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初めての商売だったが、みんなが頑張ってくれた結果在庫が増えつつあった。
「王都だけでは、売りさばけない量になってきたな」
「大口のお客様も増えてきたけど、確かに・・・」
「少し足を延ばして別の街にも販売ルートを作るか。そうだな、ここから北のサ・マリン侯爵とルヒド子爵が治める街が規模も大きく比較的治安がいい。明日にでも交渉してみるよ」
宰相を務めるお父様は、顔も広く貴族からの信頼も厚い。
サ・マリン侯爵とルヒド子爵もお父様の話を聞いて喜んで契約してくれた。耳の速い貴族たちが『我々とも契約をして欲しい』と誘いもあり、あっと言う間に7つの支店ができた。この頃には馬車は48台になっていた。
売り上げは好調で嬉しい悲鳴とはこのことだろう。新な支店長には初期から働いていた従業員が任されることになった。気慣れないスーツを着た支店長達は恥ずかしそうにしていたけど、オーロラ商会のトレードマークである『オーロラを背中に1輪の百合を持った少女』の懐中時計とカフスボタンが贈られるとどこか誇らしい顔をしていた。
オーロラ商会のトレードマークに採用されたのは、母様の子供の頃の絵姿だ。母の優しい眼差しは多くの人を照らしてくれるだろう。支店長も従業員として一緒に転勤する者もお父様の話を真剣に聞いていた。
「私が選んだ者たちに支店を任す。思う存分君たちの力を発揮して欲しい」
そう締めくくったお父様の言葉に元気に答えたのは今回支店長に選ばれたルビーだ。
「任せてください!」
彼女は仕事ぶりは丁寧で誰に教わることもなく、毎日来店されたお客様の名前や好み、その家族の趣味や誕生日までまめにメモをしていた。そんな彼女の心遣いを気に入り、彼女に接客して欲しいという顧客がとても多かった。そこを見込んでルビーは商会の本部となる本店を任されることになったのだ。
女性の抜擢も珍しいが、お父様はそんな彼女を選んだ。ルビーの胸元にはカフスボタンの代わりにブローチが飾られていた。そんな彼女に触発されて、多くの部下が育っている。
その年の春、王都の中央にある一等地に新事務所が完成した。4階建ての建物は1階にお父様とルビーが認めた最高級品を扱うお店が入っている。
そして本店の2階は、会員が利用する待合室兼商談室になっている。ここに通されるのはお父様に一流と認めた会員だけだ。お金を払えば会員になれるわけではない。このシステムは貴族の心をくすぐり連日話題になった。
王都に新たな観光名所が誕生したのだ。
***
「お嬢様、最近巷ではオーロラ商会のマークを1日に3回見るといいことがあるというジンクスがあるようですよ」
「だったら、私たちは1日3回以上マークを見てるわね」
「ええ、だから毎日幸せでいられるのです」
1週間おきに、支店から報告書が送られてくる。みんな元気なようで中には誰と誰が結婚したとか、子供ができたと言う報告もある。
「サ・マリンの支店長にダンが選ばれたとき、メグが泣き出したでしょ。絶対あやしいと思っていたのよ」
「はい。はい。あんたもダンを狙ってた口でしょ」
「そうなのよ!悔しい~誰か紹介してくださいよ」
「平民の私たちでもオーロラ商会の従業員と言えば、勝手に男が近づいてくるでしょ」
「そうなんですが・・・父親より年上の貴族が後妻に欲しいとか変な話ばっかり来るんですけど」
「分かるわ!私のところもよ」
***
オーロラ商会の知名度が上がると、サ・マリンの街に行くのならば石鹸や香油を買ってきて欲しい。ルヒドの街と王都の途中にあるルランの村で木材を仕入れて欲しいと言った注文が入るようになった。
従業員が持ち帰ったサンプルは、レイシャルや女性従業員が実際に使ってみて感想を言い合うことにしている。例えば石鹸だと、もう少しお湯で溶けるようにして欲しいとか、香りに工夫を凝らしてはどうかと言った具合だ。
王都の人間は目が肥えているが、みんなで考えたアイデアで生れた商品は瞬く間にヒット商品になった。多くの商品を扱うオーロラ商会の交渉役のなかでも1番腕と勘が冴えるのはベンハーだ。
ベンハーは元々娼館のよびこみびだった人物だ。
「ここで交渉が得意な者を探していると聞いた。俺でも雇ってくれるのか?」
ある日、ベンハーはド派手なシャツを着て事務所に訪れたのだ。一瞬その道の人が来たのかと怯えた従業員は、慌ててお父様を呼びに走った。
