契約に失敗した俺は……。

ど~はん

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52.何も……

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「ど……う……ゆこと?」

真希は状況整理ができていない。

「ブリュンヒルデの能力のひとつよ。」

初めて幸田と沙夜あった時のこと、美奈を眠らせたブリュンヒルデの能力と関係しているのだろう。

「いつから……。」

「初めからよ。」



沙夜とブリュンヒルデが真希を騙したのはこと場面である。



「北欧神話  ワルキューレの一角、

名はブリュンヒルデ、

神聖なる槍よ、

進むべき道をその先に示せ!」

そう唱える。
すると伸ばした右手に、周辺から姿を表した光が集まり始めた。
その光は一本の長い槍を作った。

「制裁の槍……。」

ブリュンヒルデは、その槍をそう名付けた。

「本当は……使いたくは……なかったのですが。」

呟いたブリュンヒルデの、制裁の槍を握る右手は震えてる。

「何をするつもり?」

制裁の槍を見るのは初めてな沙夜、当然どんな能力なのか知らない。

「催眠ってやつですよ。」

「真希とサタナエルを騙すの?」

真希から聞こえないように聞く沙夜。

「そのつもりですよ。まぁ、出来るかどうかはやってみないとわからないですがね。」

「私はどうすればいいの?」

「沙夜、あなたは最初演技をしてください。」

「わかったわ。」

この場面から、沙夜とブリュンヒルデの作戦は始まっていたのだった。
そしてこの作戦は見事成功し、現在に至る。


「最初……だって……。」  

真希はさらに驚いた。
怒り、悲しみなんて感情はなく、無であった。

「最初は演技よ。私が逃げなかった時、そこからは幻の私たち。」



沙夜の説明する場面はここである。


「沙夜っ!」

サタンの狙いは、ブリュンヒルデの契約者である沙夜。
沙夜が正気を保てていないこの場面では、ブリュンヒルデを狙うことより、契約者を殺せば必然的に天使も消える結果となるからだ。

「沙夜っ、死ぬつもりですか!」

真希が敵となってしまったことを受け止められない。
真希とは戦えない、戦いたくない。

そういう思いが渦巻いている心の中に、ブリュンヒルデの言葉が入る隙間はなかった。


この瞬間以降、サタンと真希は存在しな沙夜とブリュンヒルデを見せられ、なにもない場所に攻撃をしていたのだった。

「さ……よ?」

真希は何も考えられなくなっている。

「真希、ごめんね。」

そんな真希の隙を突いて、沙夜は真希の背後を取った。
その手に持つのは、まさかの魔剣グラム。

「…………。」

真希も沙夜も、ブリュンヒルデもサタンも何も言わなかった。

無言な空間に、

真希の腹部が貫かれる音がしたー。
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