないと気づいたのだろう。
「あっ、僕のどんぐりは?」
「ここにありますよ」
「良かった・・・ああっ、雲の製造機は?」
「厨房に預けてあります」
「じゃあ、また食べられるね。・・・・あ“!!貝殻、去年兄上と一緒に集めた貝殻は?」
「大丈夫です。すべて持って来ております」
「良かった~。流石フェスラーだね。もう捨てられたかと思ったよ」
「まさか、レオン様の大切な思い出の品ですよ」
「・・・・・」
2人で部屋を出ると、オスカーが頭をガシガシ掻き『やってらんねー』と言い出した。
「そんなに頭が痒いなら、私のシャンプーを貸しましょうか?」
親切で言ったのに、怖い顔をしてどこかに行ってしまった。マテウス様には従順だが彼は要注意かもしれない。
「そうですよ。レオン様の結婚式が明日に迫っています」
「えっ、明日って早くない?」
「マテウス様が1年前から準備を始めていたようです」
1年前から準備を始めていたと聞いた時どれだけ自信があるんだよと驚いた。
そして、レオン様がまだ現実感のないまま部屋にいたので、結婚式の準備の確認に行けばその規模たるや100人以上が常時教会の改修や結婚式の準備に追われている。流石、王太子の結婚というところか。
祖国であれば形式だけでも同盟国を招待しないといけない。そうなると、半年前には招待状を送ることになる。
「一国だけなら3日で済むのか・・・」
思ったことが口に出たら、隣にいた黒髪の男がぶっすとした顔で睨み付けてきた。
「そんな訳あるか。一応一族の者であれば誰でもいいとは言っているが、3日後の結婚式に出席しなければ爵位のはく奪。国外追放と言われて貴族はみんな大混乱だよ!」
「そ、そうだよな・・・どこの国も大変だな」
この黒髪の男は、賭博場で俺たちをチクった男だ。名前は確かオスカーだったか。
優秀なのかもしれないが、レオン様が気に入らないのか何かと絡んでくるのだ。
この国に来るときもこの男と馬車が同じだった。マテウス様がレオン様とふたりっきりになりたいとワガママを言ったせいだ。
「第二王子といえども護衛は大変だっただろう」
「そりゃあ、大変でしたよ」
「俺なんか7人の刺客に囲まれたことがあったが、無事に王子を連れて逃げ切った」
「私は15匹の猫に襲われたことがありますよ。王子が餌をやり過ぎて猫の王国ができそうな勢いでしたのでお止めしたら、一斉に襲われて王子を抱えて逃げました」
「そういえば王子と視察で辺境地に行ったとき、賊に襲われ全員を返り討ちにしたこともあったな」
「そりゃ、凄いですね。私は王子と賊に襲われ、捕まった先で料理や洗濯、子供の世話までやらされましたよ。私が余りにも完璧だったせいでこのまま残って欲しいという賊共を必死に説得して、王宮に戻りましたがウベルト王太子に帰るのが遅いと怒られ、必要な時間だったと返り討ちにしました」
「ほう・・・心理戦が得意なのか」
「いえ、ただ楽しくって王子が帰りたくないと言っただけですが・・・」
「ッツーーー!なんだお前達メルヘンの国から来たのかよ」
「それどこの国です、頭大丈夫ですか?」
レオン様の意識がしっかり戻った時もそうだ。結婚式と聞いてもう祖国に戻れないと気づいたのだろう。
「あっ、僕のどんぐりは?」
「ここにありますよ」
「良かった・・・ああっ、雲の製造機は?」
「厨房に預けてあります」
「じゃあ、また食べられるね。・・・・あ“!!貝殻、去年兄上と一緒に集めた貝殻は?」
「大丈夫です。すべて持って来ております」
「良かった~。流石フェスラーだね。もう捨てられたかと思ったよ」
「まさか、レオン様の大切な思い出の品ですよ」
「・・・・・」
2人で部屋を出ると、オスカーが頭をガシガシ掻き『やってらんねー』と言い出した。
「そんなに頭が痒いなら、私のシャンプーを貸しましょうか?」
親切で言ったのに、怖い顔をしてどこかに行ってしまった。マテウス様には従順だが彼は要注意かもしれない。
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