お父様が商会の事務所に着いた時には「まあ、取って喰わねえから安心しろ」とカウンターに座り、大笑いしている熊のような大男がいたという。
父はベンハーの座っているカウンターに近づくと『何故ここで働きたいと思ったか聞かせてくれるか』と聞いたそうだ。
「よびこみをしてるとアンタのところの馬車を1日16回は見る。恐らく、方向と時間からしてサ・マリンの馬車が8台。サ・マリンからの馬車は香油を運んでいるのだろう?やけに慎重だ。ルヒドからは4台。残りの馬車は時間がまちまちだから分からないが、毎日見てると気になってな・・・」
ベンハーは推察力や記憶力がとても良かった。
よびこみと言うより護衛になった方がよっぽど似合っているが、お父様はすぐに才能を見抜き右腕にすべく鍛えこんでいる。
ベンハーもよっぽど仕事が面白いのだろう、大きな男が目をキラキラさせて、お父様が褒めると子供のように喜ぶのだ。
「くすくす・・・」
「どうしたレイシャル?」
「なんだか、屋敷が動物園みたいで楽しいわ」
みんなできることを一生懸命しているだけだったが、気付いたらオッド公爵家は巨万の富を得ていた。そのお金は困っている人々に分配され、暴動の噂も聞かなくなっていた。
***
雇用を増やすためタウンハウスでも、新たに15名の使用人が増えた。
お母様が亡くなってからはお父様とふたりで食事をしていたけど、今ではベンハーやルビーも同席し賑やかになった。使用人達も私達を支えてくれる優しい人たちだ。
使用人たちの中には初めての仕事に悪戦苦闘している者もいる。
「お嬢様~、アンネッタを怒ってくださいまし。私がお嬢様のドレスは繊細だから優しく洗うようにお願いしたのに、乱暴に洗って破いてしまったのです」
「アンネッタ、何か説明で分からないことがあったの?」
「いえ、今まで自分の服はゴシゴシ洗わないと汚れが取れないので、思いっきり洗っていました。それよりは力は抜いたのですが、お嬢様のドレスを破ってしまって・・・私・・クビでしょうか?」
「いえ、クビにはしないわ。ふたりとも私のドレスに着替えなさい」
「「え?」」
「実際にシルクのドレスを着てみればいいのよ。そうすれば力加減がわかるでしょう」
「サリー、アンネッタ、急ぎなさい」
***
「サマリ、馬車を出して。市場に向かうわ」
「・・・そのふたりは、なぜドレスを」
ドレスを着たふたりはどこかすました顔で私の後ろを歩いている。年頃のふたりだ、ドレスを着て化粧をすればテンションも高くなる。
(サリーは元々子爵の令嬢なのでドレスは着なれているわね。でもアンネッタはドレスを着るのは初めてかしら?顎をツンと上げて、あれが令嬢のイメージなのかしら?すごく可愛いわ)
ふたりと一緒に馬車に乗り込むと、椅子に座る瞬間ビリっと音がした。
「ひうぃ!」
「大丈夫よ、破れていないわ。椅子に座るときは浅く腰掛け背筋を伸ばすの」
「はい」
初めて乗る馬車にアンネッタは興奮していたけど、あっという間に馬車は市場に着いた。ふたりはドレスを摘まみ馬車をお降りる。
ビリッ
「え?」
「サリー、馬車の金具にリボンが引っかかっているわ。リボンが取れそうだけど、破れてはいないわ。大丈夫よ」
「あ、申し訳ありません・・・」
今日は市場調査を兼ねているので今日は王都で1番人気が高いカフェに入る。ふたりとも噂で聞いたことがあるのか、名前を言うと『嘘~!』と驚いていた。先ほどまでしょげていたふたりも元気を取り戻したようだ。
「お嬢様!このケーキとても美味しいです」
「この紅茶も早く飲んでください、こんな美味しい紅茶初めてです」
完全に素に戻ったふたりは『あの人達デートかしら、仲がいいわね』『ちょっと見て、あの人素敵じゃない?』と女子トークを炸裂させていたけど、喜ぶふたりの顔に私も大満足だ。
それに、来店数やメニューの内容を確認していたけどふたりは気付いていない様子で、ふたりのお蔭でたっぷり2時間は居座ったのだ。
「今日一日ドレスを着てみてどうだった?」
「落ち着かないので早くこのドレスを脱ぎたいです・・・」
「私も。それに背中を伸ばし過ぎて筋肉痛です」
「ふっふ。では、ふたりとも今着ている服は洗って返してね」
「もちろん。赤ちゃんを洗うように優しくします!」
それからは上手に洗濯もできているようだ。仲良くなったふたりがおしゃべりに没頭していると、サマリが注意をするがたまにふたりに言い負かされている。護衛らしく鍛えられた逞しい男が、若い女性にたじたじになっているのも見応えがあるというものだ。
新しい使用人たちも屋敷に馴染んだようで良かった。
「王都だけでは、売りさばけない量になってきたな」
「大口のお客様も増えてきたけど、確かに・・・」
「少し足を延ばして別の街にも販売ルートを作るか。そうだな、ここから北のサ・マリン侯爵とルヒド子爵が治める街が規模も大きく比較的治安がいい。明日にでも交渉してみるよ」
宰相を務めるお父様は、顔も広く貴族からの信頼も厚い。
サ・マリン侯爵とルヒド子爵もお父様の話を聞いて喜んで契約してくれた。耳の速い貴族たちが『我々とも契約をして欲しい』と誘いもあり、あっと言う間に7つの支店ができた。この頃には馬車は48台になっていた。
売り上げは好調で嬉しい悲鳴とはこのことだろう。新な支店長には初期から働いていた従業員が任されることになった。気慣れないスーツを着た支店長達は恥ずかしそうにしていたけど、オーロラ商会のトレードマークである『オーロラを背中に1輪の百合を持った少女』の懐中時計とカフスボタンが贈られるとどこか誇らしい顔をしていた。
オーロラ商会のトレードマークに採用されたのは、母様の子供の頃の絵姿だ。母の優しい眼差しは多くの人を照らしてくれるだろう。支店長も従業員として一緒に転勤する者もお父様の話を真剣に聞いていた。
「私が選んだ者たちに支店を任す。思う存分君たちの力を発揮して欲しい」
そう締めくくったお父様の言葉に元気に答えたのは今回支店長に選ばれたルビーだ。
「任せてください!」
彼女は仕事ぶりは丁寧で誰に教わることもなく、毎日来店されたお客様の名前や好み、その家族の趣味や誕生日までまめにメモをしていた。そんな彼女の心遣いを気に入り、彼女に接客して欲しいという顧客がとても多かった。そこを見込んでルビーは商会の本部となる本店を任されることになったのだ。
女性の抜擢も珍しいが、お父様はそんな彼女を選んだ。ルビーの胸元にはカフスボタンの代わりにブローチが飾られていた。そんな彼女に触発されて、多くの部下が育っている。
その年の春、王都の中央にある一等地に新事務所が完成した。4階建ての建物は1階にお父様とルビーが認めた最高級品を扱うお店が入っている。
そして本店の2階は、会員が利用する待合室兼商談室になっている。ここに通されるのはお父様に一流と認めた会員だけだ。お金を払えば会員になれるわけではない。このシステムは貴族の心をくすぐり連日話題になった。
王都に新たな観光名所が誕生したのだ。
***
「お嬢様、最近巷ではオーロラ商会のマークを1日に3回見るといいことがあるというジンクスがあるようですよ」
「だったら、私たちは1日3回以上マークを見てるわね」
「ええ、だから毎日幸せでいられるのです」
1週間おきに、支店から報告書が送られてくる。みんな元気なようで中には誰と誰が結婚したとか、子供ができたと言う報告もある。
「サ・マリンの支店長にダンが選ばれたとき、メグが泣き出したでしょ。絶対あやしいと思っていたのよ」
「はい。はい。あんたもダンを狙ってた口でしょ」
「そうなのよ!悔しい~誰か紹介してくださいよ」
「平民の私たちでもオーロラ商会の従業員と言えば、勝手に男が近づいてくるでしょ」
「そうなんですが・・・父親より年上の貴族が後妻に欲しいとか変な話ばっかり来るんですけど」
「分かるわ!私のところもよ」
***
オーロラ商会の知名度が上がると、サ・マリンの街に行くのならば石鹸や香油を買ってきて欲しい。ルヒドの街と王都の途中にあるルランの村で木材を仕入れて欲しいと言った注文が入るようになった。
従業員が持ち帰ったサンプルは、レイシャルや女性従業員が実際に使ってみて感想を言い合うことにしている。例えば石鹸だと、もう少しお湯で溶けるようにして欲しいとか、香りに工夫を凝らしてはどうかと言った具合だ。
王都の人間は目が肥えているが、みんなで考えたアイデアで生れた商品は瞬く間にヒット商品になった。多くの商品を扱うオーロラ商会の交渉役のなかでも1番腕と勘が冴えるのはベンハーだ。
ベンハーは元々娼館のよびこみびだった人物だ。
「ここで交渉が得意な者を探していると聞いた。俺でも雇ってくれるのか?」
ある日、ベンハーはド派手なシャツを着て事務所に訪れたのだ。一瞬その道の人が来たのかと怯えた従業員は、慌ててお父様を呼びに走った。
お父様が商会の事務所に着いた時には「まあ、取って喰わねえから安心しろ」とカウンターに座り、大笑いしている熊のような大男がいたという。
父はベンハーの座っているカウンターに近づくと『何故ここで働きたいと思ったか聞かせてくれるか』と聞いたそうだ。
「よびこみをしてるとアンタのところの馬車を1日16回は見る。恐らく、方向と時間からしてサ・マリンの馬車が8台。サ・マリンからの馬車は香油を運んでいるのだろう?やけに慎重だ。ルヒドからは4台。残りの馬車は時間がまちまちだから分からないが、毎日見てると気になってな・・・」
ベンハーは推察力や記憶力がとても良かった。
よびこみと言うより護衛になった方がよっぽど似合っているが、お父様はすぐに才能を見抜き右腕にすべく鍛えこんでいる。
ベンハーもよっぽど仕事が面白いのだろう、大きな男が目をキラキラさせて、お父様が褒めると子供のように喜ぶのだ。
「くすくす・・・」
「どうしたレイシャル?」
「なんだか、屋敷が動物園みたいで楽しいわ」
みんなできることを一生懸命しているだけだったが、気付いたらオッド公爵家は巨万の富を得ていた。そのお金は困っている人々に分配され、暴動の噂も聞かなくなっていた。
***
雇用を増やすためタウンハウスでも、新たに15名の使用人が増えた。
お母様が亡くなってからはお父様とふたりで食事をしていたけど、今ではベンハーやルビーも同席し賑やかになった。使用人達も私達を支えてくれる優しい人たちだ。
使用人たちの中には初めての仕事に悪戦苦闘している者もいる。
「お嬢様~、アンネッタを怒ってくださいまし。私がお嬢様のドレスは繊細だから優しく洗うようにお願いしたのに、乱暴に洗って破いてしまったのです」
「アンネッタ、何か説明で分からないことがあったの?」
「いえ、今まで自分の服はゴシゴシ洗わないと汚れが取れないので、思いっきり洗っていました。それよりは力は抜いたのですが、お嬢様のドレスを破ってしまって・・・私・・クビでしょうか?」
「いえ、クビにはしないわ。ふたりとも私のドレスに着替えなさい」
「「え?」」
「実際にシルクのドレスを着てみればいいのよ。そうすれば力加減がわかるでしょう」
「サリー、アンネッタ、急ぎなさい」
***
「サマリ、馬車を出して。市場に向かうわ」
「・・・そのふたりは、なぜドレスを」
ドレスを着たふたりはどこかすました顔で私の後ろを歩いている。年頃のふたりだ、ドレスを着て化粧をすればテンションも高くなる。
(サリーは元々子爵の令嬢なのでドレスは着なれているわね。でもアンネッタはドレスを着るのは初めてかしら?顎をツンと上げて、あれが令嬢のイメージなのかしら?すごく可愛いわ)
ふたりと一緒に馬車に乗り込むと、椅子に座る瞬間ビリっと音がした。
「ひうぃ!」
「大丈夫よ、破れていないわ。椅子に座るときは浅く腰掛け背筋を伸ばすの」
「はい」
初めて乗る馬車にアンネッタは興奮していたけど、あっという間に馬車は市場に着いた。ふたりはドレスを摘まみ馬車をお降りる。
ビリッ
「え?」
「サリー、馬車の金具にリボンが引っかかっているわ。リボンが取れそうだけど、破れてはいないわ。大丈夫よ」
「あ、申し訳ありません・・・」
今日は市場調査を兼ねているので今日は王都で1番人気が高いカフェに入る。ふたりとも噂で聞いたことがあるのか、名前を言うと『嘘~!』と驚いていた。先ほどまでしょげていたふたりも元気を取り戻したようだ。
「お嬢様!このケーキとても美味しいです」
「この紅茶も早く飲んでください、こんな美味しい紅茶初めてです」
完全に素に戻ったふたりは『あの人達デートかしら、仲がいいわね』『ちょっと見て、あの人素敵じゃない?』と女子トークを炸裂させていたけど、喜ぶふたりの顔に私も大満足だ。
それに、来店数やメニューの内容を確認していたけどふたりは気付いていない様子で、ふたりのお蔭でたっぷり2時間は居座ったのだ。
「今日一日ドレスを着てみてどうだった?」
「落ち着かないので早くこのドレスを脱ぎたいです・・・」
「私も。それに背中を伸ばし過ぎて筋肉痛です」
「ふっふ。では、ふたりとも今着ている服は洗って返してね」
「もちろん。赤ちゃんを洗うように優しくします!」
それからは上手に洗濯もできているようだ。仲良くなったふたりがおしゃべりに没頭していると、サマリが注意をするがたまにふたりに言い負かされている。護衛らしく鍛えられた逞しい男が、若い女性にたじたじになっているのも見応えがあるというものだ。
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